少人数で家庭的な雰囲気の中で
暮らしていくことで認知症の症状は
おだやかになっていく。
これが認知症グループホームの
サービスを導入した当時の考えだった。
これが認知症グループホームの
原点だった、ということに異論はないと
思います。
認知症グループホームの利用条件は
要介護認定を受けていることプラス
利用者に認知症があることです。
ということでグループホームは必然的に
認知症症状へのケアが求められている
わけです。
日本でもそうでしたが
グループホームを始めたスウェーデンでも
昔は精神科の病院で認知症のケアをする
という政策をとっていたそうです。
しかし、グループホームでのケアで
成果が上がると、それが認知症ケアの
スタンダードになっていったようです。
たしかに少人数でなじみやすい環境は
認知症症状によい影響をもたらすことは
多くの人が知っていることです。
認知症があってもできることは
ご自分でしていただく。
掃除や洗濯、調理・買い物など
生活する上で必要な家事や
余暇を過ごす。
できないことは利用者同士で
助けあって暮らしていく。
職員にとっても、大規模施設では
時間に追われて仕事をしていたけど、
グループホームでは
じっくり時間をかけて利用者の生活、
人生に寄りそって仕事が出来る。
各自個室を持ち、プライバシーにも
配慮され、1ユニット9名までの
こじんまりとした生活空間。
大規模施設が当たり前だった
高齢者ケアにとっては、
認知症グループホームは
とても画期的だった。
制度が始まった当時のグループホームは
そんなイメージがあったと私は記憶しています。
ところが、今のグループホームの多くが
そのイメージと現実とのギャップに
悩んでいるように思います。
おそらく「身体の重度化」が
その要因ではないかと思います。
次回に続く。