もやしの唄』という舞台劇があるのを初めて知りました。

 昭和30年代のもやし屋さんの物語です。それが4月21日、なんとここ深谷のもやし屋がある深谷市で公演します。『もやしの唄』の舞台ダイジェストを拝見しましたが、かなりリアルで驚きました。飯塚家も両親は不眠不休で働き、時にはムロ(栽培室)のもやしが全滅する…そんな苦労もよく覚えています。なんでも原作者の身内の方に実際のもやし屋さんがいたようです。

 

昨日、主催している「深谷虹の演劇鑑賞会」の方が弊社にいらして少しお話をしました。そして4月21日の公演当日、会場の深谷市民文化会館で深谷もやしの販売をすることが決まりました。もちろん私が販売します。

 

 飯塚商店の創業は昭和34年、ほぼこの舞台と同じ世界です。深谷で公演される昭和のもやし屋さんの舞台と、今を闘うもやし屋の私が同じ場所で深谷もやしを販売することになるなんて。何か感慨深いものがあります。

 

 

私どもの深谷もやしが少しずつですが、広がりをみせています。

 

野菜の販売を手がける「サン・フレッシュ」様と繋がることになり、本日より

 

〇「高島屋柏店」(店舗名:サン・フレッシュ)

 

〇「高島屋新宿店」(店舗名:サン・ベジフル)

 

〇「高島屋 玉川店」(店舗名:サン・フレッシュ)

 

〇「高島屋 港南台店」(店舗名:サン・フレッシュ)

 

〇「大丸東京店」(店舗名:フレッシュ・ワン)

 

〇「そごう大宮店」(店舗名:グリーンワールド)

 

の各店舗での販売が始まりました。まだ試験的なので少量からです。

もちろん、売らせてもらったからよしよし、ということではありません。私たち生産者も積極的に売り場に出て伝えることも大事です。今はそういう時代です。

 

「まずは少量から」…地元の農産物直売店も、都内や他県のデパート、野菜売り場も、深谷もやしはそうやって少量から何年もかけて育ってきました。価値を広げる、価値が広がるというのはそういうことなのだと思うのです。

 12月30日、2017年という年が終わろうとしています。

深谷のもやし屋飯塚商店だけでなく、もやし業界全体にとっても大きな2017年であったと思います。

 

 高騰するもやしの原料価格、そして価格に転嫁できない状態がここ10年は続いたと思います。

追い討ちをかけるようにさらなる低価格競争がリーマンショック以降から始まりました。体力のない中小のもやし生産者は経営が立ち行かなくなり次々と廃業を余儀なくされました。あの鹿児島のもやし屋さんのように…たとえ良いもやしを作っていても、じわり、じわりと真綿で締め付けられるように息の根を止められるのです。その恐ろしい感覚、私には痛いほどよくわかります。

 

2016年、とうとう業界が声をあげ、各マスコミが注目したことで

 

「もやしが消える!」

 

と、大きな話題になったのが今年だったと思います。

 

そのようななか、真っ先に倒産してもおかしくない吹けば飛ぶような零細もやし生産者である、飯塚商店はしぶとく存在感を放ったと思います。

 

昨年の末は「闘うもやし」の出版、そして今年は「黄金深谷もやしの収穫体験」という新しい二つの「商品」で勝負をしました。

 

闘うもやし」も「収穫体験」も、新聞、ラジオ、テレビでも取り上げられ、飯塚商店のもやしをサポートしてくれました。

 

まだまだ、私は静かに死を待つことはできないのです。まだまだ、やらなきゃならないことがあります。

 

私がもやしを伝える活動を始めたのが、2008年のことでした。この10年間は逆境の中、よく考え、動き、苦しくも幸せな10年でした。

 

 2018年は「新しいもやしの世界」の幕開けとなるよう突き進んでいきたいです。

もやしの販売価格が安すぎて(値上げできずに)苦しい。

 

もやし屋さん(もやしの製造販売業)がやっていけない。

 

このままでは日本からもやしが消える

 

みなさんにこの窮状をご理解ください。

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今年(2017年)はこれまでにないほどに、こんな業界からの叫びが各メディアに踊った思います。

実際、零細深谷のもやし屋である私もずいぶん取材を受けました。もやしがこのような結果となること、10年前からある程度予期していました。当時、優しいもやし業界は量販店の値下げ圧力による廉価販売を「屈した」のではなく「企業努力の賜物」としてある程度しかたないこととして容認していた感がありました。

闘って相手(取引先)を刺激させるより、今でいう「忖度」をしたのでしょう。

 

「どうすれば適正価格にできるのですか?」

 

そんな質問を幾度受けたことでしょうか。

 

いちもやし生産者である私の答えは決まってます。

 

まずは生産者自らが動かなきゃダメ

 

ということです。動くと言っても誰かに言ってもらうとか、誰かに理解してもらう、とかそういうもんじゃないわけです。自分がやらなきゃダメ、ということなんです。

 

 

 

今年3月から始まった

 

「黄金深谷もやしの収穫体験」

 

も約半年続きました。一般の方からお子様連れ、子ども食堂とのコラボ、特別ゲストによる協力などなど…「もやしの収穫・試食」を中心としていろいろ柔軟に対応してきました。

 

 参加した人たちの感想は概ね好評でした。野菜販売に携わっている方が参加し、そのまま取引に繋がってしまうこともありました。

 

 先日は野菜ソムリエさんがたちがいらして、ここでもやしを学び、そしてもやしを野菜ソムリエの取り組みに導入するようです。興味ありましたら、こちらも是非ご参加ください。

野菜の研究室 美味しいを追求しよう!~One Vege Project vol.6 もやし~

http://vf.way-nifty.com/vmc/2017/08/one-vege-projec.html

 

さて、このように参加する方も、生産者も楽しい「黄金深谷もやしの収穫体験」、今後の予定です。

 

9月24日(日) 13:00~

10月8日(日) 13:00~

10月22日(日) 13:00~

 

と、なっています。時間を変更しましたので気を付けてください。

 

申し込み・お問い合わせは飯塚商店まで

 

電話:048-571-0783  FAX048-571-6421

メール:matt2@coffee.ocn.ne.jp