どうやって公道まで出たら良いのでしょうか。
通路に関しての連想的ご質問です。
誤解ありがち度 2(5段階)
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A 原則として他人所有地を通れる,ということになってます。
お隣の土地所有者が了解してくれれば良いですが。
話し合っても平行線,決裂した,ということを前提にお話しします。
【囲繞地(いにょうち)通行権(隣地通行権,袋地通行権)】
→隣地を通行する権利があると思われます。
状況によっては,調停や訴訟を利用すると良いでしょう。
公道と接していない土地は,実質的に意味がない(使えない)状態になります。
そこで,例外的な状況にない限り,公道に至るまでの間の他人所有地を通行する権利が認められています(民法210条~)。
囲繞地(いにょうち)通行権とか,隣地通行権,袋地通行権と言います。
【囲繞地通行権と通行地役権・賃借権との違い】
→強制的なものか,協議で任意に設定したものか,という違いがあります。
通路部分の土地所有者と協議の上,任意の幅での通行権を設定することは勿論可能です。
この場合,「囲繞地通行権」として民法上決められている細かいルール(後述)は適用されません。
このように自由・任意に設定した通行権は,「通行地役権」や「賃借権」と呼ばれます(厳密に言えば,民法上の「囲繞地通行権」の内容を当事者同士で確認した,という言い方もできます)。
【通路の位置】
→必要最小限,かつ,他の土地にとって損害が最小限の位置に定めることになります。
「やむを得ず」に認められる通行権です。
当然ながら,最小限度のものに決めることになっています(民法211条)。
なお,実務上は,以前から事実上通行していた経緯(実績)があればその実績維持(既成事実尊重)ということが多いです。
また,訴訟となり,判決で通路位置を決める場合は,通路となるべき土地の所有者の意向に沿った結論となることが多いです。
【通路の幅】
→2メートル前後ということが多いです。
「必要最小限」をどのように考えるか,という問題です。
現在は自動車社会ですから,自動車が通れるような幅にすべきだ,という考えもあります。
しかし,元々が「他人所有地を強制的に使用する」という特殊な状態です。
自動車の通行が確保されることは稀です。
次のような特殊事情がない限り,ごく平均的には,2メートル前後の幅とされることが多いです。
<特殊事情>
・従前より自動車が通行していた経緯がある
・火災時の消火活動の面で,自動車が進入できないと大きな問題がある
→自動車の通行が確保される(幅4メートル前後)ということもあります。
【通行料】
→通行の対価として料金(償金)を払う必要があります。
やむを得ない事情(地形)から,隣地所有者は所有地の一部を「貸す」状態になります。
対価(通行料)を払う義務があります(民法212条)。
1年払いで良い,ということも規定されています。
金額は,協議で決まれば勿論それで済みます。
仮に裁判所が決める場合は,近隣の相場に合わせることになります。
「通行料の相場」があまりない,ということも多いです。
その場合は,「土地賃貸借」の場合の賃料を参考にします。
要は,駐車場の料金を元に算定するということです。
【通行料の注意点】
→長期間無償で通行していた場合は「将来も無償」となることがあります。
従前より無償で通行が許されていた通路については,「無償での通行地役権」があると扱われることがあります。
永続する事実状態の尊重,とか,既成事実重視,という理屈です。
法律解釈ではよく出てくる概念です。
私が小学生の頃,ある「近道」(抜け道)にものすごく恐い犬がいました。
自転車で猛ダッシュして逃げ切る→安堵感,を楽しんでいました。
ある日,家から少年が出てきて。
少年:ここ,通ったらダメなんだよ。
私:なんで!
少年:ウチの庭なんだ。
私:いつも通っているのに!
今考えると,裁判所でやりあっても成り立つ主張合戦だと想い出した次第。
話し,戻ります,というか終わります。
実は,以上を元に考えると「落とし穴」がパックリ口を空けています!恐い犬のように。
バラエティーに富んだ「例外」もありますがこれはまた別の話し。また告知的「ひっぱり」でした。
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【民法(抜粋)】
(公道に至るための他の土地の通行権)
第二百十条 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。
2 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。
第二百十一条 前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。
2 前条の規定による通行権を有する者は、必要があるときは、通路を開設することができる。
第二百十二条 第二百十条の規定による通行権を有する者は、その通行する他の土地の損害に対して償金を支払わなければならない。ただし、通路の開設のために生じた損害に対するものを除き、一年ごとにその償金を支払うことができる。