主任ケアマネの役割について考える

第2回は、「普遍性」と「個別性」をテーマに

話を進めていきたいと思います。

 

経験の浅いケアマネジャーでも、

自立支援にむけてプランを立てるのは、

さほど難しい仕事ではない、という話でした。

 

自立支援のカギとなる「リハビリテーション」は

医学領域から発現したもので、そこには

エビデンス(根拠)があり、AさんにもBさんにも

Cさんにも共通する「普遍性」があるからです。

また、介護士教育や実際の介護士の現場でも、

当然のように自立支援というものに触れて

きていますので、その分野での知識や経験は

当然積み上げてきているだろうと思うからです。

 

一方、経験の浅いケアマネジャーは

プランが動く前の「本人及び家族の同意」を

得ることに苦慮していることが分かりました。

 

本人や家族が自立支援を目指す動機となるものは

本人の性格や家族構成や考え方、

それこそ一人ひとり違ってきます。

本人と家族の意向が食い違うこともあるし、

そもそも自立支援を目指したいという動機がない、

という場合もよく見られます。

このような「個別性」の強いものに対して

経験が少ないケアマネジャーは経験豊富な

主任ケアマネジャーに相談したい、

というふうになるのだろうと思います。

 

 

 

では、主任ケアマネは自立支援のプラン

自体は何も助言することはないのか?

というところですが、研修のために

提出された事例を読みながら、ふと

気づいてしまいました。

 

今回の研修テーマ、

「リハビリテーションと福祉用具」の

「リハビリテーション」という言葉を

WHOが以下のように定義しています。

 

 

「能力障害あるいは社会的不利を起こす

諸条件の悪影響を減少させ、

障害者の社会統合を実現させることを

めざすあらゆる措置を含むものである。

リハビリテーションは障害者を訓練して

その環境に適応させるだけでなく、

障害者の直接的環境及び社会全体に介入して

彼らの社会統合を容易にすることを目的とする。」

 

 

要するに多くのケアマネジャーは、

病院や介護保険事業所で行われる

機能訓練のみを「リハビリテーション」ととらえ、

そのサービスを提供できている、あるいは、

それによって機能が改善していれば

それで終わり、と考えているが、

機能改善した状態で、または改善しない状態でも

いかに以前のような社会生活に復帰できていくか、

というところがプランニングされていなければならない、

ということだと思います。

 

経験の浅いケアマネジャーはもとより、

経験豊富な主任ケアマネでも、

社会生活の再獲得まで考えられていない

ことは、事例を読んで分かりました。

 

そして、社会生活の再獲得というものは

それこそ、その人の生きている環境によって

さまざま。まさに「個別性」の最たるもの、

という感じがします。

 

別な言い方をすれば、ICFの「活動」「参加」の

部分が見落とされているわけですね。

 

さて、例によって長くなりましたが(笑)

いよいよ結論です。

部下である経験の浅いケアマネジャーに

主任ケアマネは自分の経験を伝えることで

ケアマネジャーを支えることが必要です。

 

その経験とは、「個別性」の強い部分。

科学的で根拠のある部分は、それこそ

勉強して知識を得ることでカバーできるでしょうが、

そうでない部分はただただ経験を積むことしか

ないかと思います。

それは、「リハビリテーション」で言えば、

本来の意味である「社会参加」にむけて

どのようなマネジメントを行うか、ということです。

 

それはケアマネジャーを経験したことがある人なら

とてつもなく高いハードルだと感じると思いますが、

そこを意識する・目指すことで、ケアマネジメントは

奥深くなるし、強いやりがいを感じることもできる、

そう思います。

 

 

現役ケアマネジャー、主任ケアマネジャーさんに

エールを送ります^^v

主任ケアマネ研修に参加して思いました。

 

事例のテーマは、「リハビリと福祉用具」。

このテーマに関して部下から相談を受けた

主任ケアマネがどういうアクションを起こすか。

 

 

 

ここで一度、ケアマネジメントの流れを

整理しておきます。

アセスメント(情報収集と分析)

  ↓

ケアプラン作成(ここでは「原案」の状態)

  ↓

サービス担当者会議

  ↓

ケアプラン確定(ここで「本案」となる)

  ↓

サービスの提供

  ↓

モニタリング(実施状況と成果、課題)

 

さて、今回のテーマ、

「リハビリテーションと福祉用具」は

本人の自立支援に深く関わるものです。

 

