「ケアマネの正しい歩き方」 ~ケアマネタマゴに贈るケアマネ道!~ -98ページ目
昨年、県内のグループホームに
アンケート調査を実施しました。
アンケートの中に「開設年」と
「要介護度」という項目を作りました。
それで何が分かったかというと、
「開設年が古いほど、要介護度が
重くなっている」ということです。
「要介護度が重くなる」ということは、
認知症が悪化しているか、
身体的に重度化しているか、
そのどちらかなんですが、
おそらく身体的に重度化している
というほうが多いのだと思います。
少人数でなじみやすいグループホームの
環境で、認知症症状がおだやかになる。
そういった成果はみられたものの、
歳を取るにつれて今度は身体介護が
ふえていくのは、どのグループホームにも
言えることのようです。
掃除、洗濯、料理をしていたけど、
だんだんできなくなる。
それどころか、食べる、歩く、風呂に入る
着替える、といった日常生活動作が
歳を取るとままならなくなっていくのは
当然と言えば当然の流れです。
それだけならまだしも、
歳を取ると、たくさんの病気や
重症度の高い病気を持ち、
生活する人も増えるでしょう。
しかし、グループホームには
看護師などの医療職の配置が
基本的にはありません。
さらに人生の最期、「看取り」のケアを
グループホームで求められたら
職員のストレスは非常に高いものでしょう。
在宅であれば受けられる訪問看護
などもグループホームでは「×」です。
(医療保険での訪問看護は可能)
医療との連携体制があるグループホームには
介護報酬での加算が受けられますが、
その加算をとる体制が作れない
グループホームも少なくありません。
私、グループホームでの勤務実績が
まったくないので、あれなんですが
こんな感じではないでしょうか。
ということで、制度が始まった当初の
グループホームのありようが
年数が経つに連れ、変化している。
どうしてこうなってしまったのか。
この実態をどうするのか。
あまり考えられていないような気がして
しかたがありません。
次回へ続く。
少人数で家庭的な雰囲気の中で
暮らしていくことで認知症の症状は
おだやかになっていく。
これが認知症グループホームの
サービスを導入した当時の考えだった。
これが認知症グループホームの
原点だった、ということに異論はないと
思います。
認知症グループホームの利用条件は
要介護認定を受けていることプラス
利用者に認知症があることです。
ということでグループホームは必然的に
認知症症状へのケアが求められている
わけです。
日本でもそうでしたが
グループホームを始めたスウェーデンでも
昔は精神科の病院で認知症のケアをする
という政策をとっていたそうです。
しかし、グループホームでのケアで
成果が上がると、それが認知症ケアの
スタンダードになっていったようです。
たしかに少人数でなじみやすい環境は
認知症症状によい影響をもたらすことは
多くの人が知っていることです。
認知症があってもできることは
ご自分でしていただく。
掃除や洗濯、調理・買い物など
生活する上で必要な家事や
余暇を過ごす。
できないことは利用者同士で
助けあって暮らしていく。
職員にとっても、大規模施設では
時間に追われて仕事をしていたけど、
グループホームでは
じっくり時間をかけて利用者の生活、
人生に寄りそって仕事が出来る。
各自個室を持ち、プライバシーにも
配慮され、1ユニット9名までの
こじんまりとした生活空間。
大規模施設が当たり前だった
高齢者ケアにとっては、
認知症グループホームは
とても画期的だった。
制度が始まった当時のグループホームは
そんなイメージがあったと私は記憶しています。
ところが、今のグループホームの多くが
そのイメージと現実とのギャップに
悩んでいるように思います。
おそらく「身体の重度化」が
その要因ではないかと思います。
次回に続く。
前回書いたとおりに
行き詰まりを見せている
認知症グループホームですが、
関係者の間では、
「今こそ、グループホームの
原点に帰ろう」というのが
合い言葉になっています。
そういう合い言葉を
創ることを批判はしませんが
ただ、その原点とは何を指して
いるのか、ということは
明らかにしておかなければ
いけません。
じゃないと、
「どこに戻るのか」戻る位置が
人それぞれに委ねられて
しまうからです。
合い言葉やキャッチフレーズが
往々にして役立たない原因がこれです。
じゃあ、日本のグループホームの原点は
どうだったかというと、
さかのぼること1980年代のことです。
北欧、スウェーデンで行われた
グループホームを日本が導入したのが
はじまりです。
少人数で生活するケアが
認知症の方の症状緩和に
非常に有効だった、ということで、
グループホームの形態が
日本でも採用されたのが
グループホームの始まりです。
ここをもうちょっとしっかり分析しないと
原点には帰れないだろう、だから
行き詰まりを解消できないだろう
と思います。
次回に続く。

