【アフリカは何故貧しかったのか?】 | キセキを紡ぐ Rut of hope

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【アフリカは何故貧しかったのか?】

ウクライナへのロシアの軍事介入が始まってから、次々といろいろな事実が表に出ていっている。とりわけ、これまで世界中の戦争は、本当の理由を隠して行われていた、ということがだ。ウクライナの戦争の現状とその報道がどれだけ違うのかを見ていくうちに、これまでの世界の深い闇が次々と見えていった。

メディアが事実とは真逆の虚構の物語を作り出しているということを、私たちはパンデミックのときに初めてありありと目の前に見せつけられたのだけれど、そのあとで、ウクライナの戦争の現状についても、それとまったく同じことが起きていることがわかった。今度も、パンデミックの報道とまったく同じことだった。本当のことを語っているジャーナリストや学者たちは、プロパガンダを語っているとして魔女狩りに遭い、テレビや新聞などの主流メディアは、まことしやかに嘘を語る役者の映像ばかりになった。パンデミックのときには、「陰謀論」と呼んでいたものが、「ロシアのプロパガンダ」に変わって、ウィルスの脅威がロシアの脅威に変わっただけだった。

現実に身のまわりで起こっていることと、テレビの中の現実とがまるきり違っていても、多くの人々はテレビの現実の方を信じてしまうのだ。ましてや、遠くの国で起こっている戦争の報道など、どれだけ嘘を信じさせられているのかわからない。パンデミックでもウクライナの戦争でも、まったく同じように攻撃的な言葉や差別的な論調が繰り返し語られて、それを毎日見ている人たちは、筋が通っていないのにもかかわらず、メディアが言っていることを鵜呑みにするようになっていく。それを見ていて、私たちは、これは今に始まったことではないことに気がつくことができた。これまで世界のあちこちで起こっていた戦争も、あれやこれやの感染病も、実はほとんどすべてが、同様に虚像を見せられていただけだったということにだ。

そして今、ちょうどサンクトペテルブルクのロシア・アフリカ・サミットが始まるタイミングで、西アフリカのニジェールで、軍事クーデターが起こったのだ。これもまた、同じことだった。西側諸国のメディアと政府は、まだくわしい情報が入ってくる前に、ウィルスやロシアと同じように、クーデターを非難し始めた。その時点でもう、事実と真逆のことが報道され始めるのだろうということは予想がつく。そして、メディアとは違うところから入ってくる情報を追いかけていくと、これまでアフリカで日常茶飯事のように起こっていたクーデターやテロや内乱のすべてが何だったのかが、見えてきた。

これまでアフリカは、貧しくて遅れている国々だという印象があったけれど、あれは作られたものにすぎなかったのだ。いつも民族間の争いがあり、クーデターがあり、独裁者が現れて、国が混乱しているから、アフリカの人々は、平和的に民主的に行動することなどできない野蛮な民族なのだと思われている。実際、アフリカはいつも争いが絶えず、社会は混乱して、経済的にも貧しく、教育レベルも低い。しかしそのすべては、実のところは西側諸国が作り出していた状況だったのだ。それは、アフリカが今でも植民地支配されていたからに他ならなかった。

そうしたことを、ニジェールのクーデターは表に出してしまったのだ。クーデターがどのような理由で起こったのかについての情報がまだそれほど入ってこないうちに、フランス大使館の前でロシア国旗を掲げて、フランスは出ていけ、と叫んでいるデモの人々の動画が拡散されていた。それから昨日になって、クーデターでできた新政権が、ウランと金をフランスに輸出するのを禁止したという情報が入ってきた。それから、フランスが軍事介入するかもしれないという話があり、隣国であるブルキナファソとマリが、軍事介入があったら、宣戦布告とみなすと宣言したという情報が入ってきた。

どうやらウランが問題らしいのだ。フランスは原子力発電にエネルギー供給を頼っているので、ウランが来なくなると困る。いや、そもそもフランスは、ニジェールからタダ同然のウランが入ってくるからこそ、原子力発電にこだわっていたのだ。ニジェールはフランスにとって、重要なウランの供給源で、そのためにフランスはニジェールのウラン採掘を援助してきた。ところが、これがPSA(Production Sharing Agreement)という契約に基づくもので、採掘施設を建設する資金を出す代わりに、採掘された地下資源のほとんどをフランスが受け取るといったものだった。つまり、植民地時代と何ら変わらないシステムになっていたのだ。

