「ムンテラしといてよかったわあ。
グッドタイミングだったねえ」
私が担当していた利用者さん。
体調を崩して入院されていました。
一時回復して退院の話も出ていたのですが
再び体調を崩して約1カ月ほど寝たきりに。
また持ち直すかと思っていましたが、
状態は徐々に悪くなり、
病院から県外に住む息子さんに病状説明(ムンテラ)を
された1週間後に息を引き取られました。
息子さんには、回復したところまでしか
情報が伝わっていなかったらしく、
看護師長さんが主治医に進言して
息子さんに連絡して説明するに至った、
ということです。
冒頭のセリフは看護師長さんの言葉でした。
説明を受けた息子さんは
その日と次の日の2日間
病室に泊まり、
「腹をくくりました」と言って
帰られました。
それから数日後に亡くなったのでした。
同僚のケアマネジャーも
私の利用者さんと同じような経過をたどり、
1月末に亡くなりました。その時も
「いい時に家族に説明しておいて
良かったなあ」と言い合いました。
家族も本当に悔いなく
親の最期に立ち会えて
良かったなあ、と思うと同時に
私の例と同僚の例は
たまたまの偶然ではない
のではないか、と思いました。
というのも、もしかして利用者さんは、
最期に家族に会えて、思い残すことが
亡くなって、旅立っていかれたのでは…
と思ったのです。
もしかして、家族が来てくれることを
待って待って、待ち続けて
ようやく声を聴く事ができたので
このタイミングで逝かれたのでは、と。
反対に声が聞けなかったら
もう少し、生きながらえていたかも
しれません。
そうして生きていることは
辛いことではあると思いますが。
亡くなったことがないので分かりませんが、
もしそうであれば、意思疎通ができない状態でも、
ご本人の意志は、ずっと意識し続けられている
のではないか、と。
だから、意識がないように見えるような人であっても
大切に接することが必要なのだ、と。