「貴女との婚約を破棄させてもらう」
――何故 この王子はアイーダへの婚約破棄を私に宣言しているの…?
逃がした魚は大きかったが釣りあげた魚が大きすぎた件(コミカライズ)
原作:ももよ万葉(イラスト・三登いつき)・漫画:ながと牡蠣
(スクウェア・エニックス)
☆あらすじ☆
私、マリーア・アンノヴァッツィ!ムーロ王国の公爵令嬢!みんなからは「ミミ」って呼ばれてるの!
只今、婚約者を必死に探し中。なんでって、今まで次期公爵として育てられてきたのに、弟が生まれて跡継ぎを降ることになったの。
自分の国ではもう結婚相手がいなくて、遠縁のアイーダがいるルビーニ王国ならいけるかも!と思ったんだけど全然淑女教育されてないから話にならない…!
そんな時、突然ルビーニ王国の王太子・レナート様が私に婚約破棄をしてきたの!
…でも、あれェ?レナート様の婚約者は私じゃなくてアイーダのはず。
ちょっと婚活に大きく影響するじゃない!どうしてくれるのよ!
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お久しぶりの更新です。普通の漫画も読んでますがなんでだかなろうをピックアップすることになってしまいました。
以前もピッコマを紹介しましたが、いやはやもう少年漫画だとか、少女漫画だとか、そういう垣根をこの辺はかるーく飛び越えてきてしまうのが恐ろしいなと感じています。
この漫画、なんとなく試し読みしたら面白すぎてゲラゲラ笑ってしまって、続きはアプリを読んで、待ちきれなくなって小説も買ってしまいました。コミックスは紙と電子両方買っています。
おそらく現在もこの話の重要なエッセンスが表現されている部分までデジタル書籍サイトなどで試し読みできると思いますのでぜひぜひどうぞ。試すだけならタダです。ピッコマとか。
読みましたか?
読みましたね?
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主人公のマリーア(愛称ミミ)は小さな国の公爵令嬢。末っ子ですが「とある能力」を父に認められ跡継ぎとしてほぼ男として育てられてきました。ところが3年前弟のテオドリーコが生まれ、跡継ぎはテオに。四人の姉はすでに結婚&婚約済で、いきなり嫁に行けと言われても相手はもう見つからない…ルビーニ王国に住む遠縁のアメーティス家に居候し、アイーダに淑女教育を受けながらそちらに活路を見出すも、おおよそ令嬢にふさわしくない言動をしてしまうミミは全く相手にされません。
一方淑女の代名詞!と言われるほどのアイーダ。すでに王太子レナートとの婚約もしています。上品でミミに優しくとても素敵な令嬢なのに、実は「王太子に全く相手にされていない」らしい。
そしてとあるパーティーでレナートは男爵令嬢を連れ歩き、アイーダに婚約破棄を言い渡すのですが…
言われたのはアイーダではなく、ミミ。
なんと、レナートは婚約者の顔を間違えたのです。
大きなパーティーで勝手に婚約破棄をされてしまったミミ、ますます誰にも相手にされなくなる~~~!!!と大パニックですが、後でレナートが丁寧に謝罪をしてきます。
実はレナート、弟のプラチドがアイーダと思い合っているのを知っていました。アメーティス家は「王太子との婚約」を望んでいたため、プラチドは相手にされない。では自分が廃嫡されればいい…と思い男爵令嬢(実は男爵が横領をしている)を誘った上でバカげた婚約破棄をしようとした。しかしレナートはいつもプラチドにアイーダのことを任せていたため顔を覚えておらず、同じ金髪のミミに宣言したというわけなのです。
「なんだ、いい人じゃん!」そう思ったミミは弟のことや王太子のプレッシャーで眠れないレナートに「弟を寝かしつけるための数え歌」を全力の変顔で行いレナートを笑わせます。
ミミは淑女としては全然ダメな子ですが跡継ぎになれないからといってふてくされるわけでもなく、底抜けに明るく、誰とでも仲良くなれるコミュお化け。思っていることはぜんぶ表に出てしまいますが、相手を不快にさせません。いつもは眉間にしわを寄せまくっているレナートも心を許してしまう。
さらにミミは「こんなときは美味しいものを食べて寝るのが一番なんです」と一緒にレストランへ行くことに。
ところが…そこでミミは男爵令嬢の手下にさらわれてしまうのです。
男爵令嬢は横領を暴かれこのまま捕まってしまうなら身代金を取って逃亡しようというめちゃくちゃさ。
屈強な男が三人、ミミを取り囲みますが…
実はミミの「アンノヴァッツィ家」は武道の名家。80の型を組み合わせ格闘するのがならいで、末っ子だったミミが跡継ぎに選ばれたのは一番才能があったからです。まず肘鉄、かかと落とし、
そして屈強な男が3メートル飛んでしまうほどのアッパー。
このくらいの輩なら朝飯前だったりします…
ミミを追ってきたレナートはその一部始終をしかと見届けました。
「見られた!終わった!」と思ったミミですが、レナートに求婚されます。
そりゃそうでしょう、変顔数え歌が実は格闘技を覚えるための歌で、いい子でめっちゃ強くて護衛がいらないのですから。しかも面白いときた。
こうしてミミはいろんな婚約相手を逃してきましたが、とんでもない優良物件を釣り上げることに成功したのです。
正式に「王太子の婚約者」となったミミはこの後ルビーニ王国の王様・王妃様たちと出会い、さらにいろいろなピンチと格闘を繰り広げながらレナートとはラブラブでお友達もたくさん増えていきます。
私的には側近のライモンド、王妃様のキャラクター、そして格闘一家のアンノヴァッツィ家がお気に入りです。とくにミミの家族はとんでもなさすぎ。ミミは一度帰省することになるのですが、その一部始終が「私は少女漫画を読んでいるんだっけ?」という状況になってきます。
なんていうんですか・・私はチャンピオンを20年近く読んでいる者なのですが、そういうテンションなんです…ミミは一族の女子の証として特別な髪飾りをつけているのですが、その形どう見てもメリ●ンサックですよね…?
小説は4巻、コミックは5巻がそろそろ出るころですが、コミカライズはまだ小説の1巻が終わったところです。コミカライズはそういうものだよなあ…と思いつつも、この書き手さんはすごいのではないか、と何度も読み返しています。
ちゃんと少女漫画の絵柄なのに、格闘となると文句のつけようがないキレを見せてくるのです。
ムキムキの男性を描くことにも躊躇がないし、世紀末かな?というキャラクターもたくさん出てくる。
それから少々漫画の作法は古いかもしれない…と思いつつも、漫画の基本中の基本がわかっていて、
小説の内容を読み込み、「どう面白く見せるか」を常に考え、原作を二倍三倍面白くしてくるのです。
(持論ですが、漫画が多少古い人は漫画表現の手数が多いと思っています)
小説も読んでしまいましたが、「早くこれを漫画で読みたいなあ!」と思っております。小説も声を上げて笑っちゃうほど面白いのですが。
甘くてラブラブな「なろう」らしい恋愛を楽しむもよし、硬派な格闘を楽しむもよし。明るくてヌケているミミ、ミミを好きになりすぎてしまって困ったさんのレナート、ツッコミのライモンド、冷静に淑女としてときおりきつい一発を浴びせるアイーダ。ゲラすぎるプラチド。みんな愛すべきキャラクターとして心に残ると思います。
少女漫画も少年漫画も越えた面白さ。かなり売れているっぽいです。私はアニメ化したら夏のプリキュアの人にミミの声を当ててもらいたいなあ。