本論文は、新鮮胚移植と凍結胚移植のお子さんの発達状況についてのランダム化試験です。
Fertil Steril 2020; 114: 558(ベトナム、オーストラリア)doi: 10.1016/j.fertnstert.2020.04.041
Fertil Steril 2020; 114: 502(フランス)コメント doi: 10.1016/j.fertnstert.2020.05.012
要約:391組の夫婦を対象に、新鮮胚移植と凍結胚移植にランダムに割り付け、それぞれのお子さん123出産と132出産の発達状況を前方視的に2年間(平均37ヶ月)調査しました。PCOSを含み、day 3でG1〜2を1〜2個移植し、発達状況はDRF(Developmental Red Flags)とASQ3(Ages and Stages Questionnaires 3)質問調査票を用いました。出生時体重は新鮮胚移植より凍結胚移植で有意に多くなっていましたが、発達状況の各項目において、新鮮胚移植と凍結胚移植で有意差を認めませんでした。
解説:凍結胚移植が次第に増加している現代において、凍結胚移植の安全性と有効性を担保しておかなければなりません。本論文は、新鮮胚移植と凍結胚移植のお子さんの発達状況についてのランダム化試験を実施したものであり、少なくとも生後2年までのお子さんの発達状況は変わらないことを示しています。
コメントでは、day 3だけでなく、胚盤胞での検討が必要であるとしています。
下記の記事を参照してください。
2019.10.7「新鮮胚移植と凍結胚移植のお子さんの成長」
2019.7.17「凍結胚 vs. 新鮮胚:日本産科婦人科学会からの報告」
2018.12.12「☆妊娠中の赤ちゃんの発育は妊娠方法で異なる!?」
2016.12.23「英国における新鮮胚移植と凍結胚移植の比較」
2016.6.20「アジア人には凍結融解胚移植がお勧め!」
2014.5.13「凍結胚移植の赤ちゃんは大きく生まれる」
2013.7.15「分割胚でも凍結融解胚移植」
2013.1.24「凍結融解胚移植では周産期のリスクが低下」
2013.1.19「☆☆凍結融解胚移植のすすめ」