きみcomブログ

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文章を書いたり絵を描いたり。
猫とミュージカルと英国が大好き。

先週、絵の個展を下見して決めてきました。

福岡市内の天神西通り近くです。

 

 

ちょうど次の展示準備が始まるところでした。

 

 

 

 

まだ個展なんて手を出すレベルじゃないのですが

「もっと上手になってから」とか

「いつかそのうち」と言っていたら

50代で絵を描き始めた私は

いろいろと間に合わなくなってしまう。

 

 

とにかくまずは経験してみようってことで

今年の10月4日初日に向けて

準備を本格スタートします。

 

 

なにしろ初めてのことで、わからないことだらけ。

ちょっとこわいけど楽しみです。

 

 

新しいことついでに

今日から私の名称表記も

「きみこむ」から「きみcom」に

変えました。

 

 

読みがなは同じですけど

個人事業主の屋号

「オフィスきみcom」に揃えて

なんとなく気分一新。

 

 

 

 

展示する絵には、我が家の猫達も

登場する予定。

 

 

 

どうぞよろしくお願いいたします。

昨年11月に公開された映画です。

 

ずっと気になっていたけど、なかなか行く機会がなく

ようやく観に行ってきました。

 

 

2016年に公開された

「シン・ゴジラ」が今でも大好きなので

正直言って、個人的にあれは

越えなかったけど、コンパクトに

まとまって中盤だれることもなく

すごく楽しめました。

 

 

第二次世界大戦で特攻隊に配属されながら

自分の意志で生き残った青年・敷島。

 

 

敷島は不時着した島で

ゴジラに遭遇し、目の前で殺された人々を

救えなかった自分を責め

特攻任務から「逃げた」自分を責め続けています。

 

 

突然海からやってきて

街や人を踏みつぶし、熱線で焼き尽くす

謎の巨大ゴジラ。

 

 

ゴジラとの闘いに

敷島が死に場所を求めていく

心理描写が、少ないセリフでも

ドラマチックに伝わりました。

 

 

「立派に死ぬ」ことが

美徳とされた先の戦争への批判が

昔、子ども向けとして始まった

「怪獣映画」とは大きく一線を画するところ。

 

 

まだ日本に自衛隊がなく

アメリカが政治的判断で

軍を動かさないという設定で

わずかな戦艦と戦闘機だけで

敷島はじめ元軍人や民間人が

協力して戦うという流れは

面白かったなー。

 

 

主役の神木さんはじめ、役者の皆さんが

ある意味「はまりすぎ」て

ストーリーが先読みできてしまうのは

ご愛敬だと思うけど、

そのぶん圧倒的な安心感がありました。

 

 

とくに、作戦を立案する「学者」こと

元技術士官役の吉岡さんは、あまりにも

あまりにもイメージぴったり。

 

 

熱い心をどこか持て余すような

橘役の青木さんも、この設定なら

演じるのはこの人しかおらんやろ!って感じですよね。

 

 

 

ゴジラは完全CGだそうですが

メイキングを見ると、銀座の街並みも

逃げ惑う人々もほぼCGで

作られているそうで、こういう方面の

技術レベルってどんどん上がってるんだなあ。

 

 

「アルキメデスの大戦」が好きだった

山崎監督の作品なので

ちょっとクラシックで王道の香りがしつつ

現代の感覚も混じってると思いました。

 

 

ゴジラ映画には欠かせない

伊福部さんの音楽も堪能したし

上映時間も2時間ちょっとで

あまり長すぎないのがいい感じ。

 

 

ゴジラは退治され、

ハッピーエンドかと思ったら

不穏な要素を残すのも

こういう映画ではお約束なのかな。

 

 

古いものと新しいものが

うまく同居して

すごくバランス感覚のいい

ゴジラ映画で評判がいいのも納得。

 

 

映画館で見ることができて

良かったです。

 

 

 

すっかりご無沙汰しておりますが

明けましておめでとうございます。

 

