天気雨
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最近観た映画から・・・・12

人生万歳 : WHATEVER WORKS



久しぶりに、ウッディ・アレンの作品を楽しみました。


ちょっとしたきっかけで、

10代の少女が、老境に達した物理学者と結婚します。


少女は次第にたくましくなっていき、

老学者も、シニカルな思考や態度が和らいできます。

そして・・・・


そんな展開ですが、四方うまく収まるという、まあまあのハッピーエンド。


学者の最初の結婚と、今回の結婚を、

同じ階段付きのマンションの、インテリアで表現しています。


前回は、シャープで白とガラスの空間。

今回は古びたレンガと木の空間。



彼女のお父さんが、南部からNYへ、娘を訪ねてきます。

先に来たお母さんの変身にびっくり。


バーで落ち込んでいると、同じく失恋した男から声を掛けられます。


(恋人は)売れっ子のモデルだったが、パリに住みたいと言うのであきらめた。

母の介護で、国を離れるわけにはいかなかったんだ。


よくきくと、別れた相手は男性。

狼狽するお父さんは、思わず訊きます。


お母さんは女だったのかい?


ラストへ向かう切れの良い展開は、実に都会的な作品でした。




デザート フラワー : DESERT FLOWER



サクセスストーリーは、快く観られるので、好きな分野です。


アフリカ難民の女の子が、トップモデルになるストーリーは、

実話と知って驚きました。


脚本も演出も、多少ぎこちなさや、もたつきを感じますが、

最後になって明かされるこの作品のメッセージに、帳消し。


幼児期に少女の体を傷つける諸国の習慣を、訴えています。


それを知ったイギリスの女性の驚きが、


あなたは切られていたの!


彼女の答えは、


あなたは切られていないの?


この風習は、本で読んだことがあります。


こんなことは、コーランには書いていない、、


国際連合で現状を訴える、彼女のスピーチの冒頭です。

自信のない男が創ったルールなのでしょうね。




ソーシャル・ネットワーク : THE SOCIAL NETWORK



いやいや、IT用語の連発にはまいりました。

半分くらいしかわかりません。


とにかく、ハーバード中退の男の子が、ビリオネアーになったことはわかりました。

あわてて、フェイスブックを調べたりも。


ちょうど今、エジプトで、100万人規模のデモが続きましたが、

これも、ファイスブックを使って呼びかけたそうです。



10年ほど前に、その世界の友人が、


ITとは、原語では Information & Communication Technology で、

日本では情報革命と呼んでいるが、コミュニケーションが抜けている。


と、教えてくれました。


子供にコンピューターを与えるのは、

たばこやお酒を与えるのと同じような危険をはらんでいる。         


これも、メディア教育を研究している友人の言葉です。





ウォール・ストリート : WALL STREET: MONEY NEVER SLEEPS



もう前作から20年以上たったのですね!


途中、チャリティパーティのシーンで、前作のチャーリー・シーンが登場。

「その後」 を語っていました。

同窓会的です。


何が変わったといって、NYの街・建築と、インテリア。

20年前はあんなにガラスをふんだんには使っていなかったのですが・・・


ガラス会社に投資ですかね。


主人公の会社の社長が、セントラルパークで犬の散歩をしています。

犬は、キャバリア・キングチャールス・スパニエル。

我が家の愛犬と同じで、思わず目を見張りました。


落ち着きなくフラフラ歩くところはわが愛犬と全く同じ。

個人的に嬉しくなった一場面です。


マンションの仲介をするレディも、前回と同じ俳優。


主人公のお母さま役は、あのスーザン・サランドン。

強引なママに、息子は手こずっていました。



エンドタイトルには、スーザン・サランドンのメイクさんなどの名が

ずらっと並んでいます。

きっとスタッフも手こずったのでしょうね。



金はいらない。おれにとって大事なのは時間だ。


服役で悟ったゴードン・ゲッコーのセリフです。


演じたマイケル・ダグラスは、お父さんにそっくり。

説得口調で語るときの眼は、「スパルタカス」 を思い出します。




日本のネットでの評価は決して良くないのですが、

私の感想は、結構高いランクです。


   mic













最近観た映画から・・・・11

魔法使いの弟子 : THE SORCERER'S APPRENTICE


おまえは魔法使いになれ


などといきなり言われた気の毒な男の子の話です。

好きな女の子の前で、おもらしをしたり、変人扱いを受けたり、散々。


成長して物理学の学生になったのは正解のようで、

変人も奇行も不思議な実験装置も、物理学者なら許されてしまう。


魔法であれを燃やそう、燃焼とは分子の激しい震動だ。


師匠のニコラス・ケイジは物理学っぽい説明をしながら、

結局何を言うかと思うと、


集中しろ!


スターウォーズと変わりませんね。


千年の間に師匠が恋をしてしまう、ヴェロニカ役が、

あのモニカ・べルッチ。


マレーナ で印象的だった美しい女優さんです。


40歳を越えていますが、美しさは増すばかり。

この作品では、そのため少し浮いてしまっています。


美しすぎるのも、困りものの例ですね。


この作品を観たのが、ユナイテッドシネマ豊洲。

男子トイレは大きな透明ガラスの窓から、海とレインボー・ブリッジが眺められます。


綺麗なのですが、ちょっと落ち着かない。


美しすぎるトイレも、困りものです。




ベスト・キッド : THE KARATE KID


お馴染みのシリーズのリメイク版。

ジャッキー・チェーンが円熟した達人の役どころ。


酔拳で、修行していたころのジャッキーが懐かしいですね。



ウィル・スミスの息子は、デトロイトからしぶしぶ北京へ引っ越す少年役。


中国は何でも古いんだ。あの人なんて、400歳を越しているんだ。


指差した肖像画が、私には誰かわからず残念。
織田信長くらいの人物なのでしょう。


お母さんが、オリンピック施設を見せて説得します。


何もかも新しいでしょう!


