Q 妻41歳、夫36歳(乏精子症、精索静脈瘤のため手術後、採卵開始)、リプロで治療中
2021年、アンタゴニスト法で採卵、全て顕微授精、2PN、胚盤胞到達50%程度
8月 採卵6個 8G3、5日目3BB凍結
9月 採卵14個 5日目3AA、3BA 、6日目G2、G2、3CB凍結
10月 採卵14個 5日目3AA、4AB、4BC、6日目4AB、4AB凍結
ビタミンD 4000単位、亜鉛15mg、葉酸400mg内服継続中
胚移植、全てホルモン補充周期
2021年11月 SEET+5日目4AB(10月)→妊娠するも、妊娠8w1d胎嚢のみで稽留流産、染色体異常なく正常女児、不育症検査異常なし
2022年2月 SEET+5日目3AA(9月)→hCG 0、慢性子宮内膜炎検査陰性
2022年5月 ラクトフェリン内服、SEET+5日目3AA(10月)+6日目4AB(10月)→hCG 0
今後、銅亜鉛、ERPeak、子宮収縮検査の予定です。
①初回の移植では、胎嚢のみで胎児が見えないまま成長が止まってしまいました。どのような理由が考えられますでしょうか。
②初回の妊娠中、3回目の移植後3日目に、なんともいえない腹痛が起こり、下痢をしました。普段は腹痛を起こすことはほとんどありません。子宮収縮が同時に起きている可能性はありますでしょうか。
③検査後、採卵するかを迷っています。松林先生のお考えを教えてください(まずは1人出産できればと思っていますが、第二子の可能性を残しておきたいと思う自分もいます)。
④採卵となれば、DHEAはERPeakの検査周期中から内服していても問題ないでしょうか。
⑤今できることを尽くすしかないのですが、良好胚がなくなっていき、不安が募ります。流産になりましたが、妊娠できたという事実だけを信じて頑張っていますが、私たちに可能性はありますでしょうか。何かアドバイスがあればお願いします。
最後になりましたが、いつもリプロのみなさまには感謝しております。これだけの医療の質を保ちながら、たくさんの患者さまを診療されており、大変なご苦労と努力があると思います。本当にありがとうございます。
A
①染色体異常なく正常女児、不育症検査異常なしと記載されていますので(母体細胞の混入ではなく間違いなく正常女児でしたら)、原因不明不育症になります。原因不明不育症の対策は、妊娠中のIVIG、ピシバニール、プレドニン継続のいずれか、あるいはその組み合わせになります。
②下痢の腹痛と子宮収縮の腹痛?(子宮収縮の感覚はないことも多い)は別物です。子宮収縮検査による確認が必要です。
③銅亜鉛、ERPeak、子宮収縮検査のうち一つでも引っかかった場合には、まず移植をトライしてみることをお勧めします。いずれも引っかからない場合には、採卵をお勧めします。
④DHEAは黄体ホルモン(プロゲステロン、P)を産生しませんので、ERPeakの検査周期中から内服していても構いません。
⑤流産は次の出産に結びつきます。十分妊娠、出産の可能性はあると思います。
下記の記事を参照してください。
2014.3.26「☆男性ホルモン関連のまとめ」
2017.11.14「☆体外受精の流産は次の出産につながる」
なお、このQ&Aは、約3週間前の質問にお答えしております。