腎不全でした。
たちまち全身がむくみ、腫れ上がりました。
1人で起き上がれなくなりました。
命を延ばすためには透析をしなければいけません。
でも、少女は「何もしない」選択を貫きました。
もう入院はしたくなかったのです。
命は延ばさず、大切な両親と穏やかに自宅で過ごせることを選択しました。
透析をしない、ということは、排せつされるべき老廃物が排せつされないまま体に残ること。やがて尿毒症を起こして死に至る危険性もあります。
それでも、少女は何もしませんでした。
最後の思い出に、と、両親と3人で少女の大好きな海へ1泊旅行に出かけました。
波の側まで車イスを押してもらい、波の音を聞き、潮風を顔に受け、海水を手で触れました。
おそらく、これが最後になるだろう、親子の旅行。
人工呼吸器をつけてから旅行をしたのは初めてだったそうです。
ゆっくりした時間を3人で過ごしました。
両親の心境に変化が起きたのは、その旅行から帰ったあとのことでした。