アセスメントが済めば

次に「サービス計画」の

作成に移ります。

 

アセスメントの課程の中で

そうなっている原因を

「分析」しましたね。

「分析」した結果、

(ここに問題がある)と

突きとめたものが

「日常生活上の課題」

つまり「ニーズ」になります。

 

病気療養がうまくいてなかったら

「病気療養」のニーズ。

足の機能に問題があったら

「足の機能」のニーズ。

体調管理がうまくいってなかったら

「体調管理」のニーズ。

部屋が散らかっていたら

「掃除」のニーズ。

…というふうに言います。

 

ここで、「ニーズ」という言葉について

考えてみます。

 

私たちは「ニーズ」という言葉を

「お客様のニーズにお応えした…」

というふうに聞くことが多いと思います。

このときの「ニーズ」の意味は

「要望」とイコールです。

「ニーズ=要望」です。

「お客様のニーズにお応えして

商品を改良しました」というような

感じで使います。

 

しかし、ケアマネジメントで使うところの

「ニーズ」の意味は「課題」です。

「ニーズ=課題」です。

「必要性」と言い換えてもよいでしょう。

「need(ニード)=必要」です。

(ちなみに要望は「demand(ディマンド)」

といいます)

「この方は食生活にニーズがある」

という感じで使っています。

 

ここのところをよく理解していないと

「利用者さんが言ったから

こういうサービスを計画した」

ということに疑問を持つことが

できなくなってしまいます。

「要望=課題」ではありませんから。

 

お客様(利用者)の要望は

もちろん聞きますが

それが即、「ニーズ」になり、

サービスにはいくことはありません。

 

見方を変えると、

ケアマネジャーが分析して得た「ニーズ」と、

利用者が持っている「要望」を

すりあわせる過程が必要です。

 

要望を尊重しつつもニーズの

理解を得ることも大切です。

 

ここでは、ケアマネジャーの

「説明力」が必要になってきます。

「説得する」という言葉では語弊が

あるかもしれません。

もちろん、それで自己決定してもらう

ことができればそれでもかまわないと

思いますが。

「提案し、納得を得る」という

ニュアンスでしょうか。

 

ケアマネジャーは専門職だからこそ、

利用者自身では気づけない自分のニーズを

見つけて、提案して、解決に向かわせる

という作業が必要なのです。