2018年3月8日、愛知芸術劇場大ホールでの佐野元春のコンサートについての日記です。これからマニジュツアーに参加される方、以下ネタバレを含みますので御注意ください。
今回のツアー、セットリストの予備知識がない方が絶対に楽しめる、と僕は思います。知ってしまうと楽しみが半減します。ぜひともまっさらな頭でコンサートを堪能していただけたらと思います。
(最終日を過ぎましたので、限定日記を解除。公開します)

開演前に会場に流れている客入れのBGM、僕が客席に着いた時はスティーブ・ウィンウッドの「ハイアー・ラブ」で、その次がトラフィック「ディア・ミスター・ファンタジー」です。
そうです。今回はまさかの全曲スティーブ・ウィンウッドしばりでした。昨年ウィンウッドの二枚組のライブアルバムが発売されましたが、そこに収録された曲が何曲もかかりましたので、ああ、元春もきっとあのアルバムを聴いて気に入ってるんだな、と勝手に想像してました。
定刻19時を5分過ぎて、暗転。
歓声の中、コヨーテバンドのメンバーが定位置に、そして元春の影がフロントマイクの前に立ち、一曲目のイントロ、目映い照明の中、短髪&ブラックスーツの元春が現れました!
01 境界線
アルバム『Blood Moon』のオープニングナンバーでスタートです。ふくよかで力強いサウンド&演奏は、さすがはベテランと思わせる迫力!これはライブのオープニングにふさわしい一曲ですね。元春の声がよく出ていて、タンバリンを振る動きも軽快です。
間奏で客席に背を向け、お尻をフリフリする動きが可愛い。こういう動き、ボスもステージでやりそうだなーって思いました(この後も数回この動作をやります)。
02 君が気高い孤独なら
アルバム『coyote』より。スタイル・カウンシルな雰囲気の楽曲が二曲続けて演奏。この歌をライブで聴くのは久しぶりで嬉しい。これはホント良い歌だよ。
この時点でフト、ステージ左側にいるはずの藤田顕(アッキー)が居ないことに気付いた。アッキーお休み?
(アッキーは別のライブのツアーと予定が被っていたそうです)
03 ポーラスタア
明るい曲調の歌から一転、ヘビィなベースのイントロに客席から歓声が挙がります。これは曲順が絶妙でしたね。会場ノリノリです!アルバム『ZOOEY』より。
ここまで、コヨーテバンドと過去に作ったアルバム3枚からまんべんなく演奏されたことに気付きました。ああ、結成13年目にしてようやく、コヨーテのオリジナル中心のツアーがやれるようになったか、と感慨深くなった。『MANLJU』を入れて4枚ですもの。選曲にも十分幅が出るわけです。
《どうもありがとう。名古屋で演奏するのはおよそ2年振りです》と、ここでようやく元春のMC。
《外は雨でちょっと寒いけど、この会場の中は熱く行こう!》
そして早めのメンバー紹介。《アッキーは今日はいないけど、その分、僕ら目一杯演奏する!》と元春。
04 私の太陽
05 紅い月
06 いつかの君
07 空港待合室
『Blood Moon』より立て続けに演奏されました。特筆したいのは「いつかの君」。四つ打ちエイトビートの佳曲、これは初めて聴いた時から僕のお気に入りで、絶対ライブで盛り上がると思ってたんだ。ついにライブで聴けた!本当にかっこ良かった。
「空港待合室」もいいですね。アルバムで聴くより断然燃えます。ライブ映えする一曲です。
元春はアッキーのいないスペースをカバーするかのように、何度もステージ左側に踊り出て、激しく身体を揺らしステップを踏みます。観客は大喜び。元春めちゃめちゃ元気です。
08 優しい闇
初っぱなからノリの良い曲を立て続けに繰り出して、おいおい元気は良いけど、そんなに飛ばして大丈夫か?と心配が頭をよぎったところ、元春MC
《ここで少しの時間、休憩を取りたい。15分ほどしたら、僕たちすぐ戻ってくるから。また後で!》
と、メンバー退場。まさかの二部構成でした。始まって40分、もう休憩って?、ちと早いなー、とも思いもしたけど、昔だったら《せっかく盛り上がってたのに水を射すなんてヒドイ》と言いたいところ、不思議とそうは感じませんでした。
それもこれも、前回のコヨーテ・ロッケストラの時の3時間ぶっ通しライブの時に、このボリュームは嬉しいけど体力的にキツイ、とも正直感じてた訳で。いい歳した僕らには休憩もありがたくなってきたのです。
トイレに行って、ありがたい休息を十分に取り、ステージ再開を待ちます。
20時、再び暗転。

↑写真は元春のFacebookより拝借。実際の名古屋公演の写真です。
09 白夜飛行
10 天空バイク
11 悟りの涙
二部はいよいよアルバム『MANLJU』たっぷりタイムです。「白夜飛行」は予想通りカッコイイ。「天空バイク」は今作のレコーディングセッション一発目の歌、とのこと。そして「悟りの涙」!これはいいですねェ。メロディの美しさが改めてよく分かりました。
元春《次の曲はぜひ、世代の若い人に聴いてもらいたい。だからといって、若くない人は聴いちゃダメって言ってるんじゃないよ(笑)。》
12 新しい雨
明るくて大らかなロックンロール!盛り上がりました!
