ごきげんよう。栗毛馬です。
昨日の続きです。
世界一売れたという伝説のスカーフ、「ブリッド・ドゥ・ガラ」。
とても好きな柄なのに、はなから「似合わない」と決めつけ、あきらめてしまったのは、メインカラーが「エルメスの黒」だったからです。
各辺の、どっしりとした幅広の黒。強すぎて、どうすることもできないという確信がありました。
黒は好きだし、得意な方だと思っています。
実際、クローゼットの中は黒ばかりだし、黒を着ていると落ち着く。褒められることも多い。
しかし、黒が主体のシルクは、自分には難しいと思い知らされ続けていました。
エルメスの黒は特別です。特にシルクは。
セクシーでゴージャス。華やかで艶やか。女っぽい。
「人格があるのでは?」と勘繰りたくなるほど、強烈な個性がある。
服の黒は、私にとって安心・安全の定番色ですが、エルメスの黒は、人を峻別する勝負色なのでした。
いったい何度、打ちのめされたことでしょう?
違和感しかもたらさなかったツイリー。
「エルメスのティータイム」
「レクレアポア」
試着段階で似合わな過ぎた「クリケティス」
買ってはみたものの使いこなせず手放したカレ90「トレゾール・ドゥ・メドゥール」
逆に、大丈夫な黒はこちら。
左から、
バンダナカレ(55cm)。
→白が多く、カジュアルだから?
真ん中。これも平気、ズアヴとドラゴン。
→カレウォッシュゆえ、いい感じに退色しているから。黒の分量がさほど多くないから。
右側。なんとか使っているけど、実は難しいなと感じている、スプリングスプリング。
白っぽい細い線は、黒の艶やかさを引き立ててしまうらしい…。
白の大きな塊でなんとか堪えている感じ。
難しいな、色のバランスって…。
以上のことから、導き出した結論がこちら。
私には、
- 黒の面積が多すぎるのは難しい(顔が暗くなる)。
- 黒と鮮やかな色の組み合わせは難しい。
- マルチカラーだとさらに難しい。
それなりに経験を積んだ今では、画面を見ただけで似合わないと判断ができます。
「絶対にダメ」の極み、ローブ・レジェール。
これも難しい。プラニフルール。
そういえば、これもダメだった(店頭で試着した感想)
こんな調子だから、ブリッド・ドゥ・ガラが似合ったらしいことが不思議で仕方ないのです。
多分、地色のクリームがいい仕事をしているのだと思う。
明るくて、あたたかい。まるで、強い黒を柔らかく照らす、ランプのよう。
それから、コントラストの強さを中和するグレー。
シックな中にほどよく彩りを添える鮮やかすぎない黄色。
きっと、柄がちょこまかしていないのもよかったのかも。
大胆ではあるけれど、色数が少な目で、色調が控えめ。
ごちゃつかず、全員が自分の役割を理解し、決して出しゃばらない。
なんとも、大人なカレなのでした。
モノトーンのカレが欲しいとは、ずっと前から思っていました。
でも、前述のとおり、モノトーンなだけではむしろ合わせにくい。では、どうしたらいいんだ?若干途方に暮れていました。
ブリッド・ドゥ・ガラが答えなのかもしれない。
モノトーンに近いけれど、少しだけ色が入っているこのカレはまさに理想的。
大好きなカレ「自由への車輪」に似ているのはネック。
だけど、万能に見えるこのカレですら合わせられない服もある。例えば、黒と白の柄服とか。
そういうとき、ガラが存分に力を発揮してくれるはず。
うん、やっぱり必要だ。
ブリッド・ドゥ・ガラを買おう。