前のエントリーでビジネスをシンプルに考えてみました。

 

ビジネスの仕組み自体は非常にシンプルですが、ビジネスを難しくしているものは『価値』だと思います。

 

『価値』というのは、人によって違いますし、同じ人でも置かれた状況によって変わってくるので厄介です。

 

ビジネスとは、『商品』と『代金』の交換とお伝えしましたが、その背後にあるのは、実は『価値』と『代金』の交換だったりします。

 

ここで『価値』と『代金(価格)』の関係について見ていくと、『価値』>『代金』であれば、顧客は満足し、次も自社製品を購入してくれる可能性は高くなります。

 

続いて『価値』=『代金』であれば、顧客は一応満足するかもしれませんが、リピートするかは微妙と言わざるを得ないでしょう。

 

そして、『価値』<『代金』であれば、顧客は不満に感じ、クレームをつけたり、悪い口コミを流したりするかもしれません。もちろん、リピート購入など考えられないでしょう。

 

つまり、企業はビジネスのサイクルをうまく回すためには、常に顧客に代金以上の価値を提供し続けなければいけないということになります。

 

ただ、先ほどもお伝えしたように、価値というのは同じ顧客でも置かれた状況によって変わります。たとえば、一度食べておいしいと感じた料理でも、2回、3回と同じものを食べていれば次第に当初感じた価値ほどのありがたみを感じなくなるのです。

 

ですから、企業は常に顧客の期待を超え続けるためにも、より価値のある製品を作り続ける必要があります。もし、この活動を怠ってしまえば、どんなに価値のある製品でも、次第に飽きられてビジネスは尻すぼみになるでしょう。

 

顧客の期待を超え続けるというのは、言うのは簡単ですが、実際には大変な困難が伴います。

 

これが、(ビジネスの仕組み自体はシンプルですが、)ビジネスは簡単には成功できない、奥が深い所以だと思います。

 

ビジネスを結構複雑に考えている人もいるかもしれませんが、あまり複雑に考えると本質が見えなくなることもありますので注意が必要ですね。
 
ビジネスをひとことで説明すると、『顧客に商品を売って代金を受け取る』、それだけだと思います。
 
図にするとこんな感じ。

 


企業は・・・

誰に?
何を?(いくらで?)
どのようにして?

売るのかを決めるだけ。

ここで当たり前のことですが、『何を?』において、ライバル企業よりも優れた商品、つまりNo.1か、誰も真似できないオンリーワンの商品でなければ、顧客に選ばれる可能性は限りなく低くなるといえるでしょう。

それが難しければ、No.1、オンリーワンになれる『誰か?』、すなわち新たなマーケットを探す必要があるのです。
 
ビジネスをシンプルに考えると、思うような結果が出てない場合、どこに問題があるのか、そして問題を解決するには何が必要かを見極めることが簡単になるのではないでしょうか。
 

人は成功の絶頂にいる時ほど大きな落とし穴に陥りやすい。

 

失敗の落とし穴に落ちないためにも謙虚に周りの声に耳を傾ける必要がある。

今日からマクドナルドがプレミアムローストコーヒーをリニューアルし、20日(金)まではSサイズを無料で提供するキャンペーンを開始しました。

 

もともとこのプレミアムローストコーヒーは前社長の原田氏の時に戦略商品として導入されたもので、当時も最初は無料で提供されて年間2億6千万杯も売れた大ヒット商品です。

 

このプレミアムローストコーヒーは当時のマクドナルドの快進撃を支える重要な役割を果たしていました。

 

マクドナルドは異物混入などイメージの低下により顧客が大量に離れ、一時経営は危機的な状況を迎えるなど大変苦しい時期を迎えましたが、最近はようやく信頼を回復し、業績もかつてに迫る勢いとなっています。

 

そこで、コーヒーをお値段そのままにさらにおいしくして、100円コーヒーでコンビニに奪われた顧客を呼び戻し、業績回復をさらに加速しようと、プレミアムローストコーヒーを再び戦略商品に選んで勝負をかけてきたのです。

 

・・・という前置きはさておき、早速朝7時にマクドナルドに立ち寄りコーヒーを飲んでみました。

 

