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道普請人HP, http://coreroad.org/

前回7月に現地入りしたときには、安全上の問題で現場を見ることができなかった。今回は、いつもどおりセキュリティを付けながらではあるが、現場に行くことができた。短期で現地入りする自分にははっきりとわからないが、現場にいくにあたって警察への届出など、いろいろな手配が行われているようだった。

そうした手配が自動的になされる環境に感謝である。幹事会社としてプロジェクトを運営するコンサルタント会社が築かれてきた、実施体制のお陰だ



コンクリート舗装の道から中に入る枝線の道が事業対象道路となっている。





渡河部にボックスカルバートが建設中である。断続的な雨のために、囲いを作っていても浸水し水浸しになってしまう。均しコンまで打てているので、水位が低いときにいかに効率的に施工を進められるか、ポンプを増設するなどして水位を下げる工夫をすること、が指示された。



上流からの流れを切り回す水路は設置されている。



「Rehabailitation」(改築)のためのパイロット事業が行われる道路を視察



視察後の打合せの様子





続いて「Maintenance」(維持管理)のためのパイロット事業が行われる道路を視察




イスラム教徒が多いので、モスクが沿線にある。



最近の大雨で、既設のパイプが流され道路が寸断されていた。緊急工事が必要で、さっそくに調査、対策がたてられた。パイロット事業で期間や予算が限られているが、こうした対応が、行政組織にとってよい学習となる。



土のう工法の現場。バケツの中は住民が差し入れしてくれた、Lanzonesというフルーツ。甘くてブドウのようだった。皆が次々に手を出していくので、あっという間になくなった。

7月の施工開始と聞いていたが、現場を見て進捗状況と今後の計画が確認でき、有意義な視察となった。
2007年にケニアで土のうを利用した農道整備の研修を始めて以来、初めてケニア、コーストでの研修に立ち会うことになった。

資機材の運搬のため、首都ナイロビから車両で移動する。海岸へ向けて標高差約1,600 mを約500 kmかけて下りていく。国道、モンバサ道路は整備されていて、快適なドライブではあるが、途中休憩も入れて約8時間の移動だ。

地平線が見えるような、見通しのきく景色は新鮮だ



ナイロビの郊外には工場がある。







バオバブの木



インド洋の港、ナイロビ、ビクトリア湖、ウガンダへと続く線路



ケニア農道公社の事務所を訪ねると、ちょうど当月(8月)のカレンダーに、土のう工法が紹介されていた。事務所の方はなんのことかよくわかっていないところへ、折よくプロジェクトで研修を行うタイミングとなった。



二人の農業土木技術者(カウンターパート)と一緒に研修を行う。ホスト県の農業事務所所長が、積極的に研修に参加し、技術を身に着けようと呼びかけた。



説明しているすぐ側で、新聞を堂々と読むカウンターパート。この神経が素晴らしい、と思う。こういう方と一緒にプロジェクトを進めることが、開発途上国での技術協力の醍醐味かもしれない。



次の日は、実際の改修場所を調査し、施工・研修計画を立てる。新聞を読んでいたカウンターパートの指導ぶりが堂々としていて、的を得ており、申し分がない。



デモの様子



デモ終了後の反省会、日影がないのがつらかった。



デモ翌日、土のう工法に関する試験、デモ結果の記録、今後研修参加者が対応すべき課題を明確にし、研修終了である。

県職員が研修をできるようにすろ、という方針が明確で、そのための研修プログラム、教材が整備されたと手応えが感じられた。
ケニアでは、農業省職員が、農家グループに対して土のうを利用した道路改修ができるように、技術移転を行っている。

収穫した作物を市場まで運べるようになることで、農家グループの収益が向上する。農家グループが道が悪くて困っている、なんとか自分達で改善したい、という声に、彼らの身近にいる農業省職員が応えられるようにしたい。

道路排水を整備すること、現地の土を極力土のう中詰め材に使うようにすることで、基本中の基本の道直しができるようにと、研修内容を作り上げてきた。

その運用状況を見に行く機会があった。




県農業職員による研修

自分も同僚も、思わず手が出そうになるのをこらえ、彼らができるように裏方に徹する。この経験を経て、今後は彼らのやる気次第で、簡便な土のう工法による道路整備の指導をできるようになると思う。





