先週の土曜日の4月19日、有楽町線江戸川橋駅近くの画廊 Gallery Fieldで開催中の、稲葉未来個展「天満月(あまみつつき)」に行ってきました。(会期 4月17日(木)~27日(日)))

 

稲葉未来さんは、日本画の公募展である日展(日本画部門)や日春展において、猫や羊など印象に残る作品を出展されており、以前から作品は存じ上げていたのですが、昨年、崇城大学出身の中園ゆう子さん、宮崎泰裕さんとの3人展で初めてお目にかかることができました。

 

今回は、稲葉未来さんの東京での初めての個展とのことで、楽しみに会場に向かいました。

それでは、早速作品を紹介していきたいと思います。

 

「春の宵」変形80号 紙本着彩

今回の個展においてはユキヒョウと猫、そして羊の作品が出品されていますが、この作品はその中で最も大きな作品です。

ユキヒョウは、ヒマラヤの高山地帯にすむ絶滅危惧種の動物ですが、稲葉さんのお話では、顔の精悍さや尻尾の優雅さなどに惹かれたとのことでした。

この作品において、何よりも印象に残るは精悍な顔立ちですが、その中に哲学者のような思慮深さも感じさせますし、長く弧を描く尻尾の優美さも魅力です。

 

この個展と同時に開催されている第59回日春展に出展された2匹の羊が寄り添う「共」という作品との共通点も私の心を打つものがありました。

 

「天満月」F20号 紙本着彩

この作品も、ユキヒョウを描いた作品ですが、今回の個展のテーマ「天満月」を題名にした作品です。

「天満月」とは空いっぱいに光り輝く満月が表す言葉とのことですが、動物を見て感動し、心が満ち足りた瞬間を描くという意味が込められているとの趣旨のお話をされていました。

大きな月を背景にして、星空を思わせる花に包まれたユキヒョウの姿は、自然に生きる動物のしなやかさ、逞しさを見事に描いており、作家自体が「恍惚」の世界に入り込んでいることさえ感じる作品に思います。

 

「遊々」F10号 紙本着彩

この作品は、私がかつて拝見した稲葉さんの猫の作品そのものであり、懐かしささえ感じた作品です。

 

稲場さんに伺ったところによると、この猫のモデルはご自身が飼われている猫、確かジャスミンとお話しされたと記憶しています。やはり、飼い猫の作品には愛情が入るので可愛らしく感じますが、この作品には、動物の持つ精悍さを失わないところにも魅力があると感じます。

応援の気持ちを込めて申し上げると、猫の持つ野生の精悍さを描くことができるという点において、日本画における猫の最高傑作のひとつとも言われる竹下栖鳳の「班猫」に近づける素養・素質があるように思います。

 

「彩雲」S4号 紙本着彩

こちらは、今回の個展において唯一の羊の作品です。

一見無表情にも感じる羊の表情をしっかりと描き、羊という動物の持つ魅力を引き出すことにこだわりを持って制作していることを感じさせる作品です。

 

 

「蝶々」SM号 紙本着彩

この作品は、今回の個展のために制作した「七房」シリーズの作品の一つです。

沖縄の文化で、結婚する際に子供の幸せを願い、親から子へ贈る七房の飾りがある指輪を送るということを題材にして「七房」の七つの意味を七つの作品に仕上げたとのことです。

七房のうち、この作品の「蝶々」は来世の幸せを祈る意味があるとのことであり、蝶が猫の羽根として表現されています。

 

七つの作品が並んでいる様子です。

なお、この日、会場では稲葉さんのギャラリートークがあり、その中でこの七房の作品の説明をされていましたので、興味がある方は是非ともGallery Fieldのインスタグラムをご覧いただければと思います。

Gallery Field(@gallery.field) • Instagram写真と動画

 

最後に、こちらの作品を紹介します。

「アモルとプシュケ」F4号 紙本着彩

ギリシャ神話における「アモルとプシュケ」を題材に作品です。

この題材では、西洋画において数々の名作がありますが、先ほどの「蝶々」の作品に登場した蝶の羽をもつ猫がアモルとプシュケとして登場している作品です。

日本画という分野ですが、こうした可愛らしい作品もとても魅力に感じます。

 

猫好き、動物好きの私にとって、稲葉未来さんの作品は大変魅力であり、今後の一層のご活躍を期待するところです。

最後に、画廊 Gallery Fieldの入口の写真とHPアドレスを掲載します。

Gallery Field | Art Gallery