Q&A81 牛乳や乳製品の影響は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 牛乳や乳製品は女性への影響はないのでしょうか。栄養があるからと小さい頃からお茶のように毎日飲んでいました。1日1リットル以上です。今は1日コップ1杯くらいにしていますが、体外受精をしてもいつも受精後分割が止まり移植すらできません。牛乳だけが原因ではないでしょうが、もし悪い影響があるなら今後控えようと思っています。

A 2013.8.27「☆乳製品は精子に悪い??」の記事に記したように、現在販売されている牛乳の多くは、妊娠中の牛から採取したものです。大量の女性ホルモンを含んでいると考えられますので、大量に飲む場合には体内の女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)レベルが増加し、排卵を抑制するなどの影響が現れても不思議ではありません。妊娠中にいかに大量の女性ホルモンが産生されているかは、下記の記事を参照してください。
2013.5.27「☆女性ホルモン剤を使うのは心配ですか?」
2013.9.6「☆女性ホルモン剤は太る?」
女性ホルモンは乳汁中にも移行しますので、乳製品には大量のエストロゲンが含まれています。

2013.8.27「☆乳製品は精子に悪い??」の記事では、精子について述べましたが、女性ホルモンの摂取が増加すると、かえって健康状態を損なう場合があります。特に、生理不順(月経周期の延長)が生じる可能性が増えます。下記の記事を参考にしてください。
2013.2.7「☆女性ホルモンのサプリは本当に健康によいか:米国編」
2013.2.13「☆女性ホルモンのサプリは本当に健康によいか:日本編」
妊娠を目指している方のリスクを減らすという観点からは、牛乳や乳製品の摂りすぎは控えるべきだと思います。