農家さんグループの畑。大きなスイカができていた。研修の途中にいただいたが、甘く水分があっておいしかった。冷蔵庫なんてないので冷やしたスイカというわけにはいかないけど、十分おいしい。こっちの方は、「スイカ割」なんてするのかなあ、その様子を見たらどう思うんだろうとふと思う。






聞くとプロジェクトの他の研修のおかげで、農家グループは収益が上がっているそうだ。有力者がその評判を聞き、グループメンバーになったそうだ。儲けた分や私財を活用して畑や養鶏などの事業を始めているという。



研修後に、日本からの客人ということで農家グループから大きなスイカとバターナッツをいただいた。



研修には近くのユースグループも参加していて、とても熱心に作業をしていた。向学心にあふれ活発な様子はとても新鮮だった。
ビクトリア湖近くの町、キシイで研修をし、ナイロビまで帰ってきた。持参したGPSによると距離は約300 km.最大標高2,275 m、最小標高は1,626 m。約640 mの標高差があった。

舗装された幹線道路を走行し、約5時間半のドライブ。すでに20万キロ以上走行しているランドクルーザーだが、手入れが行届いていて熟練ドライバーの運転で快適だった。

道中の景色の変化が楽しめた。アフリカらしい、と思う風景もある。




お茶も採れるキシイ。



緑が深いです。



低地にきてやや乾燥した風景。



道端の野菜販売所。同僚が家族に、といろいろ買っていた。家族思いである。



前方に山が見えてきて、緑がまた深くなってくるようだ。家畜が横切っていて、自動車よりも優先。




山登りになる。これまで車の数が少なく、マイペースで快適に走行できていたが、急に車列ができノロノロ運転になった。



大型車両が山道で、スピードが上げられず渋滞を作っていた。




坂の途中でトイレ休憩。これが生で見る地溝帯。地図上では線状でしかないけど。





ナイロビ市内に入る。大型車両の走行のためか、路面が沈下している箇所もある。ポットホールができていて、維持管理が必要だ。いくつかは長方形状でマーキングされているので、間もなく修繕されるのだろう?。


施工前の道路状況の確認。気楽な現場視察となるかと思ったが、別の緊張感?があった。



まずは現場で市長と会い、挨拶、自己紹介。



現場に着くと、不穏な車両が鎮座していた。最初に思ったのはこんな車が通ったら、道路も悪くなってしまうなあという懸念。ついで、たまの頻度で乾季や施工中に通過するなら、いい締固め機械になるか、とも思った。



何とも言えない道路視察状況でした。目線は路面から、どうしても車両の方に行ってしまいます。そして凝視していいものか、カメラを向けてもいいものか(遠慮がちに撮っていたからか、特に注意はなかった)。



装甲車はムスリム教徒の自治区所属、制服警官はフィリピン政府からの派遣。立場は違うが、ここでは現場視察にくる日本人の警護、という共通目的で一緒にいる。






しばらく行って、道らしい道もないところ。ここを、[Rehabilitation]として、やや大掛かりな、でも人力による施工で整備する。




最後に市庁の会議室で、視察結果について共有と今後の予定について協議。ここでも政府のラインの市長らと、ムスリム教徒自治区の行政官候補が同じテーブルについている。会議は、非常にスムーズに進められた。
プロうジェクトでは、有機野菜栽培の技術支援も行われていた。






畑のすぐ側で、堆肥が作られている。



レタスが植えられていた。野菜不足の解消になりそう。




道路現場の側で見かけたジャックフルーツ。割って中の種の周りに付着している甘い実をしゃぶる。フルーツ味のチューインガムのような、甘い味がした。
ティラピアの養殖が、ミンダナオ島のコミュニティ開発事業の中でも実施されていた。

これまであちこちで活動しているなかで、付合いの多い魚だ。ケニアのビィクトリア湖の湖畔の町で食したり、パプアニューギニアの山奥で養殖をしたり。貴重なタンパク源になるという。

