「ケアマネの正しい歩き方」 ~ケアマネタマゴに贈るケアマネ道!~ -88ページ目
アセスメントが済めば
次に「サービス計画」の
作成に移ります。
アセスメントの課程の中で
そうなっている原因を
「分析」しましたね。
「分析」した結果、
(ここに問題がある)と
突きとめたものが
「日常生活上の課題」
つまり「ニーズ」になります。
病気療養がうまくいてなかったら
「病気療養」のニーズ。
足の機能に問題があったら
「足の機能」のニーズ。
体調管理がうまくいってなかったら
「体調管理」のニーズ。
部屋が散らかっていたら
「掃除」のニーズ。
…というふうに言います。
ここで、「ニーズ」という言葉について
考えてみます。
私たちは「ニーズ」という言葉を
「お客様のニーズにお応えした…」
というふうに聞くことが多いと思います。
このときの「ニーズ」の意味は
「要望」とイコールです。
「ニーズ=要望」です。
「お客様のニーズにお応えして
商品を改良しました」というような
感じで使います。
しかし、ケアマネジメントで使うところの
「ニーズ」の意味は「課題」です。
「ニーズ=課題」です。
「必要性」と言い換えてもよいでしょう。
「need(ニード)=必要」です。
(ちなみに要望は「demand(ディマンド)」
といいます)
「この方は食生活にニーズがある」
という感じで使っています。
ここのところをよく理解していないと
「利用者さんが言ったから
こういうサービスを計画した」
ということに疑問を持つことが
できなくなってしまいます。
「要望=課題」ではありませんから。
お客様(利用者)の要望は
もちろん聞きますが
それが即、「ニーズ」になり、
サービスにはいくことはありません。
見方を変えると、
ケアマネジャーが分析して得た「ニーズ」と、
利用者が持っている「要望」を
すりあわせる過程が必要です。
要望を尊重しつつもニーズの
理解を得ることも大切です。
ここでは、ケアマネジャーの
「説明力」が必要になってきます。
「説得する」という言葉では語弊が
あるかもしれません。
もちろん、それで自己決定してもらう
ことができればそれでもかまわないと
思いますが。
「提案し、納得を得る」という
ニュアンスでしょうか。
ケアマネジャーは専門職だからこそ、
利用者自身では気づけない自分のニーズを
見つけて、提案して、解決に向かわせる
という作業が必要なのです。
アセスメントは情報収集ですが
収集するだけでは不十分です。
たとえば、課題分析標準項目の
②ADLのなかの「歩行」が「不安定」
ということであれば、いずれ転倒して
寝たきりになる危険性があります。
いや、そんな未来予測をする以前に
すでに現在の生活で不自由を感じている
ということもあるでしょう。
そうなると、
「手すりをつける」とか、
「歩行器を借りる」とか、
「リハビリをする」とか、
いろいろなサービスを思いつきますが
これらのサービスが、アセスメンが
不十分なために適切なサービスに
なっていない可能性があります。
先ほどの例では、
何が足りないかというと「分析」です。
「歩行が不安定」という「情報収集」したら、
次に「どうして歩行が不安定になっているのか」
という「分析」がおこなわれなければ
いけないのです。
「歩行が不安定」の理由が
パーキンソン病という病気があるからか、
貧血や脱水症でふらつくのか、
膝折れが怖いのか、
持久力がないからか、
足の裏が浮腫っているからか。
ひと口に「歩行が不安定」といっても、
そうなっている理由が違うと
おのずと必要なサービスも
変わってきます。
病気に起因するものであれば
その病気の治療をサービスに組むべきですし、
下肢の機能の問題であれば
リハビリや福祉用具を考えるでしょうし、
体調の問題であれば
食生活や運動などの日常生活を
見直すプランを考えるべきです。
「歩行が不安定」
だから
「手すり、福祉用具、リハビリ」と
自分が掌握している範囲だけで
短絡的にサービスを組んではいけません。
そこには必ず「分析」する過程を
経なければいけません。
アセスメント、といえば
「アセスメントチャート」
とか、
「アセスメントツール」
とか、
「アセスメントシート」
というものがあることを
ケアマネの皆さんは知っている
と思います。
「チャート」も「ツール」も「シート」も
一緒のもので、言い方が違うだけなので
どっちゃでもいいのですが、
どんなチャート(ツール・シート)を
使っても良いことになっています。
MDS-HCだとか、
全社協版だとか、
三団体版だとか、
どんなのでも良いのです。
(最近のは名前を変えたりしてる
ようだね)
大事なことは
国が示す「課題分析標準項目」
を漏らさない、ということですね。
その項目は全部で23項目あります。
詳しく知りたい方はこちらをクリック。
クリックしていない人のために
ちょっとだけ詳しく書くと、
Ⅰ.基本情報に関する項目
Ⅱ.課題分析(アセスメント)に関する項目
というのがあって、
Ⅱ.課題分析(アセスメント)では、
①健康状態
②ADL
③IADL
④認知
⑤コミュニケーション能力
⑥社会との関わり
⑦排尿・排便
⑧褥瘡・皮膚の問題
⑨口腔衛生
⑩食事摂取
⑪問題行動
⑫介護力
⑬居住環境
⑭特別な状況
という項目があります。
(これだけ詳しく書いたら
リンクすることもなかったな(笑))
これだけを網羅しないといけない、
逆に言うと、これだけを網羅していれば
どんなチャートやツールやシートを使っても
問題ないわけです。
さて、前の記事で
「アセスメントとは情報収集のことではない」
と書きました。
「アセスメントは14個の項目を聞くこと」
「でも、情報収集ではない」って
矛盾しているように思えませんか?
ここをしっかり押さえておこう。

