最近読んでよかった本 その125 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

最近読んでよかった本を簡単に紹介します。

なお、紹介の順番は五十音順にしています。

 

私のブログでは月2回本の紹介をしています。

何故本を紹介しているかについては、2016.9.29「「最近読んでよかった本」の新たな効能?「ニュートラルな気持ち」へ!」をご覧ください。

 

 

「虚像の道化師」東野圭吾

ガリレオこと天才物理学者「湯川学」と湯川の大学時代の友人である刑事「草薙俊平」のコンビが難事件を解決するガリレオシリーズ。「幻惑す」「透視す」「心聴る」「曲球る」「念波る」「偽装う」「演技る」の7編からなる短篇集。東野圭吾らしく、どれも一捻り効いた作品です。

 

ガリレオシリーズは下記です。

「探偵ガリレオ」2018.1.18「最近読んで良かった本 その39」でご紹介

「予知夢」2018.3.6「最近読んで良かった本 その41」でご紹介

「容疑者Xの献身」

「ガリレオの苦悩」2018.4.17「最近読んでよかった本 その42」でご紹介

「聖女の救済」

「真夏の方程式」2019.1.6「最近読んでよかった本 その60」でご紹介

「虚像の道化師」本作

「禁断の魔術」2017.1.7「最近読んでよかった本 その22」でご紹介

「沈黙のパレード」

 

 

「蒼林堂書店へようこそ」乾くるみ

地方都市にある「蒼林堂(そうりんどう)」古書店は、ミステリファンのパラダイス。店長で書評家の「林雅賀(まさよし)」、店長と同期でバツイチの「大村龍雄」、高校生「柴田五葉」と「木梨潤一」、小学校教師「茅原しのぶ」、いつもの面々が日曜になるとこの店にやってきて、ささやかな謎解きを楽しんでいる。お店の奥にはカフェスペースがあり、100円以上の古書の売買をすれば、コーヒー1杯が無料で飲めるのだ。謎解きの短編が14話と林雅賀お勧めのミステリー案内が14話、サラッと読める良作です。

 

 

「ハッピーエンドにさよならを」歌野晶午

2021.2.22「最近読んでよかった本 その111」で、歌野晶午さんの作品「死体を買う男」を紹介したところ、本作品が面白いですよとコメントに書き込みがあり、早速読んでみました。ミステリ作家が仕掛けるブラックユーモアと企みに満ちた奇想天外の「アン・ハッピーエンド」ストーリーが11話:「おねえちゃん」「サクラチル」 「天国の兄に一筆啓上」「消された15番」「死面」「防疫」「玉川上死」「殺人休暇」「永遠の契り」「In the lap of the mother」「尊厳、死」。中にはたった2ページ半の作品もあります。ショートショートも意外に面白いですね。

 

 

「ひとつむぎの手」知念実希人

純正会医科大学附属病院で激務に耐えている心臓外科医9年目の「平良祐介」は、医局の最高権力者「赤石源一郎」教授に、三人の研修医の指導を指示される。彼らを入局させれば、念願の富士第一総合病院への出向により心臓外科医としての大きな道が開けるのだが、失敗すれば沖縄に飛ばされる。しかし、祐介には心臓外科医としては致命的な右手中指の古傷があったのだ。ICUの重症患者、わがままな小児の患者、研修医の教育、自らの家族、心臓外科医としての夢、祐介にとって医師の原点とは何なのか?祐介は「患者さんの命を紡ぐことができる医師」を目指して、前へ進むのであった。

 

 

「臨床法医学者・真壁天 秘密基地の首吊り死体」高野結史

2020年第19回「このミステリーがすごい! 」大賞・隠し玉作品の本作。 法医学者「真壁天(テン)」は、人間と関わるよりも死体を解剖する方がマシだと思っている生粋の人間嫌い。しかし、教授から児童虐待を鑑定する仕事を押し付けられる。驚くべきことに、虐待であると鑑定した親たちが、次々と首吊り死体で発見されていくのであった。母親がいない「テン」と妹の「繭」、父親がいない「ハル」は小学生の時に秘密基地で仲良く時間を潰していた。その秘密基地で、ある日「テン」が目の当たりにしたのは、親友「ハル」の首吊り死体。首吊り死体をキーワードに、過去と現在のパズルが次第に解き明かされる。そして、感動の結末に涙する。