例の鳥の巣や、真四角な国家水泳場がさらっと登場。

印象的な建築は、国家の財産ですね。


敵役の男の子が優等生のような顔つきで、、結構カッコイイ。

これが良かったです。

今回は、実は空手ではなく、カンフー。

リメイク版だから KARATE KID なのでしょうが、

日本人にとっては、多少気になります。





ソルト : SALT


まず、驚いたのが、ロシアとUSAのスパイ合戦。

この2国の争いは,半世紀前のシチュエーションでは?


冒頭は、北朝鮮での拷問シーン。

私は映画であっても、拷問は苦手です。


アンジェリーナ・ジョリーは、ほっそりとしていてあまり強そうではありません。

以前の作品より,華奢になった印象。


でも,それがかえってリアルで,アクション映画としての迫力が増していました。


イヴリン・ソルトには愛する夫がいて,その絡みで大暴れとなります。


結婚記念日なので,パンケーキを焼いたわ



で、よい妻だと表現しているようです.。

パンケーキなら私もたまに焼いているのですが・・・・


そういえば,クレイマーvsクレイマーでも、パンケーキのシーンがありました.

家族団欒のシンボルで,日本ならすき焼きみたいなものなのでしょうか?


   mic




日光東照宮ー2 建物の配置

敷地が決まると、次は建築をどのように 配置 するかが、腕のみせどころ。


実は、もっとも才能が発揮される場面かもしれません。




天気雨

記録によると,敷地の決定は,天海・本多正純・藤堂高虎によるもの。

家康の死後半年たった、1616年10月のこと。


詳細な配置計画は,大棟梁と呼ばれた、

甲良豊後宗広(こうらぶんごむねひろ)の指導で行われたようです。


大棟梁は、今で言う建築家とはいくぶん異なるようですが,

建築の作者の名が現れるのは、この時期から。


甲良氏家伝の技術書には、中国などから伝えられた新しいものへの

熱心な好奇心がみられるそうです。


天気雨

石ノ大鳥居から振り返り、表参道を俯瞰します。


杉並木に護られた、日光街道のゴールにふさわしい、荘厳な参道ですね


ディナーでいえば、食前酒を楽しみながら、

連れの到着を待つウェイティングバーといったところでしょう。



天気雨


石ノ大鳥居をくぐると、すぐ左手に、五重塔が。


杉の巨木、大鳥居、五重塔と、高さを競うトリオが整列しています。


まずは、最もスケールの大きい施設が訪問者を圧倒。




天気雨

石段を登って、表門をくぐります。

ここからが、オードブルのはじまり。


表参道から緩やかに登る軸線に、中心がぴったりと合います。




天気雨


表門から、参道はいったん左に折れ・・・・

そして正面にくる水盤舎を右に曲がると、陽明門に続く石段に出会いました。


この2回のターンが、実にすばらしいテクニックです。


右に中神庫、左に簡素な造りの神厩(馬や)。


白い石造の柱と、優雅な唐破風の屋根をもった水盤舎が見えるあたりは、

東照宮で、私の最も好きな外部空間です。


抑えられた装飾は、食欲を増すオードブルとしての役割を発揮。




天気雨

水盤舎を右に折れ、いよいよメインディッシュ。

銅鳥居をくぐって、陽明門が見えてきました。


道幅も狭まり、装飾も華麗に展開してきます。

拝殿へ向かって、北から南に走る軸線に、ぴったりと乗りました。


鳥居に囲まれた台形の窓に、石段と陽明門が、きちっと納まっています。


天気雨

石段を登ったレベルには、鼓楼と鐘楼が、シンメトリーに並びます。


左右対称は、格調高い雰囲気を強調。


建築群も、人も賑わっていますね。





天気雨


陽明門をくぐると、拝殿の入り口にあたる唐門がうかがわれます。


東照宮建築のクライマックス。


左右上下を3次元的に演出した、みごとな配置計画ですね。




天気雨


陽明門のなかに入ると、建物の大きさは小さくなり、

道幅とともに、いつの間にかヒューマンスケールに変わっています。


空間の密度は、ぐっと圧縮され、いわゆる 空気が重い と表現される場に。



天気雨


メインディッシュの後は、デザート。


奥社までは、細い石段を連ねた山道が導いてくれます。


石段の見事さに驚きながら、城郭建築の技術に感心。



天気雨

奥社参道から目をやると、拝殿周りの屋根が群れをなしています。


山と屋根のイメージが重なり、山岳に築かれた建築群の余韻を味わいながら、

家康の墓所へと向かいました。


地形をそのまま取り入れ、自然体の配置のように見えますが、

細部まで見事に計算された空間演出です。



甲良豊後宗広の人となりが、400年の時間を超えて、伝わってきました。

穏やかで、鋭く、でも、暖かい人物だったのではないでしょうか?



次回は、建築単体について、語りたいと思います。


   mic






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