しかも、ニジェールは貧しい国で、国民の80%は電気がないという。ニジェールのウランがフランスの電力を賄っているというのに、ニジェールには電力がないのだ。一体何のための援助なんだかわからない。結局、ニジェールは地下資源をタダ同然で掘らせて、安い賃金で働かされているということになる。そんな状況なので、国民が不満になり、治安が悪くなったり暴動が起きたりしても、不思議はない。それで、暴動やクーデターが起きたときのために、軍隊を駐留させていて、それを民主主義を守るためだと言っているわけなのだ。

ところで、ニジェールの人たちがロシア国旗を掲げていたのは、サンクトペテルブルクのサミットに参加したかったという意思表示なのかと思っていたけれど、それどころではなかった。ロシアはすでにソ連の時代から、アフリカが自立できるように支援していたというのだ。西側諸国は、第二次世界大戦のときまでアフリカで地下資源やコーヒーを求めて植民地争いをしていたけれど、その後もあいかわらず地下資源やコーヒーやカカオを搾取することしか考えていなかった。ところがソ連は、搾取するためではなくて、アフリカが自立できるように支援していたというのだ。地下資源採掘施設などを作っても、完成したらそれはその国のものになり、採掘した資源もその国のものになる。西側諸国の開発援助が、つまるところアフリカを依存状態にして、搾取し続けるためのものだったのに対して、ソ連がやっていたのは、本当にアフリカが自立できるようにするための援助だった。

サンクトペテルブルクのサミットに来ていたネルソン・マンデラの孫は、ソ連はアパルトヘイトの抗議活動も支援してくれていたと誇らしげに語っていた。サミットにほとんどのアフリカの国が参加していて、まるで新植民地主義からの独立宣言と言えるような決議文を全会一致で採択していたことでも、アフリカがロシアを新植民地主義との戦いの同士とみなしていることがわかる。そして、ニジェールのクーデターのあとで、人々がフランス大使館の前でロシア国旗を掲げてデモを行っていたのを見れば、ロシアがアフリカを搾取せず、自立のために支援していたというのが本当のことなのだということ
は、はっきりとわかる。

ところで、アフリカをあいかわらず植民地支配していたい西側諸国としては、ロシアの援助でアフリカが自立したら困るわけなのだ。アフリカは、西側が支援しなければ、食べていくこともできないような状態だからこそ、不平等条約を押しつけたりすることができる。独自の生産手段を持ったり、軍隊を持ったりするようになると、不平等条約を突っぱねて追い出されてしまうようなことにもなりかねない。

だから、ここでも西側諸国とロシアは敵対していたのだということが見えてくる。あるいは、まさにそのために、西側諸国はロシアを弱体化させようとありとある手を使っていたのかとも思えてくる。ロシアに自由にさせていたら、世界中の国々を自立させてしまい、もうこれまでのように地下資源や農産物を搾取することができなくなる。それで、ロシアはアフリカを支配して、独裁国家にしているとか、地下資源を奪っているとか、そういう嘘をメディアでばら撒いて、ロシアのこの動きを妨害しようとしていたのだ。

隣国であるブルキナファソとマリは、やはりクーデターが起きて、政権が入れ換わった国なのだという。ブルキナファソは昨年9月についにフランス軍を国から追い出すことに成功したそうだ。ブルキナファソの暫定政権の大統領は、サンクトペテルブルクのサミットに来て、「私たちは、8年前から残虐な植民地主義と戦い続けている」と語っていた。そしてプーチン大統領を「同士」と呼び、お礼を述べていた。それに対してプーチン大統領は、「アフリカの独立のための戦い、アパルトヘイトに対する戦いは、全人類にとって重要なことです」と答えていた。

ブルキナファソもマリも内乱が絶えない国で、それはいろいろな民族が対立しているからだみたいに報道されているけれど、事実は西側諸国の植民地支配との独立戦争だったのだ。西側諸国は、植民地支配のためとは公には言えないから、秩序を守るための支援だと言っている。それで、民族間の衝突だとか、宗教の違いのせいだとか、あるいは支配欲に駆られた独裁者だとかの話をこしらえているのだ。メディアが語る物語を本気にしていたら、アフリカとは、わけのわからないことで争いばかりしている、血の気が多い野蛮な国だというような印象しか持たない。わけがわからないから、さっさとNATOが出てきて民主国家にしてしまえばいいのにということになる。

