主任ケアマネ研修に参加して思いました。
事例のテーマは、「リハビリと福祉用具」。
このテーマに関して部下から相談を受けた
主任ケアマネがどういうアクションを起こすか。
ここで一度、ケアマネジメントの流れを
整理しておきます。
アセスメント(情報収集と分析)
↓
ケアプラン作成(ここでは「原案」の状態)
↓
サービス担当者会議
↓
ケアプラン確定(ここで「本案」となる)
↓
サービスの提供
↓
モニタリング(実施状況と成果、課題)
さて、今回のテーマ、
「リハビリテーションと福祉用具」は
本人の自立支援に深く関わるものです。
おおむね部下たちは自立支援の
ケアプランは立てられていました。
流れで言えば、ケアプラン原案までは
主任ケアマネの助けを借りずに
できているように思いました。
自立支援に向けて何が課題で
どんなサービスで課題を解決するのか、
ということをよく理解していると思います。
できている理由を考えました。
リハビリテーションというものは
医学領域から発現したものであり、
一定のエビデンス(根拠)があるもの
だからです。
エビデンスがあるということは普遍性がある。
人間の体のつくりは男女の差こそあれ、
同じものであります。
だからAさんの自立支援のプランが
BさんにもCさんにも通用する。
また、推測ですが、おそらく
リハビリテーションや福祉用具は
多くが介護職出身のケアマネには
介護士時代からなじみのものであるから、
ということも言えるかと思います。
さて、では経験の浅い部下が
ケアマネジメント過程でつまづく部分は
どこか?というと、次の過程である
「サービス担当者会議」だと思いました。
そこで行われることは、部下が作成した
ケアプラン原案が本人、家族から
同意を得られるか、というところです。
サービス担当者からも意見をもらいますが、
根本的にはケアプランは本人、家族の
生活に関わる問題でありますから、
同意が得られないことには
サービスは始まらないのです。
実は、本人や家族の意向というのは、
どの人、どのケースにも当てはまるという
「普遍性」とは真逆の、「個別性」が
大きいものであると思いました。
個人の考えは、一人ひとり同じものはなく、
家族も一軒一軒違う価値観であることは
誰もが知っていることだと思います。
ケアマネが考えたケアプランが
本人や家族から「ノー」と言われたら
そこでもう、行き詰ってしまいます。
AさんはすんなりOKだったとしても、
同じプランをBさんは拒絶した。
そういうことはザラにあります。
経験の浅い部下、ケアマネジャーは
そことどう折り合いをつけたらよいか、
非常に難しいのだと思いました。
また、介護現場では、あらかじめ同意を得ている
状態から、本人との関わり(サービス)が
始まっているわけですからね。
本人や家族との関わり方を、
たくさん経験している主任ケアマネが
経験で培った智慧を部下に伝授することで
解決していくのだと思います。
このことを考えれば、本人や家族と
まともに向き合って来なかったような
主任ケアマネはただキャリアが長いだけで
部下を助けることができない可能性があります。
これを読んでいる主任ケアマネのみなさんは
いったいどっちでしょうか?
(つづく)