横浜中華街にある画廊 art Truthで開催中の「佐藤美絵キリエ+展・ひらひら」に会期の初日に行ってきました。(会期 4月20日(日)~27日(日))
佐藤美絵さんは、日本古来の物語や花鳥風月、更には西洋風の王国などを題材に、切り絵の手法を基礎に顔料などを使い、美しさ、懐かしさにユーモアをきかせた独自の世界を創り出しています。
今回の個展の題名に「ひらひら」とありますが、画廊のホームページを拝見すると、「ひらひら・・・春の風にひらひらしましょう。」とありますので、この「ひらひら」を少しだけ意識して作品を紹介していきたいと思います。
「清鳴」キリエ+和紙、顔料、箔、ワトソン紙 P8
尾長鶏を思わせる長くて美しい尻尾と赤い鶏冠を持つ、精悍な鶏が描かれています。
赤い鶏冠は、両側の描かれた赤い花々と共鳴し力強さを増しています。
尾長鶏は尾が長く美しいのは雄と言いますので、この鶏は明らかに雄と思われます。
背景には、白く竹林、そしてこの雄鶏の家族でしょうか、雌鶏と雛らしき鳥が白で描かれており、隠れたテーマとして家族が描かれているのではと想像してしまいます。
そして、同サイズの鶏の作品がもう1点出品されています。
「東雲 シノノメ」 キリエ+和紙、顔料、箔、ワトソン紙 P8
鶏と一緒に描かれている花は夾竹桃でしょうか、鶏の力強さに十分対峙できる花としてこの花が選ばれているように思えます。
いずれにしても、この2点の鶏の作品の迫力には圧倒されます。
その陰になってしまいましたが、この作品も魅力的です。
「上巳佐保媛 ジョウシ サホヒメ」 キリエ+和紙、顔料、箔、ワトソン紙 四つ切
ひらひらと蝶が舞い、花に包まれた女の子が描かれた作品ですが、この作品を含めて、初日の忙しいなか、佐藤美絵さんがいらっしゃったにかかわらず、作品の意味合いについて、あまり伺うことができませんでした。
ただこの作品は、大変興味深かったので、題名から自分で調べてみました。
まず、「上巳」とは、3月3日のひな祭りのことをさす言葉のようです。
そして、「佐保媛」は奈良の都の東方にある佐保山に住む女神で、東は春を意味するので春を司る女神とのこと。
このことから二つのことを連想しました。
一つは、初期ルネッサンスの名作、ボッティチェリの「春」。この作品には、ギリシャ神話の春の女神フローラが登場し、多くの春の花を咲かせます。
そして、もう一つは、以前拝見した佐藤美絵さんの「龍田姫遊戯」という作品です。
その作品はこの作品です。
「龍田姫遊戯」M20・和紙、アクリルガッシュ、箔、ワトソン紙(この作品は今回展示されていません)
この作品に登場する「龍田姫」は、奈良の都の西方にある龍田山に住む女神で秋を司る女神であり、正に、今回の作品に登場する「佐保媛」と対をなすような女神です。この龍田姫について、当時、佐藤さんに色々教えていただき、大変興味深く感じた作品でした。
このように佐藤美絵さんは、日本の古い故事を題材にし、作品の中に独自の物語を描き出すというところに魅力があるのではないでしょうか。
「金平糖 コンペイトウ」キリエ+和紙、顔料、箔、ワトソン紙 A4
平安美女が、金平糖で、大きな猫…化け猫?を捕まえようとしている作品。
優雅で、ユーモラスな作品です。
「甘香 アマカオリ」 キリエ+和紙、顔料、箔、ワトソン紙 SM
藤の花をうっとり見とれる小さな金太郎。
藤の花が綺麗で素晴らしいですが、私はこの小さな金太郎が好きです。
「探偵と泥棒猫」ニホンガ、顔料、箔、ワトソン紙 SM
腕白な女の子、実はこの子が探偵です。そして、お化けのような泥棒猫が3匹登場しています。
今気が付きましたが、女の子が(化け)猫を退治するという意味で、先ほど紹介した「金平糖 コンペイトウ」と類似点を感じました。
そして、この絵はキリエ+ではなく、日本画とのことでした。
ちょっとぶさ可愛いインコが魅力の作品です。今は、私の手元にある作品です。
以上、ほんの一部の作品を紹介させていただきましたが、いずれもキラキラ、魅力的な作品ばかりでした。
最後に、新しい佐藤美絵さんの作品集を紹介しておきます。
佐藤美絵さんの「或ル王国ノ世界」の作品をまとめたものです。会場で購入することができます。
「或ル王国ノ世界」の展示について書いた私のブログを紹介しておきます。
画廊art TruthのHPアドレスはこちらになります。











