『おおきく振りかぶって 10巻』の感想 | まんが栄養素

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【マンガ感想】

 

『おおきく振りかぶって 10巻 (ひぐちアサ)』

 

4063145042 おおきく振りかぶって Vol.10 (10) (アフタヌーンKC)
ひぐち アサ
講談社 2008-05-23

by G-Tools

 

 

過去記事はこちら → 6巻  7巻  8巻  9巻

  

 

【あらすじ】

「厳しさ、熱さ、ドキドキ、絆、楽しさ。高校野球のすべてがつまっています!」――(声優/百枝まりあ役・早水リサ)

不利な戦況になっても後輩をきちんと指導できないタイさんに投手・市原はイライラしはじめる。一方モモカンは、花井にプレッシャーをかけ続けるが!?花井の覚醒はなされるのか?埼玉大会3回戦、決着!

 

 

1年生だけの弱小チームが強豪チームを倒していくというサクセスストーリー。

 

物語は3回戦に移っていき、対戦校は部員わずか11人という『崎玉高校』。

多くの点で主人公が所属する西浦高校とよく似ており、

弱小チームでありながら強豪チームを破って3回戦に進出してきた高校である。

そんな似た境遇にあるチーム同士による試合が今巻のメインとなる。

 

というのが10巻のあらすじかな。

この2つの高校は一見境遇こそ同じような感じだけど、

『甲子園を本気で目指している高校』 VS 『行き当たりばったりの高校』

という図式で表すことができるくらい全く違うチーム同士の戦いとなっております。

もちろん、『甲子園を本気で目指している高校』というのが主人公チームで、

相手を様々な視点から分析をしてから、本番である試合を向かえています。

そのため、こういうマンガでは珍しい『主人公チームの絶対的有利』という状況であり、

前試合とは全くの逆の立場で描かれていることは非常に興味深いです。

 

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さて、10巻は、『花井キャプテン』による、『花井キャプテン』のための内容だったと思います。

 

前巻で『花井くん』は、キャプテンとしてチームを纏めるだけではなく、『阿部』から4番としての

活躍を強要され、『田島』からは挑発とも取れる発言をされ、『モモカン』からはプレッシャーを

掛けられました。 そして、今巻は、その『花井くん』の苦悩イベントが描かれることになりました。

 

様々なプレッシャーに焦る『花井くん』でしたが、『三橋』のピッチャーであり続けたいという気持ちを、

自分の今の立場を重ねる形で聞くことで冷静となり、センターオーバーの2点タイムリーヒットという

結果を残すことに成功します。

 

個人的には、試合後の『花井くん』と『田島』の会話が好みですね(^^ゞ。

『モモカン』は、『花井くん』に『田島』を意識させようと思い、『花井くん』を4番に置いているわけで、

この試合を見る限り、『モモカン』の予定通りに事が進んでいるのですが、

実際には、万能野球少年・『田島』自身も、『花井くん』を意識していることが判るやり取りが描かれ、

ここら辺は、さすがの『モモカン』でも予想出来ていないのじゃないかな、と。

『花井くん』の性格からも『田島』とライバル関係になれるかどうかは判りませんが、

今後とも、この2人の活躍には目を離せない展開になりそうですね。

 

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【総評】

面白かったです(^^ゞ。

今巻は、珍しく早いペースで発売され、しかもキリの良いところで終わっております。

 

点数的には

95点

です。

 

ただ、単純に、野球マンガとしてみると、正直、面白みの欠ける内容だったと思います。

確かに、『花井くん』のための成長イベントとして見ると、面白い内容であったと思いますが、

試合に関してだけを見ると、敵チーム・『崎玉高校』は魅力ある選手が少なく、格下という設定のため、

試合自体の盛り上がりはほとんど無く、しかも、唯一、活躍が期待された敵チームの4番は、

重要な場面では全て敬遠させられ、彼の見せ場らしい見せ場は一切ありませんでした。

私は、このマンガを青春マンガではなく、野球マンガとして楽しみにしているので、

今回の試合展開は、残念の一言でした。

 

 

では、ここまで。

 

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