今年は年明けから大変なニュースが

続いていますね。

気持ちが波立つこともありますが

まずは自分の生活をしっかりと回して

寄付などできることをやるしかないと思っております。

 

さて、私の2023年は

メルが抜歯手術したり

家の補修が次々に必要になったりと

なにかと自分の周辺が忙しい年でした。

 

観劇や旅行のキャンセルもありましたが

どうにか年末には猫達も私自身も

家のことも落ち着いたので

ほっとしながら新年を迎えた感じです。

 

そうそう、昨年末には

母の七回忌法要もありました。

 

 

 

お供えのお花と

兄姉との食事風景。

あれからもう6年もたつんだなあ。

 

 

今年の観劇初めは

クンツェ&リーヴァイ作

ミュージカル「ベートーヴェン」福岡公演。

 

ベートーヴェンの有名曲に歌詞を載せた

ナンバーが多く、井上芳雄さんはじめ歌の上手い人ばかりで

見どころが一杯でした。

 

ストーリーはベートーヴェンの恋人説がある

実在の女性トニーとの悲恋がメインですが

1幕の前半で説明セリフが多いわりには

ちょっと共感しにくくて

物語に入るのに時間がかかる印象かな。

 

私が後方席で細かい表情が見えにくかった

せいもあるとは思うのですが。

 

音楽家の人生を扱った東宝作品としては

「モーツァルト!」がありますが

アマデの設定(才能を象徴する子供)って

すごく良くできてたんだなあとつくづく。

 

ただ、稲妻とともに始まり

雷雨の中で恋におち

雷鳴とともにこの世から

ベートーヴェンが去っていく演出は

大変に好みでした。

 

仰向けに寝転んでも

がんがん歌える井上さんの技術とか

相変わらずのスタイルの良さ、

トニー役の花總まりさんの美貌にも

感心しまくった観劇初め。

やっぱりミュージカルは良い!

 

 

そんなわけでのんびりやっておりますので

ブログは気が向いたら、という頻度になりそうですが

よかったらお付き合いいただけると嬉しいです。

 

今年は趣味の絵で

ミニ個展が個人の目標なので

そちらも動きがあったら

また更新させていただくと思います。

 

 

2024年も

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

絵描き友達に送った年賀状の龍。

 

ほんわかおっとりムードの

龍で結構気に入ってます。

5月26日から映画館での上映が始まった

ナショナルシアターライブの

「ライフ・オブ・パイ」を観てきました。

 

 

10年ぐらい前に映画になったので

タイトルだけは知っていたのですが

原作小説も未体験。

まったくの初見でした。

 

 

この作品は1970年代を舞台に

インド人の少年・パイが

家族とともにカナダに渡ろうとした

日本船籍の船が沈没。

 

たった一人の生存者として

ベンガルトラとともに

200日以上を生き抜いた体験を

語るお話です。

 

 

当初の予想とは全く違う物語でしたが

結果、すごく良かった!

 

 

映画ではCGをしっかり使用した

トラの映像が印象的ですが

この舞台では動物は大きなパペットが使われています。

 

 

冒頭はパイの父親が経営する動物園の場面なので

トラはもちろんのこと、

シマウマ、オランウータン、ハイエナ、ヤギなど

数人がかりで動かすパペットで一杯。

 

 

パペット好き、動物好きとしては

これだけでも興味深いのですが

作品のテーマが伝わるにつれて

さらにぐいぐい引き込まれました。

 

 

序盤はパイの両親、姉や周辺の人間関係が

紹介される中、ヒンズー教、イスラム教、

キリスト教の指導者がパイを取り合う場面が

全体のテーマを表していて面白い。

 

 

どの宗教を選ぶか、ということは

何を信じるかを選ぶということ。

 

 

大きな海難事故の生存者として

調査員(日本人運輸省の役人という設定で

ちょっとウケる)に語るパイの物語に

つながっていきます。

 

 

それに舞台が動物園になり、

病室になり、漂流する海の上になる

映像と音の演出が素晴らしい!