コーヒーは、コンビニの挽き立てに比べ、相変わらずマクドナルドは作り置きです。

味はコンビニコーヒーの方がコクが深く、マクドナルドはちょっと薄いような感じがしました。

プレミアム感でいえば、私だったらコンビニコーヒーに軍配を上げます。つまり、同じ値段であれば、コンビニコーヒーを選ぶと思います。

 

同じ値段でコンビニコーヒーの方が価値があると顧客が感じるなら、マクドナルドがコンビニから客を奪うには価格を下げるしかないでしょう。

 

90円であれば、わずか10円の違いですが、大台割れの価格戦略であり、値ごろ感からコンビニではなくマクドナルドを選択する顧客も増えることでしょう。

 

恒常的な値下げはリスクが高いと及び腰になるようであれば、一時的なキャンペーン値下げを行って、どのくらい顧客数や販売数が増えるのか、そして最終的にどのくらい損益に影響を与えるのかをモニターして、最終的な決断を行うこともできるでしょう。

 

果たして、リニューアルしたプレミアムローストコーヒーは当初の狙い通りに戦略商品としてコンビニから顧客を奪うことができるのか?

 

マクドナルドの売り上げ数の発表が待ち遠しいですね。(^^)

今日ふと気付いたのですが、2017年1月は私がアメリカで起業してから満15年という節目を越え、いよいよ16年目を迎える記念すべき月でした。(笑)

 

15年生き残る企業の統計は見つけられませんでしたが、10年ではわずか6%だそうです。つまり100社起業すれば10年で94社は市場から退場しているということになります。

 

私自身、起業から本当にいろいろありましたが、多くの皆様に支えられてここまで事業を続けられてきたことに心より感謝申し上げます。

(起業時の苦労話はオールアバウトの取材を受けた『ガイドの原点』でお伝えしています。ご興味があればどうぞ!⇒『ガイドの原点 Vol.20』

 

この15年の道のりを振り返って、起業して長く事業を続ける秘訣を整理してみたいと思います。

 

1. 学ぶこと、学び続けること

 

やはり最も重要なのは学ぶこと、学び続けることでしょう。ここに私の原点があります。起業して全く売上が上がらなかった頃、時間だけは腐るほどあったので私はビジネス書を読み漁りました。もちろんお金はないので近くの図書館に行って月に40冊から50冊くらいは読んだかと思います。ビジネスの成功に関する本を多読することによって、ようやくビジネスを軌道に乗せる一筋の光明が見えてきたのを今でも鮮明に覚えています。

 

2. 謙虚になること

 

謙虚になることも重要です。私自身は大手銀行で長く働いていた経験からプライドだけは高くなり、仕事などは相手からお願いされるものだという不遜の態度を知らず知らずのうちに取っていたかもしれません。ただ、拙著『どんな逆境でもダントツの成果を出す 6つの「自分戦略」』に書いたように、私自身は人から見れば銀行を辞めた途端“どこの馬の骨ともわからない人間”に成り下がっていたのです。それに気づかされた時に、「自分は謙虚になってあらゆるものを尊重し、受け入れなければならない」と考え方を大きく変えました。そうすることによって自分の考えを無理に押し通すのではなく、柔軟に考えることができるようになり環境変化に対応することができるようになったのです。

 

3. 情報を発信し続けること

 

ビジネスは知られなければ存在しないと同じことです。その点、情報発信し続けることも重要といえるでしょう。私は2003年頃から『ビジネスマン必読!1日3分で身につけるMBA講座』というメールマガジンで情報を発信し続け、今や読者は2万6千人を超えるメディアにまで成長しました。このメルマガがなければ今の自分はないといえる程、情報を発信し続けることは重要だと痛感しています。

 

4. 人の喜びを自分の喜びとすること

 

ビジネスとは自分の欲望を優先的に満たす活動ではありません。まずはお客様に喜んでいただき、対価として得たお金で自分が喜ぶという順番が重要になってきます。商売をするに当たって人の喜びを自分の喜びとできるかどうかが成否を大きく左右することになります。24時間人を喜ばすことにワクワクできるような人であれば、成功しないわけがないといっても過言ではないでしょう。

