血液の病気となると骨髄穿刺を避けて通れない。

でも痛い検査として知られ、ドクターもそれを当然と思っています。

つまり、痛い検査だから、痛くても構わないと。

なるべく痛くないようにしようと努力するつもりはないのかな?

 

東京血液疾患診療所には、骨髄穿刺が痛くないからここに来たという患者さんもときどきいます。

極端ですが、でも確かにいます。

 

セカンド・オピニオンにいらして、残念ながら骨髄塗抹標本の出来が悪く、骨髄穿刺から日を改めてやり直しという場合もあります。

そうなると皆さんため息、溜息……。

家族の励ましと説得でやっと決心がついた人も。シクシク…。

でも、受けてみると全然違うので、みなさん笑顔です!
 

まあ、細胞がとれていなくて、低リスクと言われていた方が、高リスクになる場合もあるので、一概に言えないのですが、

やはり、まずは正確な検査、正確な診断からですからね。

手技も大事ですよ。

細胞は取れていないわ(ドクターが下手)、染めは悪いわ(技師が下手)で、全く参考にならないものもあります、時々ですけど。

以前、「骨髄異形成症候群と赤芽球癆」というブログを書きました。

これは良かった間違いですが。

 

悪かった間違い。

骨髄穿刺で骨髄液がきちんととれなくて、リスクを誤ってしまったケース。

骨髄穿刺というのは患者さんはご経験のことと思いますが、あのイタ~イ検査です。
(緒方先生の骨髄穿刺は痛くないですよ!!!ホントに!念のため)

そんな痛い思いをして受けた検査なのに、きちんと取れていない場合も多いようです。

多発しているのは、骨髄中の細胞が末梢血の混入により薄まって、実際の構成が分からない(細胞があまり入っていないので)ケースです。

芽球はあまり多くないと言われていたはずなのに、きちんと検査をしてみると実はかなり増えていたというケースが続きました。

 

ということで、これは、いけない……、患者さんの衝撃が大きいので。

なんと言って慰めてよいやら……。

 

次回のLiving with MDS Forumは2月29日です。

 

4年に1回のRareな日。

それにかけて、Rare Disease Day が開催されます。

Rare Disease 希少疾患 の認知度向上のきっかけとなることを目指して開催されているイベントです。

何年間か参加していたのですが、

しかし、骨髄異形成症候群は決してRare Diseaseではありません。

造血器腫瘍中ではリンパ腫を除くと最多の患者数といえます。

 

それにしては知られていない。

理由は一体なんでしょうね。

多分、この分かりにくい覚えにくい書きにくい病名。

次にあまりにも違いすぎる症状、病態。

診断すら難しい。

さらにほとんどの患者さんがお年寄りだということ……。

 

白血病の方が怖い病気だというイメージですが、本当に心から白血病だったら良かったのにと思ってしまう(特に患者さんが若い場合は)自分がいます。

 

それでも私たちは、日々、骨髄異形成症候群と戦っています、勝てる日がくることを信じてね。

 

骨髄異形成症候群(MDS)とT 細胞大顆粒リンパ球性(LGL)白血病の間違いもありました。

 

最初、病名を聞いたとき、奥様は思わず目に涙でしたが……、

治療がよく効いて、今では数字は全く問題なく戻っています。

 

白血病と聞くと、皆さんとっても恐ろしい病気というイメージですが、

今では、いいお薬が出たり、古いお薬の使い方の工夫で、

比較的「治る」病気になってきています。

 

このT -LGL白血病という病気も比較的お薬がよく効く病気です。

 

誤診の方がいいなんてね、ちょっと悲しい皮肉ですね。
先日の赤芽球癆もそうですけど。

 

ほんとに時々思うときがあります、急性骨髄性白血病だったらいいのに、って。
似てる部分もありますけど、実はかなり違います、骨髄異形成症候群と急性骨髄性白血病。

芽球の割合で区別しているせいで、とってもこんがらがっていますけど。

 

 

赤芽球癆も血液の病気です。通常は全身の倦怠感や動悸など強い貧血症状を自覚して診断される場合が多いようです。

大きくは先天性と後天性に大別され、

後天性は急性と慢性に分けられ、

さらに慢性の場合、特発性と続発性に分けられます。

とまあ、赤芽球癆の説明等はさておき、

しばしば骨髄異形成症候群と診断されてセカンド・オピニオンにいらっしゃいます。
 

急速に輸血が頻回(といっても2週間に1回くらい?)になる場合など、大慌てで移植話が進む場合も多いようですね。

ほとんどの方がお薬だけで2~3週くらいで貧血が改善するというのに。

 

