12月21日(土)、この日は横浜高島屋で深谷もやしの量り売りイベントでした。私と妻が生産者として午後から売り場に立ちました。この売り場では今回が2回目です。ただ用意したもやしの量が200kg。とんでもない量です。200kgと言えば深谷市全体の学校給食で使うもやしより多いくらいですから。それをこの1店舗だけの販売です。

 

 「とても信じられない。本当にそこまでもやしが売れるのか?」

 

 私たちは行きの電車内でそんなことを話しながら、午後2時にお店に入りました。その時すでに90kgが売れていました。『えっ。これは本当に売れちゃうかもしれないな…』そしてエプロンを着けて売り場に立ちました。私たちの役割は決まっていて、妻が試食を薦めてお客様ともやしのこと、お勧めレシピのことを話します。私がせっせとその場でもやしを量り、もちろんときどきお客様と話します。さすが高島屋の中でも人気のお店です。ひっきりなしにお客様が私たちのもやしを購入してくださいます。2回目ですけど、もうリピーターになってる方もいました。

 

 そして午後5時半、約5kgほど残して、あとは青果のスタッフに任せて私たちの量り売り販売は終了となりました。おそらく200kgはその日のうちに完売したことでしょう。一つの売り場でもやしが200kg、それも価格は298円(500g)で、です。

 

 『こんなもやしじゃ売れない、ましてや高いもやしなんかもっと売れない』

 

 …なんて青果仕入れ担当者から直接言われるくらいにうちのもやしが嫌われていたなんて嘘のようです。まだ10年ちょっと前の話です。

 

 帰る時、青果の主任さんから『来年1月11日(土)にやる次回は250kgやりましょう』なんて注文を受けました。まったく未知の数量ですが絶対に無理、ということではありません。

 

 この日の200kgはこれまでの多くの方々のご理解、協力の積み重ねの200kgです。

これは書き出すとかなり長くなりそうです。話し出すと私の息が詰まってしまうかもしれません。

 

 帰りの電車内は、私と妻はどっと疲れていましたが心から笑っていました。

 

 

 このブログを書き出したころ、ほぼ10年前ですけどうちの細いブラックマッペもやしは1袋(200g)で何本あるのか数えたことがありました。320本。ちなみに太い緑豆太もやしは200本でした。

 本日栽培コンテナにある500kgのもやしをほぼ丸ごと収穫したので、その数は800,000本になるということです。

 

 もちろん80万本すべてが同じじゃありません。栽培コンテナの中の環境の違いで生長の早いもの、遅いもの、中にはひねくれたものが混在してます。でももやし屋である私としては、80万全てのもやしが健康に育っていることを目指しています。もやし屋なんてものは、もやしをできるだけ健康に育てることが第一なのです。ビジネスに繋げるのはその後です。

 

 もやしは正直な野菜で環境が悪いとすぐ病気になります。施設栽培でありますから環境を悪くするそのほとんどの原因は人的なものです。そしてなんらかの異変があったらすぐに対処するか、あえて様子をみるか。一番悪いのはそのままなにも手をうたないことです。ダメになるのをわかっていて何もしない、てのは最悪です。もともと一週間という早さで育つもやし、病気になった個所があっという間に広がり全てのもやしが腐ってしまいます。だからはやく異常に気がつき、そして手をうつことが大切です。

 

 私はもやしから多くを学びました。生産者の考えは荒唐無稽な極論のような気がしますが案外的を得ているのも多いと信じています。

 

本日、いつものようにもやしの収穫作業を始めて気が付きました。

「ああ。もやしの中では完全に夏が終わっているんだな」と。

一つの栽培容器の中で起きているもやしの変化。

一部はまだ夏の暑さの影響が残っているもやし。

そして徐々に秋、冬のもやしに代わろうとしている部分。

味は夏は力強く、秋から冬にかけて徐々に優しくなってきます。

今回ははっきりともやしの変化が現れたのでこうしてブログに載せました。

こういう季節を感じているもやしの姿を常に視ているからこそ、もやしは生きている野菜、ましてや加工品じゃないのです。