【マンガ感想】
『マコトの王者(赤)(青) 3巻 (福井あしび)』
マコトの王者(青) 3 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
福井 あしび
【あらすじ】
両親と死別し貧困生活を這い上がってきた「豪腕の野性児」大地真と、名家に生まれエリート街道を堂々と歩んできた「王の中の王」天堂誠。同じ名を持つ対照的な二人が王座を争ったWBC世界ウェルター級タイトルマッチ。死闘の果てに、立ち上がったのは大地真。新王者誕生の瞬間であったが、両者はその中身が入れ替わってしまっていた!! 二人は「マコトの王者」の称号をかけて再戦を決意するが…!?二人の主人公、二つの道がクロスする、新しいボクサーズ・ロード物語のゴングが鳴る!!
ボクシングをテーマとしたスポーツマンガです。
両親と死別し極貧の生活から生まれた飢えた拳を持つ『大地真』。
名家に生まれ、現在、日本人世界王座連続防衛記録を更新中の世界王者・『天堂誠』。
同じ名を持つ対照的な2人によるWBC世界ウェルター級タイトルマッチが行われ、
結果は貧困生活を這い上がってきた『大地真』が勝利をおさめ、新王者が誕生する。
しかし、ナント、この試合を通して、両者の中身が入れ替わってしまうという事件が起こってしまう・・・。
という感じで始まる作品でして、全く違う環境で育ってきた2人のボクサーの“精神”だけが
入れ替わってしまったという設定の少し変わったボクシング漫画となっております。
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ここからは、3巻の感想。
3巻では、2巻と同様に、『赤』・『青』が同時進行で時間が進んでいくこととなりまして、
それぞれのイベントや人間関係が描かれていくこととなりました。
まず、『青』について(『青』は、『大地真』となった『天堂誠』サイドの話です)。
2巻で、世界最高のボクサーと言われる『フロイド・ジョイ・ジョーンズ・ジュニア』(4大タイトル統一
ミドル級チャンピオン)の試合に勝利したことで、名実ともに世界チャンピオンになった『大地真』。
そんな『大地真』の周りには、許嫁の幼馴染の女性や、お金目当ての親戚など様々な人々が
集まってくることとなりました。
そんな『青』の2巻のメインとなるのが、やはり『天堂誠』との再戦イベントによる変化ですね。
このイベントは、『天堂誠』が『フロイド・ジョイ・ジョーンズ・ジュニア』に勝利したことから始まりまして、
ついに『天堂誠』との再戦が決まることとなりました。 約束の『天堂誠』との再戦が決まると同時に
『大地真』は戦闘モードへ入ることとなりまして、周りの人々を寄せ付けない雰囲気を漂わせます。
その戦闘モードは、一緒に暮らしている妹たちにも大きな影響を与えることとなり、
妹たちは『大地真』を徐々に拒否していくこととなります。 しかし、『大地真』自体、
家族というモノに一切興味のない人物であるため、その妹たちの変化に対しても反応はせず、
常にボクシングを第一に考えるロボットのようになっていくこととなりました。
そんな状態であるため、最大の味方であるジムの会長からも色々と指摘されるわけですが、
そのアドバイスもまた『大地真』には届かず、結局、『天堂誠』との再戦が始まっていくこととなります。
(ただし、純粋に強さを求めていく『大地真』の姿勢はボクサーとして正しいものでありますし、)
(『大地真』自体、チャンピオンとして挑戦者を迎えている状態なのでしょうがない部分もある)
次巻では、このロボットのように強さを追い求めた『大地真』が『天堂誠』を相手にどのような
ボクシングをしてくのかがメインとなりそうで、そこら辺を注目していきたいな、と思います。
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『赤』について(『天堂誠』となった『大地真』サイドの話です)。
3巻では、怪我から見事に復活し、日本ウェルター級第一位・『蛇川一久』や、『フロイド・ジョイ・
ジョーンズ・ジュニア』に勝利することで、『大地真』への挑戦権を手に入れることとなりました。
3巻での『赤』のメインとなるのが、『天堂誠』の周りの人々を巻き込んでいく力でしょう。
『天堂誠』自体が、明るい性格で家族想いであるため、他人を拒否して力のみを求めていく『大地真』
とは違い、『天堂誠』は家族を始め許嫁や自分をサポートしてくれる人々と多く関わってきました。
3巻では、その集大成ともいえる内容でして、彼自身の持ち前の明るさにより、色々と問題がある
『天堂家』の人々を一つに纏めたり、性格にかなり問題がある許嫁・『吉永まさみ』と見事に和解したり、
『大地家』の妹たちを味方に付けたり、実力で拳聖ジムの人々を味方に付けたりと、彼に関わっている
人々を彼なりのやり方で自分の味方に付けていくこととに成功します。
そして、そんな状態の中、ついに『大地真』への挑戦権を手に入れることができます。
現時点で、下馬評では、『天堂誠』よりも『大地真』の方がはるかに強いという評価となっており、
『天堂誠』の勝ち目はほとんど無いと思われております(それほど『大地真』の成長が著しい)。
もちろん、そんなことで諦めたり凹んだりすることは無いのが『天堂誠』でして、むしろ、そういう
状況だからこそ、ますます燃えていく描写が描かれていきます。
次巻では、ついに、その『天堂誠』vs『大地真』の試合が描かれることとなりまして、
『天堂誠』が『大地真』にどこまで食らい付けるのかが見所になりそうです。 次巻も楽しみです。
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【総評】
о(ж>▽<)y ☆ 面白いです。
全てがハッピーエンドに向かっている『赤』に比べ、全てがバッドエンドに向かっている『青』の
対比が面白く、最終巻である次巻がどのように展開していくのか非常に気になります。
ちなみに、『赤』・『青』に分かれての同時進行は今巻で終わりのようで、次巻は1冊のようです。
次巻も楽しみです。
点数的には
94点
です。
では、ここまで。