インテーク面接にて

利用者や家族の思いを

聞かせていただいた後は、

(もちろんそれと並行して

聞いても問題ありませんが)

 

ご本人の生活での困りごとを

どのように解決して

望まれる生活にしていくか、

その一連の過程を

「アセスメント」と言います。

 

アセスメント、というと、

どこからどこまでを言うのか、

きちんと理解されていない人も

多くおられるように思います。

 

アセスメントは、単に

話を聞くことではありません。

情報を収集することではありません。

 

利用者、家族から述べられる話から、

また、述べられないことの中からも

ご本人の生活の困りごとの

原因になることを突きとめる

一連の過程のことです。

 

繰り返しになりますが

アセスメントは単に話を聞く、とか

ご本人に関する情報を聞く、とか

そういうものではありません。

 

ご本人の生活上の困りごと、

「日常生活上の課題(ニーズ)」と

言いますが、

そのニーズを明らかにする

一連の過程をアセスメントと言います。

 

ですから、アセスメントは

①話を聞き、

②話の中身を分析し、

③課題を明らかにする、

という過程をたどります。

相談に来た人は、自分の困っていることを

解決したい、と皆さん思っています。

 

しかし、相手がケアマネジャーとはいえ、

初対面の人にはじめから自分の困りごとを

上手に話せる人はいないでしょう。

 

そこには、相手に対する信頼が必要です。

 

「バイスティックの7原則」は、

信頼関係を構築するための

倫理と行動の原則をしたものです。

 

相談援助技術を勉強した人は

バイスティックという名前を

聞いたことがない人はないでしょう。

それほど有名な人です。

 

しかし、この7原則をきっちり理解して

実践している人はなかなか

いないのではないでしょうか。

 

ということで、今日は

バイスティックの7原則を書きますが、

私も教科書を開きながらなので

すべて真に受けず、自分で納得いくように

消化してください。

 

①個別化の原則

経験豊富なケアマネジャーになると、

(以前、関わったようなケースだな)と

思うような相談もあるかと思います。

そのため、チャッチャと解決策を

導いたりすることもありがちです。

 

まあ、それも悪いとはいいません。

その経験は力なのですから。

 

ただ、似たような相談でも

まったく同じではない。

一人一人必ず違う、

という原則です。

 

②意図的な感情表現の原則

面接は、よく聴くことから始まります。

相手にしゃべってもらうには、

自由にしゃべってもらえるような

雰囲気、環境にしていることが大切です。

 

けだるそうな顔をしている

ケアマネジャーには誰も話したくありません。

 

③統制された情緒関与の原則

話を聞いているうちに

(なんて大変な人生だろう)などと

心が揺さぶられることとか、

ありがちですよね。

 

ケアマネだって、人間だもの。

 

ただ、だからといって

「分かる、分かる。で、それで?」

なんて、興味本位で聞いたり、

泣きじゃくったり、怒ったり、

そんなことしてたら

職業としてはまずい、って話です。

 

④受容の原則

基本、利用者の話は否定しません。

ただ、言われるがまま、

ということでもありません。

 

⑤非審判的態度の原則

「そら、お前、身から出たサビだよ」

なんてことは言わないように。

逆に

「アンタの言っていること、全面的に正しい」

と応援することでもありません。

 

「あなたはそう思っているんですね」

という態度です。

 

⑥自己決定の原則

結局、

自分の人生、自分の暮らしなんだから

自分で決める、ということです。

 

「結局こういうことだから

こういうことにしましょ」

ケアマネにと言われて、

「はい」と答えても、

言われた本人が腑に落ちなかったら

ダメですね。

 

他人に大きく左右されるのは

世の常ですが、

それもひっくるめて

「自分で決めた」と思えるように

接することが大切です。

 

⑦秘密保持の原則

せっかく信頼して話したことを

全部広められちゃったら

あなたはどう思いますか?

 

もう信頼されませんよね。

 

 

 

ケアマネたるもの、

バイスティックの7原則は

できなくても

頭の中には入れておきましょう。r

審査の結果、

要介護または要支援の認定が下りたら、

晴れて介護保険サービスの利用ができます。

スクリーニング(ふるい分け)で

「あなたはサービスを受けられます」と

お墨付けをもらうわけです。

 

次から、いよいよケアマネジャーの

出番となるわけですが、

たいていの場合、相談者がケアマネジャーの

事業所へやって来て、

「こんなサービスを使いたい」と

言ってこられます。

 

うちの場合は、デイサービス等の

通所サービスと併設しているので

デイサービス希望の方が多いです。

 

しかし、うちのデイサービスが

その方に合う場所なのか、

吟味しなくてはいけません。

介護保険の目的でもある

「生活の質の向上」にむけて

そのサービスが適切かどうか、

という見立てをおこなう必要が

あるのです。

 

もしかしたら、その人の近所の

デイサービスのほうが

知り合いも多く通っていて

生活のハリを持って元気になる

ってこともあるからですね。

 

その見立てのことを「アセスメント」と言いますが、

アセスメントをする前に

やらなくてはいけないことがあります。

それは何かというと、

「インテーク面接」です。

 

「アセスメント」という言葉と比較して

「インテーク面接」という言葉は

あまり知られていないと思っていますが、

最近、私はこのインテーク面接が

とても大切ではないか、と思うようになりました。

 

インテーク面接とは、

「一番始めにおこなう面接」のことで

相談者の悩みや困りごと、

考えていることを聞く場です。

 

どんな困りごとがあって

どんな生活をしたいのか。

 

それを聞くことから

ケアマネジメントはスタートします。

 

「デイサービス利用するには

どうしたらいいの?」

「はい、こうして、こうして、

こうしてくださいね。

じゃあ、来週からですよ」

 

これでは、ケアマネジャーは

必要ありません。

 

相談者の生活の困りごとを

解消するためには

相談者が知っている情報だけでは

できないかもしれない。

つまり、相談者がデイサービスに通いたい、

とだけ考えていても、

それでは「生活の質の向上」とは

ならないかもしれない。

 

介護、医療、福祉などなど

たくさんの知識や経験豊富な

ケアマネジャーがその専門性を持って

相談者の困りごとや悩みを

解決する早道を提案すること。

 

そのためには、相談者が

何に困っていて、悩んでいるのか。

それを聞く時間が必要なのです。

 

しかし、中にははじめから自分の悩みを

初対面の人に話せない人もいます。

そういう人のほうが多いかな?

そのための面接技術については

後日書くことにします。

 

なお、相談者にとっては、

これから先の相談などを

この方にお任せしても良いか、

といったことを考えるための

面接でもあります。

 

自分の生活を左右するケアマネジャーですから

ケアマネジャー次第で自分の生活が変わることも

大いにあります。

 

また、多くの人はケアマネジャーって

どんなことをする人なのか、

よく分からないと思います。

 

そういうことを明らかにしておくことも

インテーク面接の段階でしておきたいものです。

 

このようにして、ここから

相談者とケアマネジャーとの

「契約関係」が始まります。