いろいろなところからセカンド・オピニオンにいらした方々は、まあ皆さん最初は半信半疑みたいです。
後々は、ヘモグロビンが上がって来ましたとご報告頂いていますが、……。
一番遠かったPRCA誤診の方はドイツのフランクフルトからいらした方でした。

 

正確な診断はとても大切ですが、意外にないがしろにされています。

ある著名な先生など「骨髄異形成症候群だろうと再生不良性貧血だろうと、1回でも輸血したら、移植するしかないんだよ!」でしたっけ?(昔、どこかに書いているはずですけど……、ごめんなさい、自分で聞いて書いたのにねえ、どこだったか。)

まあ、移植医にとってはすることは一緒でしょうけどね。

移植の生存率は病気によって、またリスクによって相当ちがいます。

それに再生不良性貧血の長期生存率は90%以上だそうです。これは移植するよりいい生存率ですよ。

勿論、骨髄異形成症候群は赤芽球癆とも違う病気で、特発性赤芽球癆の予測10年生存率は95%ということですから、移植するよりずっといいですよね。

 

確かに判断が難しい場合もありますし、なんでこんなの間違うの??というような誤診もあります。

 

骨髄異形成症候群で移植して生きていますという方々の中に、相当数の骨髄異形成症候群ではない方々が含まれているはずです。

 

 

 

 

 

 

 

「昭和40年男」という雑誌があります。

こんな感じの雑誌です。

結構、凝った雑誌で、なかなか興味深いです。

ちょっと年下かな。でも、世代はかぶっている。

でも、プロレスは全日・親日じゃなくUだったんじゃないのか?

ベストヒットUSAじゃなくってオールナイトフジじゃなかったのか?

ウルトラQを昭和40年生まれが知っているのか?

昭和40年生まれじゃ万博なんか覚えてないだろ!

とか、それなりに疑問はありますが。

まあ、とにかく、この雑誌の2020年2月号に緒方先生のお話が載っています。

■健康講座  血液もがんに侵される! 「白血病で死なないために」

 

Amazonなんかで買えます。書店にもおいてあるそうです。

 

 

 

 

先日のOK'sClubで出た話です。

 

そんな元気そうなのに……、とか

なんだ、元気そうじゃない、とか

大変な病気って聞いてたけど、意外と元気そうじゃない、とかそんなことを言われる、と。

大変な病気は大変な病気なんですけどね…。

 

実際のところ、VeryLowの人とVeryHighの人は外見からでは分かりません。

 

でも、まあ、どっちがいいのやら……。

病気が悪くみえて、変に同情的な目で見られるのもねえ、なんとなく……。

 

骨髄異形成症候群という名前も難しくて覚えにくいし、MDSだと、なんだよそれ?って感じだし。

 

いろいろと考えさせられました、う~ん。

 

 

IPSS-R(Revised International Prognostic Scoring System)はMDSの予後を予測するシステムです。
(Greenberg P et al. Blood. 2012)

 

生存中央値は例えば100人の患者さんがいて、50番目の人が亡くなった時になります。

ですから49人の方はその前に亡くなり、50人の方はまだ亡くなっていないということになりますね。

これはグリーンバーグ先生を中心とするグループが膨大な数を解析して導き出したものです。

ちなみに重要な核型の分類は以下のとおりです。

骨髄検査をした際に染色体の検査をしているはずですので、それを見て下さい。

,で区切られている部分が1つの異常です。

 

分からない時はお電話下さい。
あるいは、フォーラムの際にお持ち下さい。

 

そうそう、IPSSやIPSS-Rを中心になってまとめたグリンバーグ先生です。

 

 


2016年の第2回MDSウィーン会議の際の写真です。

好中球の見方について質問がありました。

血液検査をみても見つからない場合がほとんどですが、先生に今までの履歴を頂けば、記載されていると思います。

このNeutのところに記載がある場合もあります。
Neut(%)=Stab(%)+Seg(%) です。

そしてNeut(#,数)=WBC(白血球数)×Neut(%)

ごめんなさい、分かりますか??