大きく、おいしいティラピアに育っていると聞き、養殖池を見に行くことにした。




まずは村道を進む。ここから道路脇の茂みに入っていく。



急な山の斜面を下りる。ついてきてくれるのは、雇っているセキュリティたち。



養殖担当の職員が先導する。なかなかの斜面で、足元を気を付けないと滑りそうである。



山を下りて、川の側に、養殖池が並んでいた。山からの水を池に貯めている。この水が、臭みのない、おいしいティラピアを育てる秘訣らしい。







お昼時になり、魚を取ってランチをいただくことになった。撒き餌をして、魚を水面におびき寄せ、投網する。



捕まえた魚のうろこをとってもらう。



ココナッツの実の皮や木片に火をつけてたき火。そこへ網をおいてティラピアを焼いてもらう。お腹もすいていて、ココナッツジュースでのどを潤し、割って実の中の果肉をいただく。あっさりしていて食感もすっきりである。獲れたて、焼き立ての魚はとてもおいしかった。



池の側の小屋の中で、皆でいただきました。自然公園のような雰囲気を楽しめました。



メンテナンスを行う道路の視察時の様子、子供を乗せたバイクが通る。ほぼ平坦だが、水たまりで泥田状態になっている。バイクもタイヤがとられそうで、慎重に通っていた。



セキュリティのお兄さんが付いてくるけど、つい背中に背負っているいるものに目がいってしまう。



デモ施工時には、地元の自警団の青年の護衛つきだった。











かなり簡易なデモだったが、三日間の研修プログラムの終了で記念写真



一番身近に感じていたリスクは、ココナッツが落ちてこないか、ということだった。
ミンダナオ島でのプロジェクトで、土のう工法や住民参加による農道整備研修のために、現地入りした。フィリピン政府とイスラム系反政府組織との合意がなり、これまでの紛争で遅れていた生活社会基盤施設の整備を住民参加で行う。

フィリピンでは、2007年よりルソン島北部のイルコスノルテ州で地元大学と連携して活動を開始した。今年の5月には、ヌエバビスカヤ州でも他NPOや現地NGOと協力して、渡河部の構造物建設事業を開始した。

同じフィリピンでもミンダナオではイスラム教徒が多く、キリスト教徒と混在していることが、大きな違いだ。開発コンサルタント会社との業務であり、現地スタッフがとても教育されている様子に驚く。複数の日本人専門家の渡航の段取りを任されていて、そつなくこなししている。

スーパーへ出かけるのにも、無線と拳銃を持つ私服セキュリティが付いてくる、という警備体制のなか、活動を開始した。

プロジェクトサイトの市での研修に参加した。





市のオフィスと研修用ホール







先行して活動を行う開発コンサルタントの方により、土のう工法についてすでに研修が行われていた。その研修を受けた、村のリーダーが住民たちへ説明している。




市役所の敷地へのゲートにかかっていた看板。軍隊への募集か、注意喚起か、爆弾の案内のようだ。


2010年に初めて訪れた東ティモール。

コミュニティベースでの道路整備事業に参画した。2週間から2か月程度の期間で、これまで5回現地入りし活動した。

プロジェクト立上げ時から副コーディネーターを務める、ルイスとは4年の付合いになる。時々やってくる外国人の自分を快く迎えてくれ、サポートしてくれる。少しは頼りにしてくれているようだ。

今回、別事業での業務のため、東ティモールした。ルイスに連絡したところ、土曜日に日帰りで現場に連れて行ってくれるという。

 自分でもレンタカー、ドライバー、うまくいけば通訳兼案内役を段取りするなどして、行くつもりでもあった。費用と段取り手間がかかるが仕方がないと思っていた。けれど、プロジェクトカーを出してくれて、また本人も休日にもかかわらず、付き合ってくれるという。一日の出来事だけれど、こんな人間関係ができていることがうれしい。




橋のかかった道



以前は川の中を横切っていた。




田んぼの側。粘性土が広がるので、良質土を盛りかさ上げする。



灌漑水路を道路横断側溝につないで、排水整備をした。乾季でも年中水があるので、灌漑水路が引かれている。



年中水がある河川の渡河部。沈下橋が建設中である。



水は端部に寄せて、工事をしている。



ある区間では、ふとんかごが設置されていた。



新しく山の斜面を切り、盛土してできた新設道路箇所。盛土部をささえるため、土のうが活躍していた。



導入当時、ここまで運用されることになるとは思ってもいなかった。自分が事業が離れたあとも、現地の人々にどんどん利用されている。

写真中の人物が、副コーディネーターのルイス氏。