 

5. プロに徹すること

 

お客様は私達に苦労して手にしたお金を寄付しているわけではありません。何かを期待して大事なお金を支払ってくれているのです。そのお客様の期待に応え続けることがプロフェッショナルとしての証であり、結果にこだわって最高のものを提供し続けるという高い意識を持たなければ、長い間お客様に支持され続けるビジネスを展開することは難しくなるでしょう。

 

6. 人の協力を得ること

 

どんなスーパーマンでも一人でできることはたかがしれています。ビジネスはいかに多くの人を巻き込むかも重要なことなのです。そこで自分の旗を掲げて、熱い想いや社会的な使命を発信し続け共に戦ってくれる仲間を探し出し、謙虚に人の協力を仰ぐことによって一人では決して成し得ない大きなことを成し遂げることができるようになるのです。

 

7. 夢を描くこと、自分を信じること

 

時には自分がこの事業を続けられるかどうか不安に駆られることもあるでしょう。ただ、自分の夢をより鮮明に、より具体的に描いて、「必ず達成できる」と、根拠がなくても構わないので、自信を持つことが重要です。人は普段、自分の能力の数%程度しか発揮できていません。自信を持つことによって、「自分にはこれくらいしかできない」という思い込みの壁を打ち破ったり、どんな崖っぷちに立たされても最大限の能力を引き出して乗り切ったりすることができるようになるのです。

 

8. 失敗を恐れずに挑戦し続けること

 

余程の才能がある人でない限り、1回の挑戦で成功することは難しいといえるでしょう。そこで、最初から「たとえ失敗しても成功するまで何度もチャレンジすればいい」という気持ちであれば、気が楽になるでしょう。重要なのは失敗を恐れることなく、勇気を持って最初の一歩を踏み出すことではないでしょうか。

 

まあ、他にもあると思いますが、それはまた思いついた時に加えていきたいと思います。(笑)

 

次の20年の生存率はわずか0.3%です。100社に1社も残らない厳しい現実が待ち構えていますが、なんとか無事に20周年を迎えたいと思いますので、みなさまこれからも変わらぬご支援をよろしくお願い致します。

2017年も明けて10日。

 

すでに今年の目標を決めた方も多いことでしょう。

 

そして「よし、PDCAを回して確実に目標を達成するぞ!」と意気込んでいるところかもしれません。

 

ただ「PDCAは使えない」という言葉をたまに耳にします。

 

確かにPDCAはパワフルなフレームワークですが、それだけでは効果を発揮しないことも多々あります。

 

その原因は一体どこにあるのでしょうか?

 

多くが考えられますが、重要なポイントが2つあります。

 

一つは「なぜその目標を達成しなければならないのか?」という根本的な理由を実行する者が理解していないということです。

 

ここで私が新たに考案したフレームワークを紹介しましょう。

 

それは、『MVP&STAR』というものです。

 

MVP&STARは確実に成果を上げるフレームワークで、次のようなプロセスで実行していきます。

 

Mission・・・自分の使命を明確化する
Vision・・・具体的な理想像を描く
Passion・・・ビジョン達成へ熱い情熱をたぎらせる
Strategy・・・ビジョンを実現する戦略を練る
Tactics・・・具体的な方法に落とし込む
Action・・・実際に行動する
Rechallenge(Repeated Challenge)・・・たとえ失敗しても何度もチャレンジする

 

ここでMVP&STARのSTARはPDCAとほぼ同じと言ってもいいでしょう。

 

つまり、PDCAにはそれだけだとMVPの部分が欠けていることがわかります。

 

MVPとは、どんな困難にも負けずにチャレンジし続ける情熱をたぎらせるために欠かせないプロセスです。

 

もしMVPのプロセスを欠いていると、ちょっと失敗しただけで「もうだめだ」と諦めることにつながり、PDCAが全く機能しなくなるというわけです。

 

続いて二つ目は環境が変わっても当初立てた計画を忠実に実行し続けるから成果につながらないというポイントです。

 

今や環境は刻一刻と変化しています。ですから当初に立てた計画が的を外しているということも十分あり得るのです。

 