《アルバム『MANLJU』を作って、ようやく、こうして名古屋で演奏できることを、僕らとても嬉しく思ってます。と、こんなことを言うと、次の曲も『MANLJU』からと思うだろうけど、違うんだな(笑)》
13 世界は慈悲を待っている
14 La Vita e Bella
僕の大好きな『ZOOEY』から僕の大好きな歌二連発、嬉しかった!「世界は~」はずいぶんとライブでこなれてきた気がします。今回の演奏は今まで観た中で一番良かったかも。そして「La Vita e Bella」は、僕が最初にこの歌を聴いた時のイントロの長いバージョン。よくぞ復活。これ、かっこよくて大好き。
元春MC《この中には、僕の音楽を昔から応援してくれる人、最近になって知ってくれた人、いると思う。音楽の良い所は、古いものも新しいものも一つにする力がある所だ。次の曲はそんな気持ちを込めて作りました》
《若い世代の人に聴いてもらいたい。そうでない人も、若い頃に戻った気持ちで!》
15 純恋
最高!間違いなく、この夜のハイライトの曲。会場がまさに一つになった瞬間でした。この歌は盛り上がるだろうな、とは想像していたけど、ここまでライブで気持ち良いとは!CDで聴く何倍も興奮しました。演奏も良ければ、元春の堂々とした歌いっぷりも見事。間奏での囁きパートも言葉の粒クッキリと伝わって来たし、言うことなしです。これは何度でも聴きたくなるな。新たなライブアンセムの誕生ですよ。
「純恋」の大盛り上がりの余韻の中、この夜初めて元春、エレキギターを肩にかけました。演奏直前の一瞬の静寂をついて、《元春ー!》と僕が叫ぶと、元春小さく右手を挙げて応えてくれた。やった。
16 禅ビート
ロックンロール!深沼元昭、渾身のギターソロにシビれた。ベース高桑も舞台前に出て、元春と三列になって客を煽りました。
荘厳なシンセの音が轟き、元春は渡辺シュンスケの鍵盤に手を置くように寄り添います。ゆっくりと暗転、元春がエレピに座って弾き始めました。
17 マニジュ
この夜、バラードらしいバラードはこの歌だけ。ラブソングというにはあまりに重厚で多面的な内容の歌。元春の天才をある意味、一番伝える楽曲といっていいかもしれません。バンドの音、コーラスが見事で、その目眩く音世界に圧倒されました。
あまりにも気合いの入った「マニジュ」の演奏に呆然としていると、元春とコヨーテメンバーが舞台前に並んで、あ、本編終わるんだ、とそこで我に返った。
で、いよいよ、ここからアンコールです。
18 新しい航海
ようやく元春クラシックと呼べる楽曲登場。コレ、実は事前に知ってしまってた一曲なのですけど、演奏するのを知っていても嬉しかったですね。客席の温度もグッと上がり、三階席の僕はここでようやくスタンドアップ。
19 レインガール
まさかワルツじゃないエイトビートの「レインガール」を再び聴けるとは!テンポをやや落とし、CDの疾走感たっぷりな感じでなかったけど、よくぞこれを選んでくれた元春。
元春《みんな暑くなってきた?もう一曲行こう!》
20 約束の橋
ようやくようやく、知名度の高い定番元春クラシック。客席も大喜びです。
僕なんか、ここまで来たらいっそ80年代のナンバーをやらないライブでもよいんじゃないか、って思ってもみましたが、それはさすがにつまらないってファンが多いのでしょうね。達郎みたいにお約束を一切やらないマニアックツアーを元春にもやってもらいたい。
袖に引っ込んだメンバーを熱い拍手で呼びます。そして再びアンコール。
元春《今回のツアー、いろいろとみんなに聴いてもらいたい曲を持って来ました。次に聴いて欲しいには、ヤーァ、ソウルボーイ!》
21 ヤァ!ソウルボーイ
22 スイート16
元春のトレードマークでもある赤のストラトキャスターここで登場。「スイート16」も事前にネタバレされた曲。でも、こりゃ嬉しいから黙ってられない気持ちもわからんでもないや。
曲が終わり、興奮と歓声の中、元春はギターを刻みます。ラストはこの曲。
23 アンジェリーナ
観客みんな、タガがはずれたように跳びはねてました。もちろん僕も跳ねました!
再び全員で舞台前に並び、メンバー紹介をした後、自分のことをシン・ゴジラならぬ《シン・佐野元春》といい、35周年の時のあの台詞を再び聞けました。
《こうしてみんなの前で演奏できて、たくさんの勇気をもらいました。これからも、僕の情熱と身体の続く限り、音楽を作り続けて、またこの街で演奏したいと思います》
大歓声と共に終演。いやー、楽しかった。
アッキーが居ないことでの音のハンデは、全くなかったとは思いません。けど、それを感じさせまいとバンドの演奏はアグレッシブでしたし、元春も若々しく動き、歌ってくれました。だから満足。
今回のアンコールの元春クラシックは、毎回ライブで演奏している曲とは違ったもので、それは僕なんかすごく嬉しかったのだけど、おそらくですけど、マニジュツアーだからこその選曲なのか、とも思いました。アルバム『MANLJU』を若い世代に向けて、と発言してますし、若者がテーマの楽曲で揃えたんじゃないかと。
しかし元春、若々しかった。髪を切ってシェイプアップしただけじゃない。こんな元気な61歳は見たことないですよ。それこそ一番嬉しかったな。
長々と稚文を読んでいただいてありがとうございました!
マシス