 

 

映画独自の良さももちろんあるけど

想像力をかきたてる演劇のマジックに

ひたる幸せを存分に味わえました。

 

 

この先、ネタバレあります。

ご注意。

 

 

 

 

 

 

 

映画の予告編でもそうですが

この作品は

漂流するボートに

少年とトラが乗っているシーンが

印象的ですよね。

 

 

パイの体験談では

シマウマやオランウータン、ハイエナも

ボートに乗ってきます。

 

 

これらは

パイが語る言葉を表した場面ではありますが

それが真実だったのかどうかはまた別。

 

 

やがて人を食べる島やトラとの会話なんかも出てきて

飢えによる幻覚だけとは言い切れないほど

意外な展開に。

 

 

なので2幕後半、調査員がパイに

「あなたの話は全くありえなくて調査にならない。

ちゃんと真実を語ってください!」

と迫ります。

 

 

しばし無言ののち

それにこたえて

パイが語りだす

もうひとつの物語は

動物がまったく出てきません。

 

 

それどころか

ボートに乗り合わせた人たちが

殺し合いをするショッキングな内容。

 

 

ケガがもとで

死んだ船員はフランス人コックに料理され、

やがてパイの母がコックに殺され、

パイがコックを殺す。

 

 

10代のパイが味わった体験の重さと

生き残った「ベンガルトラ」は彼自身なのだと

腑に落ちるあたりから

本当のテーマが見えてきます。

 

 

人にはなぜ

宗教、神、信じるものが必要なのか。

 

 

なぜ、神話や物語が必要なのか。

 

 

ラスト近く、

パイが調査員に尋ねます。

 

「どちらのストーリーがいい?

 

動物が出てくる方と

出てこない方。」

 

 

 

信じたいものを

人は

信じる。

 

 

 

ラストシーンで

調査員の報告書が

タイプライターの音とともに

舞台に現れます。

 

 

四角四面のように見えた

調査員の彼の人間味が

「ベンガルトラと一緒にいた」の文字に

滲みでてよかったなあ。

 

 

つまり、

パイのストーリーから

「動物がいる方」を選んだんですね。

 

 

 

それはあまりにも辛く凄惨で

過酷な日々を生き

家も家族もなにもかも失った

パイの願いだったから。

 

 

 

 

休憩時間に

演出家さんらのミニトークがあって

 

なにを観客に持って帰ってもらいたいですか?

という問いに

 

「良い夜だったと思ってもらえると嬉しい。

笑ったり泣いたり感じたり」

 

と仰っていました。

 

 

まさにそんな感じです。

 

正しいとか正しくないとか

面白い、面白くないとか

ひとことでは表せない。

 

 

テーマは重いけれど

パペットや演技の妙で

ショッキングなシーンだけにとらわれず

本質だけが

浮き上がる演出がすごい。

 

 

上映は1週間で短いので

ぜひぜひ早く、とオススメします。

 

 

英国オリヴィエ賞受賞も

大納得の作品でした。

 

先月展示が終了してしまったのですが

ようやくブログを書く余裕ができましたので

アップ。

 

 

 

福岡市が主催する

博多区文化芸術展で

自作の水彩画が

奨励賞を受賞しました。

 

 

 

 

 

 

1月29日には

福岡アジア美術館での表彰式に

出席しました。

 

 

 

表彰式で講評を述べる

審査ご担当の川野先生。

 

 

 

 

 

絵だけでなく書や写真、デザインも

展示されています。

 

 

 

この数年、好きで続けている

絵をこうして沢山の方に見て頂けるのは

とっても嬉しい!

 

 

 

表彰式の後、川野先生が

受賞作品について

説明をしてくださる

ギャラリートークもありました。

 

 

他の受賞者の皆さんとも

お互いの作品について

お話したり、感想を聞かせていただいて

すごく刺激になり、また

今後の励みにもなりました。

 

 

 

「彼女はなにかに挑んでいる」

中川貴美子

 

模造紙

水彩画

78×78センチ

 

 

ご縁を下さった皆さま、

ありがとうございました。