そのような場合は創発戦略(環境の変化に臨機応変に対応する戦略)を立てる必要があります。

 

この創発戦略によって目標達成から逸れた道を正常通りに軌道修正することが可能になるのです。

 

この創発戦略を立てる際にはOODAループというフレームワークが活用できます。

 

OODAループとはアメリカ空軍で考案された意志決定理論です。

 

戦場では瞬時に自分の置かれている環境を分析して行動に移さなければ最悪命を落とすことにつながります。

 

もちろん、戦闘員は当初に立てた戦略および戦術に忠実に動くことが求められますが、状況次第では戦場で新たな戦略を立て直して当初のミッションを達成する必要があり、その際に活用されるフレームワークがOODAループなのです。

 

OODAループとは次のようなプロセスになります。

 

Observe・・・状況を監視する
Orient・・・情勢を判断する
Decide・・・意志決定を行う
Act・・・行動を起こす

 

戦場と同じように、ビジネスでも刻々と取り巻く環境は変化します。

 

MVP&STAR(もしくはPDCA)という大枠を踏まえながらこのOODAループを回すことによって、環境変化に即した戦略を立て直すことが可能になり、当初の目標を達成できるようになるのです。

 

みなさま方におかれましても、今回ご紹介したMVP&STARとOODAループというフレームワークを組み合わせて今年も飛躍的な成果を上げていただきたいと思います。

BLOGOSにローランド・ベルガー日本法人会長の遠藤功さんが、あと10年教授の職に留まれば年収1億円が保証されているのに、スパッと退任したという記事がありました。

 

『海外MBA年収2000万円、国内MBA給与アップゼロの衝撃 - それでもなぜ、社会人たちはビジネススクールをめざすのか?』

 

遠藤さんて1億円の職を捨てられるってすごい人だと思う。

 

でも、その気持ちもすごくわかるような気がする。

 

やりがいのない仕事で1億円をもらうより、限られた時間の中でお金には代えられないやりがいのある仕事を選ぶ。

 

自分が銀行を辞めた時もスケールは小さいながらそんな気持ちだったかな。(笑)

これまで我が社では経営理念として『4つのION』を掲げていましたが、その拡張版としてフレームワーク的なものにできないかとちょっと考えたら『MVP&STAR』という言葉ができました。

 

MVP(エムブイピー)とSTAR(スター)という言葉の組み合わせなので非常にわかりやすいかと思います。(笑)

 

『MVP&STAR』とは、次のようなフレームワークになります。

 

M(Misshon)・・・自社(もしくは自分)の使命を知る、理解する

V(Vision)・・・ミッションを達成する理想像を具体的に描く

P(Passion)・・・ビジョン実現に向けて熱い情熱をたぎらす

S(Strategy)・・・ビジョンを実現するための戦略を練る

T(Tactics)・・・戦略に適切な戦術を当てはめる。ビジョン実現のための具体的な方法を決める

A(Action)・・・考えるだけでなく、実際に行動に移す

R(Rechallenge)・・・たとえ失敗しても何度もチャレンジを繰り返す

 

まさにこのプロセスに忠実にMから順にRまでクリアすれば、必ずやどんなビジネスでもMVP、そしてSTARになれるはずです。

 

2017年はこの『MVP&STAR』というフレームワークを推していくことにします。(笑)

 

 

※ 追記 2017年1月8日13:01(「R(リチャレンジ)なんですよね、何事も。」というコメントをいただきましたので、追記します。)

 

余程の天才でない限り、1回で成功し続けることは難しいです。

 

ですから、おっしゃるとおり、何事も諦めずに何度もチャレンジすることが成功の秘訣だと思います。

 

そのチャレンジの苦労を乗り越えるために、プロセスの一番最初のミッションとかビジョンとか、苦しくても続ける意味を自分の中で明確化する必要があるんです。

 

もしそれを怠ると、1回失敗しただけで「自分にはもう無理」と簡単に諦めてしまい、結果を出せずに終わることでしょう。

 

よく言われることですが、1回チャレンジして結果が出なくても、「失敗した」と落ち込むことなく、「成功できない方法を一つ見つけた」とポジティブに捉えて、リチャレンジすれば必ずや成功につながるはずです。