(前回はこちら。)


父親が主治医に相談をしました。

「助かる命だったら、助けて欲しい」と。



主治医は言いました。

「私だって助ける命は助けたい、という気持ちです。でも、それは3人で話あってください。」



数日後、両親と少女、主治医が集って話し合いが行われました。



主治医が少女に話しかけます。

しかし、少女の答えは「透析しないって気持ちは変わりありません。」



そばで聞いていた父親は、

「生きていると、きっといいこともあるんだよ。」

「辛いことばかりじゃないんだよ」

「はっきり言って、死んだら終わりなんだよ」

「やっぱり可能性を伸ばしたいんだよね…」

と、涙しながら訴えました。



それに対して、少女が打った文字は…。




「もう決めたことだから、言わないで。」。






8月に入り、少女は肺炎を起こしました。

吸引する管も入らなくなりました。

そして、9月半ばに息を引き取ります。



少女は、両親に手紙を残していました。

その内容は、最後に3人で行った旅行がとても嬉しかったこと。

それより何より幸せだったことは、病院で過ごすことなく、家で普段の生活を送ることができたこと、でした。



両親はたった1人の娘を亡くして、今どんな気持ちでいるでしょう。

インタビューでは、「よくやったと言ってやりたい」「ほめてやりたい」と言っていましたが、でも、どうなんでしょう。



延命治療、私の考えはやはり否ですが、ただ単純に否という結論に達するのは、そして自分の身内にそういうことが起こったときに、やはり、同じように決断できるかなあ、と思ったのです。


(終わり。)


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社会保障制度では、よく”給付”という言葉が使われます。

給付とは、”(サービスを)受ける”という意味で理解したらよいでしょう。

社会保障で”給付”される方法は、大きく分けて2つあります。


「現金の給付(現金給付)」と「サービスの給付(現物給付)」

の2つです。


現金給付とは文字通り、現金を支給する方法です。

生活保護制度における生活扶助は、現金を支給する

現物給付です。

児童手当や児童扶養手当などの社会手当と呼ばれるものも

現金給付のひとつです。

現金給付というのは、所得保障の性格を持っています。

年金や失業手当も現金で支払われますね。



いっぽう、現物給付はサービスを提供する方法です。

医療保険における診察は、医療サービスを直接受ける、

という現物給付の性格を持っています。

児童福祉法における保育所への入所も

保育というサービスを受ける現物給付のサービスです。




さあて、では介護保険はどうでしょうか?

現物給付?現金給付?


介護保険は介護サービスという物を

提供するんだから現物給付。



…と、思うでしょ。



介護保険第41条では「要介護認定を受けた被保険者が

介護サービスを受けたときは、当該被保険者に対し、

介護サービス費を支給する」と書いてあります。


これを見ると、介護サービス費は

サービスを受けた人に支払うように書いてあります。


つまり、サービスを受けたら、いったん全額支払って、

後で保険から返してくれるという形で

これを償還払いといいます。


こうなれば、現金給付というのかな?


でも、実際は、サービスを受けた人が

面倒くさい請求手続きをするという

多大な負担を強いられますから、

法定代理受領サービス という形をとっています。


サービス事業者がサービスを受けた人に変わって

保険から9割を受け取る、という形です。

そして、残りの1割は利用者から、ですね。


でも、住宅改修費や福祉用具購入費は

償還払いだから現金給付の形ですね。





ちょっとややこしくなってしまいましたが(;^_^A


素直に考えれば”現物給付”、ということで良いんじゃないでしょうかね?


でも、試験に出たら迷うよね!?




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(前回はこちら。)


腎不全でした。

たちまち全身がむくみ、腫れ上がりました。

1人で起き上がれなくなりました。



命を延ばすためには透析をしなければいけません。



でも、少女は「何もしない」選択を貫きました。

もう入院はしたくなかったのです。

命は延ばさず、大切な両親と穏やかに自宅で過ごせることを選択しました。



透析をしない、ということは、排せつされるべき老廃物が排せつされないまま体に残ること。やがて尿毒症を起こして死に至る危険性もあります。



それでも、少女は何もしませんでした。



最後の思い出に、と、両親と3人で少女の大好きな海へ1泊旅行に出かけました。

波の側まで車イスを押してもらい、波の音を聞き、潮風を顔に受け、海水を手で触れました。



おそらく、これが最後になるだろう、親子の旅行。

人工呼吸器をつけてから旅行をしたのは初めてだったそうです。



ゆっくりした時間を3人で過ごしました。



両親の心境に変化が起きたのは、その旅行から帰ったあとのことでした。


(続く。)


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