「ムンテラしといてよかったわあ。

グッドタイミングだったねえ」

 

私が担当していた利用者さん。

体調を崩して入院されていました。

一時回復して退院の話も出ていたのですが

再び体調を崩して約1カ月ほど寝たきりに。

また持ち直すかと思っていましたが、

状態は徐々に悪くなり、

病院から県外に住む息子さんに病状説明(ムンテラ)を

された1週間後に息を引き取られました。

 

息子さんには、回復したところまでしか

情報が伝わっていなかったらしく、

看護師長さんが主治医に進言して

息子さんに連絡して説明するに至った、

ということです。

冒頭のセリフは看護師長さんの言葉でした。

 

説明を受けた息子さんは

その日と次の日の2日間

病室に泊まり、

「腹をくくりました」と言って

帰られました。

それから数日後に亡くなったのでした。

 

同僚のケアマネジャーも

私の利用者さんと同じような経過をたどり、

1月末に亡くなりました。その時も

「いい時に家族に説明しておいて

良かったなあ」と言い合いました。

 

家族も本当に悔いなく

親の最期に立ち会えて

良かったなあ、と思うと同時に

私の例と同僚の例は

たまたまの偶然ではない

のではないか、と思いました。

 

というのも、もしかして利用者さんは、

最期に家族に会えて、思い残すことが

亡くなって、旅立っていかれたのでは…

と思ったのです。

もしかして、家族が来てくれることを

待って待って、待ち続けて

ようやく声を聴く事ができたので

このタイミングで逝かれたのでは、と。

 

反対に声が聞けなかったら

もう少し、生きながらえていたかも

しれません。

そうして生きていることは

辛いことではあると思いますが。

 

亡くなったことがないので分かりませんが、

もしそうであれば、意思疎通ができない状態でも、

ご本人の意志は、ずっと意識し続けられている

のではないか、と。

 

だから、意識がないように見えるような人であっても

大切に接することが必要なのだ、と。

違和感を感じたのは

3カ月ぐらい前だったでしょうか。

 

朝起きて、あおむけの姿勢から

腹筋を使って起き上がるとき、

みぞおちの少し上あたりに

筋肉痛のような痛みを感じていました。

 

しかし、痛みも一時期だろうと

高をくくっていましたが、

この3カ月の間、ずっと毎日続いてて、

(おかしいなあ…)と思っていました。

とくに筋トレなどをしているわけでもなく、

でも、すごく気になっていました。

 

違和感を感じる部分に手を当ててみると

たしかに「しこり」があるように感じます。

 

できれば私の両親のように、

死ぬなら手遅れのガンで

家族にあまり迷惑をかけずに

いなくなるほうがいいな、と

つねづね思っていました。

 

覚悟はできているつもりでした。

 

ただ、この違和感を感じてからは

まだ小学生の子もいるし、

孫の顔も見ていないので

まだ死にたくないな、

という気持ちも芽生えました。

 

当たり前かもしれませんが、

どうしても、生きる、ということには

固執してしまうものですね。

 

そして先週、とうとう

検査してもらおう、と

思い立ちました。

 

早いうちに病気を確定させて

完治できるものならそうしよう、

もし、ダメだったらそのときは

本当に覚悟を決めよう、と

思いました。

 

まず、看護師でもある上司に

相談してみました。

上司は私のみぞおちの少し上に

手を当てると、「たしかに触れるわ」

と言いました。

「この歳なら何があってもおかしくない。

先生に診てもらいなさい」と

言われました。

 

それから、その日は、

(ガン保険に入っとけばよかったな)

とか、

(収入保証保険もっとかけとけばよかったな)

とか、

病気治療の間の費用のことが

頭をよぎるようになりました。

 

まだ、扶養してやらにゃならん

子供たちがいるものですから

真っ先にそういうことが

思い浮かんできました。

 

その日の午後、

診察を受けました。

痛みを感じる部分を伝えると、

「はい、じゃあ、横になって」と言われ、

私はベッドに横になりました。

先生は、私の言うところに手を当て、

「う~ん、これは”剣状突起”だな」

と言われました。

「剣状突起。インターネットで調べてごらん、

『剣状突起 痛み』でいっぱい出てくるから」

診察室で検索して見せてもらいました。

たしかにいっぱいヒットしてる…。

 

 

「そういうことだから。

これ、なんて病名付けよう?」

「はあ、すみません…」

 

なんだか、恥ずかしい気持ちで

いっぱいになりました。

 

上司に報告したら、

「ほんと?大丈夫?」と

慰めの言葉をかけてもらいました。

 

とりあえず、大丈夫そうです。

万が一、「しこり」が大きくなったら

また相談してみよう。

 

しかし、この3か月間、

自分が死んだ後のことを、

本気で真剣に考えたような気がします。

 

ガンじゃなくても、何かの事故で

何の準備もできず、死んでしまうことも

あり得ます。

その時に悔やまないように、

家族にも苦労をかけないように

もしもの備えをしておこうと思いました。

今日は節分、明日は立春。今朝の

天気予報の最高気温は2月ではありえない

15℃となっていました。

 

今晩、我が家は手巻き寿司です。

もともと関西圏の風習だった恵方巻が、

全国的な行事になったのが

いつ頃だったか知りませんが

今年は売れ残りの問題が盛んに

取り上げられているような気がします。

私も体型が気になる歳ごろですし、

お互い、作り過ぎ、食べ過ぎには

くれぐれも注意しましょうね。

 

さて、この間、とある福祉事業所から

郵便が届きました。

見覚えのある色の封筒でした。

ハサミを入れて中身を見てみると

兄のサービス計画書でした。

 

私の兄は障害があり、施設に入所

しています。

私は兄の後見人をしています。

介護支援専門員をしている私にとっては、

障害者サービス計画書をみると

新鮮な感じがします。

(こんな計画書なんだあ)と思って。

 

ただ、書類を送られて思うことがあります。

介護保険でいうところのケアマネジャーから

連絡が一切ないこと。

この書類だって、「送りますからね」とかいう

電話ひとつなく、返信用封筒が入っていて、

「署名、捺印して送り返してください」という

メモが書類と一緒に入っているだけです。

 

本当にこの人は、報酬を得るだけの

仕事をしてくれているんだろうか。

 

(こんにゃろ、

このまま送り返すのもシャクだから

連絡よこすまで無視してやろうか)と、

「”悪(わる)”ダイゾウ」が頭をよぎりましたが

調べると、支払われる報酬が

ケアマネジャーより少なそうで、

そこまで手が回らないんだぞ、と

「”良(よし)”ダイゾウ」が囁き続けるので

今回だけは見逃してやろう。

 

 

ちなみに障害者サービスの計画を立てる人は

「相談支援専門員」が正式名称です。

「障害支援専門員」ではありません。