- 名探偵マーニー 1 (少年チャンピオン・コミックス)/秋田書店
- ¥440
- Amazon.co.jp
「なにかトラブルにあった時は連絡してほしい
ロイド探偵事務所はそんな人のために
いつもドアを開けて待っているから-」
名探偵マーニー1巻
木々津克久・チャンピオンコミックス
(週刊少年チャンピオン掲載)
☆あらすじ☆
ロイド探偵事務所の娘、マーニー。身の回りに起きる小さな事件を、お金さえあれば何でも解決?!
なにげない日常に潜む不思議、喜び、憎しみ‥彼女は事件と共に人間の本当の姿を知っていく。
「ヘレンesp」「フランケン・ふらん」で独特の作風を貫く木々津克久の最新作!!刮目せよ!!
☆☆☆
大好きな木々津先生の連載が始まりました。しかもチャンピオン!!まってました!!
「ヘレンesp」でほのぼのし、「フランケンふらん」の臓物で驚愕し、「アーサー・ピーティーは夜の魔女」で世界について考えさせられ‥絵柄も作風も突き抜けていて読み手を選びますが、一度はまったらヤミツキです。
今回は探偵モノ。
といっても連続殺人事件を華麗に解決!するわけではなく‥人探しや身辺調査など、実際の探偵が請け負う仕事を高校生のマーニーが引き受けます。
パパが大好きで、ぼさぼさ頭で、授業では居眠りばかり。しかし一度「集中モード」に入ると恐ろしい推理力を発揮します。
サバサバしてるけどかわいらしいマーニーと、あっと驚く真相解明がチャンピオン読者にウケ、現在かなりいい位置に来ています。
しかし少年誌だけあって木々津作品の中では「やわめ」の内容だと思っています。
臓物も化け物も出てきません。
そういえば殺人もないな‥
私は木々津先生がこのままどんどんグロ凄い世界に突き進んでいくと思っていたので「あれ?」と思ったんですよね。
しかしこの「勇気ある後退」が作品としての完成度を高めている気がします。
小説だと昔から殺人のないミステリがいろいろ出ていました。
殺人というウマミなしで話を成立させるには登場人物やその背景が魅力的でなければいけない。トリックもしかり。
だから完成度が高く、かなり買いあさっていた気がします。
「マーニー」はまさにそれをやっています。しかも足で稼ぐハードボイルド型。探偵モノとしてとことん地味だけど、内容は濃い。
しかも毎週毎回違う事件を出して来る(本誌では二週連続二本立てとかやってる!)。世界の歪み、人間のやってらんない嗜好性、奥底に隠された愛情‥日常はこんなにも恐ろしくそして愛おしいのかと考えさせられます。
1巻では「笑い男」が好きですね。真実の意外性と感動を一度に楽しめたなと思います。
漫画好きの大人の方にも胸を張ってオススメできる漫画です。
さて、この漫画の一番のナゾ‥
それはマーニー自身です。
日本に住んでいますが父の名前は「ロイド」。でも彼は元刑事らしい。そして存在しない母親と、それに対するマーニーの気持ちもナゾ。
マーニーの本名は「真音(まりおん)」。キラキラネームというか、「人形(マリオン)」と名付けられているのも気になります。
いずれ事件の合間に少しずつ見えて来ることでしょう。とにかく‥長く続いてくれたらいいなーと期待しております。

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