凍結融解胚移植では周産期のリスクが低下 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

凍結融解胚移植のメリットについて何回かご紹介してきました。(2012.12.28「採卵前の黄体ホルモン(P)上昇」)(2013.1.14「OHSSの予防」)(2013.1.17「凍結融解胚移植では子宮外妊娠のリスクが低下」)本論文は、メタアナリシスにより、凍結融解胚移植が新鮮胚移植より、周産期経過および結果が良好であることを示しています。

Fertil Steril 2012; 98: 368
要約:11論文のメタアナリシスの結果、単体妊娠に関して、新鮮胚移植と比べ凍結融解胚移植では、より良い周産期経過および結果を示しました:分娩前の出血(0.67倍)、早産(0.84倍)、低出生体重児(0.69倍、< 2500g)、周産期死亡(0.68倍)が有意に低い結果でした。

解説:凍結融解胚移植では、妊娠率も良く、周産期経過および結果も良いとなりますと、あえて新鮮胚移植を行う必要はないと考えます。本論文の筆者も、凍結融解胚移植では新鮮胚移植より子宮内の環境が良いからだろうと推察しています。

こちらの論文の内容も含めて2013.1.19のまとめ「凍結融解胚移植のすすめ」に記載を追加致します。