ところで、マリとブルキナファソの植民地支配からの解放の戦いを、西側諸国が軍隊で鎮圧しようとしていたのは、実のところはニジェールのウランを守るためだったのだと、ロシア在住のドイツ人ジャーナリスト、トーマス・レーパーは言っていた。マリとブルキナファソで植民地支配をくつがえすクーデターが起きて、それがニジェールに広がったら、新しくできた政権はウランの採掘権を取り上げてしまうだろう。それを恐れて、マリとブルキナファソを何とかして支配下にしておこうとしたというのだ。

しかし結局、ブルキナファソもマリもクーデタが成功して、ブルキナファソは駐留していたフランス軍をついに追い出してしまった。そして今、西側諸国が恐れていた事態が起こったのだ。ニジェールでもクーデタが成功し、フランスがウランと金を持ち出すのを止めてしまったのだから。

「ニジェールはドミノ倒しの最後の一枚だった」と、テレグラムのある記事に書いてあった。そのときは、どういう意味で言っているのかわからなかったのだけれど、マリとブルキナファソで続いていた戦いのことが見えてくると、すべてはつまりニジェールのウランをめぐる争いだったのだということがわかる。ロシアや中国の援助によって、徐々に自立する力を得ていたアフリカは、ついにニジェールのウラン鉱を植民地支配から解放するところまで来てしまったのだ。その意味で、ニジェールはまさにドミノ倒しの最後の一枚だった。

ところで、ニジェールのクーデタに、経済制裁や軍事介入をつきつけて、真っ先に圧力をかけてきたのは、アフリカ連合(AU)と西アフリカ経済共同体(ECOWAS)だった。ちょうどサンクトペテルブルクのサミットの決議で、内政干渉や経済制裁を拒否すると宣言していたので、これはどういうことなのかと思っていたら、このアフリカ連合と西アフリカ経済共同体というのは、西側諸国がいわばアフリカを植民地支配するために利用している組織だということがわかってきた。

アフリカ連合は、もともとはリビアのガダフィ大統領が呼びかけて創設したもので、当初は新植民地主義や腐敗と戦い、アフリカの自立を目指すためのものだったらしい。ガダフィ大統領は、リビアの油田を西側諸国から取り戻し、その利益を国民に還元したので、リビアは豊かになった。ところが、アメリカが軍事介入して、ガダフィを殺害し、政権を崩壊させてしまったのだ。これも、表向きはリビアを独裁政権から解放して民主化するためというような話だったけれど、こうした背景を見れば、本当の目的は別なところにあったことがわかる。アフリカがリビアの主導で、西側諸国の植民地支配から自立していくのを止めるためだったのだ。

その後、アフリカ連合は新植民地主義と戦うためのものではなくなって、それとは正反対のもの、つまりアフリカを民主化するためと称して、独立運動を弾圧する組織になったものらしい。そして西アフリカ経済共同体というのは、その下部組織のようなもので、西側諸国と提携して経済制裁や軍事介入で西アフリカ諸国を管理している組織のようだ。だから、西アフリカ経済共同体(ECOWAS)がニジェールのクーデタに軍事介入するとしたら、その後ろには西側諸国がついていることになる。それに対してマリとブルキナファソの暫定政権は、いかなる軍事介入も宣戦布告とみなす、と宣言した。つまりともに戦う用意があるということだ。

リビアのときには、新植民地主義からの解放の試みはとことんたたき潰されてしまったわけだけれど、マリとブルキナファソの例を見ても、もはやアフリカは負けてはいないということがわかる。これまでアフリカが搾取されて貧しくされていたことで、ヨーロッパは異常な難民の流入に苦しめられていた。結局のところ、一極支配のツケはどこの国でも庶民が背負うことになる。ブルキナファソの新大統領にプーチン大統領が言ったように、アフリカの独立のための戦いは、全人類にとって無関係ではない。それは、世界が一極支配から解放されていくための戦いなのだ。

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画像は、サンクトペテルブルクのロシア・アフリカ・サミットで発言するブルキナファソの暫定大統領イブラヒム・トラオレ