おおむね部下たちは自立支援の

ケアプランは立てられていました。

流れで言えば、ケアプラン原案までは

主任ケアマネの助けを借りずに

できているように思いました。

自立支援に向けて何が課題で

どんなサービスで課題を解決するのか、

ということをよく理解していると思います。

 

できている理由を考えました。

リハビリテーションというものは

医学領域から発現したものであり、

一定のエビデンス(根拠)があるもの

だからです。

エビデンスがあるということは普遍性がある。

人間の体のつくりは男女の差こそあれ、

同じものであります。

だからAさんの自立支援のプランが

BさんにもCさんにも通用する。

 

また、推測ですが、おそらく

リハビリテーションや福祉用具は

多くが介護職出身のケアマネには

介護士時代からなじみのものであるから、

ということも言えるかと思います。

 

 

さて、では経験の浅い部下が

ケアマネジメント過程でつまづく部分は

どこか?というと、次の過程である

「サービス担当者会議」だと思いました。

 

そこで行われることは、部下が作成した

ケアプラン原案が本人、家族から

同意を得られるか、というところです。

サービス担当者からも意見をもらいますが、

根本的にはケアプランは本人、家族の

生活に関わる問題でありますから、

同意が得られないことには

サービスは始まらないのです。

 

 

 

実は、本人や家族の意向というのは、

どの人、どのケースにも当てはまるという

「普遍性」とは真逆の、「個別性」が

大きいものであると思いました。

 

個人の考えは、一人ひとり同じものはなく、

家族も一軒一軒違う価値観であることは

誰もが知っていることだと思います。

 

ケアマネが考えたケアプランが

本人や家族から「ノー」と言われたら

そこでもう、行き詰ってしまいます。

 

AさんはすんなりOKだったとしても、

同じプランをBさんは拒絶した。

そういうことはザラにあります。

 

経験の浅い部下、ケアマネジャーは

そことどう折り合いをつけたらよいか、

非常に難しいのだと思いました。

 

また、介護現場では、あらかじめ同意を得ている

状態から、本人との関わり(サービス)が

始まっているわけですからね。

 

本人や家族との関わり方を、

たくさん経験している主任ケアマネが

経験で培った智慧を部下に伝授することで

解決していくのだと思います。

 

このことを考えれば、本人や家族と

まともに向き合って来なかったような

主任ケアマネはただキャリアが長いだけで

部下を助けることができない可能性があります。

 

これを読んでいる主任ケアマネのみなさんは

いったいどっちでしょうか?

 

(つづく)

思えば、このブログはケアマネのブログでした。

「ケアマネ職人」名乗ってた時もあったしね。

今、思うとハズイわ~~(苦笑)

 

たまにはケアマネの記事を

書いてみようか、と思ったりして。

 

 

 

デイの管理者になっても、ケアマネ研修の

講師を務めさせていただいております。

このあいだ、主任ケアマネ更新研修の

講師をしてきました。

 

主任ケアマネ更新研修の受講生は

自分が部下に対して指導した内容を

事例にして提出する宿題があります。

私が担当したのは、

「リハビリテーションと福祉用具」

という科目でした。

リハビリや福祉用具をテーマに、

部下からどんな相談を受け、

どう助言や指導したか、を

事例にまとめて提出するのです。

 

事例を読んであることに気づきました。

部下たちがどんなところに悩んで

上司である受講生(主任ケアマネ)に

相談するのか。

 

部下たちはリハビリや福祉用具を

ケアプランに計画するのを

さほど苦にはしていないが、

あることにつまづいているということです。

 

 

 

リハビリや福祉用具を計画するときは

その人の「自立支援」を意図しています。

自立支援を考えるとき、そろって

通所サービスを計画に入れたり、

動作を補助する用具の選択を

適切に行えていることが多いです。

そのあたりは経験が未熟な部下でも

上司の指導無しでもできています。

 

ただ、ケアマネジメントを進める過程で

あるステージで壁にぶつかって

ケアマネジメントを難しくしている。

その壁を乗り越える方法を

部下は上司に相談しているのだ、

ということが分かりました。

 

その壁とは、「本人の意欲」や

「家族の意向」に阻まれている

ということです。

 

いくら良い計画を立てたとしても

「本人の意欲」が得られなかったり、

「家族の意向」と乖離していたら

その時点でケアマネジメントは

つまづいてしまいます。

 

 

 

そこで主任ケアマネの出番と

なるわけですが、

なぜそうなっているか、

主任ケアマネの役割は何か、

といったことを考えたいと思います。