以下、ギルバート・オサリバンの来日公演の感想を書いています。来日ツアー中はネタバレしないよう限定公開にさせてもらいます。ネタバレを読みたくない方はご注意くださいね。
(来日公演の全てが終了しましたので、限定日記を公開します)
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もう一週間が経とうとしています。前の日記に書いた通り、コンサートの一曲目に間に合わないという失態をやらかしたのですが、

2025年11月1日(土)かつしかシンフォニーヒルズ・モーツァルトホール(長い名前)にて行われた、ギルバート・オサリバンの来日コンサートの初日を観てきました。

入り口で自撮り(コンサート終演後に撮影)
前述の日記の通り、会場に遅れて着いたため、一曲目はドアの外で聴きましたが、二曲目が始まるタイミングで同時に入場。暗闇の中、ステージのスポットライトの中に二人、ぽつんといました。
遠目でもシルエットですぐ判る、あの、鳥の巣みたいな頭。オサリバンだ。ルックスが変わらないのはあの毛量のせいだ。なんであんなにフワフワに髪を保てるんだろう。
この日のコンサートは2部構成。以下、セットリストと覚え書き。思い出したら追記します。
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【一部】
01 「The same the whole world over」
近年の定番オープニングナンバーだそうです。この日は扉の外で聴いた曲。ああ残念。2018年のアルバム『Gilbert O’Sullivan』収録曲。
02 「Let bygones be bygones」
陽気なリズムの軽い曲。2022年のアルバム『Driven』から。この辺りの新しめの曲は正直、コンサートで聴いてタイトルがパッと浮かばない。でもこうやってコンサートのセトリに並ぶと特別な一曲になります。
《コニチワー、トーキョー》の挨拶から、英語で普通にMCをするオサリバン。こんなに喋るんだ、って思うほど、日本の客に英語でペラペラ喋ります。何言ってるかよくわかんないけど、雰囲気は伝わる。端々の単語で、日本(カツシカ)に来れて嬉しい、とか言ってたと伺われます。多分。
03 「Nothing Rhymed」
1stアルバム『Himself』(1970)から、ギルバート・オサリバン名義の記念すべきデビュー曲。オサリバンの人気曲四天王(僕が勝手にそう呼んでます)のうちの一曲。いつだってセピア色の風景が浮かぶ曲。。2024年のセルフカバーアルバム『Songbook』のアレンジで、ギタリストのビル・シャンリーがサビでコーラスを入れてました
04 「No head for figures but yours」
ポップなナンバー。これも2018年のアルバム『Gilbert O’Sullivan』から。帰りの電車の道中はずっと『Gilbert O’Sullivan』を聴いて帰りました。こんな風にコンサートで聴いて特別な曲となるのです。
05 「Miss my love today」
哀しい旋律のバラード。大好き。ああ、32年前も名古屋でこの歌を聴けたっけ。ローランドの電子ピアノのループ音源から流れるバスドラムの音で始まり、打ち込みのシンセサイザーのフレーズが冴え冴えと響き寄せる上を、あたかもビルのギターソロが縫うようにサーフィンしてゆく、たった二人なのに重厚なサウンドを披露。1977年のアルバム『Southpaw』収録曲。『Southpaw』ってアルバムが僕は大好きで思い入れ強いです。
《次の曲は『Eevery Song Has Its Play(1995)』から。この作品がインタレスティングなのは、一人のミュージシャンのストーリーを、つまり僕(イッツミー、と自分を指差す)のことを描いた作品なんだ。》
って感じのことをおそらく言ってた。
06 「Dear Dream」
オサリバンの自伝ミュージカルのサントラ『Eevery Song Has Its Play(1995)』から。この歌も32年前にやってくれましたっけ。まだ『Eevery Song Has Its Play』が出る2年前のことで、当時はただただ、レアな曲を演奏するんだな、と驚きました。
07 「No Way」
アルバム『Latin ala G!』(2015)から。このアルバムは近年の新作では一番聴き込みが足りてなくて、ちゃんと聴いておこう、と事前にたまたま予習してあったのです。おかげでこの歌はすぐ分かった。アップテンポな曲に客席が控えめに手拍子。
08 「Ooh-Wakka-Doo-Wakka-Day」
うわー、好き。1972年のシングル曲です。これは聴くだけで楽しくなる。オサリバンはピアノを弾かず、ビルの軽快なウクレレをバックに歌唱。ウクレレのリズムがご機嫌で手拍子が前の曲より多く、ビルもそれに応えるように激しいウクレレソロをプレイして、大いに盛り上がり、興奮しました。
《来生たかお(タカオ・カスーギと発音)が来てるんだ。彼は偉大なミュージシャンだよ》
ってなことを英語でゴニャゴニャ仰ってました。この日はどうやら来生たかお夫妻が客席にいらしてたらしい。どこら辺の席にいたのかしら。ぜひ会いたかった。
09 「A kiss is a kiss」
目下のところ一番新しい曲。2024年のセルフカバーアルバム『Songbook』収録曲のうちの唯一の新曲。新曲を聴けるってのは嬉しいですね。《偉大なミュージシャンに捧げるよ》ってなことを歌う前に言ったように聞こえたけど、来生たかおに向けて歌ったのかしら。
10 「Take Love」
アルバム『Driven』(2022)から。元気の良い歌ですが、新しい歌は客席のノリがおとなしい?
《次の歌のインタレスティングな点は、マネージャーだったゴードン・ミルズのベイビーとデュエットしたんだ》。
察しの良いお客さんからクレアだな、と拍手が起こります。もちろんこの歌。
11 「Clair」
イギリスのシングルチャート1位(全米2位)。数あるオサリバンの曲の中でも1、2の人気を争う代表曲。この日一番の拍手喝采でした。
演奏を終えて、二人で並んでお辞儀をして退場。15分休憩のアナウンスが流れ、客電が着きました。
休憩の際にロビーで販売してる物販をお求めください、と言ってたので、行ってみたら、物販は既にほとんど売り切れでした。なんだよー、と思ってトイレに行けば大混雑。いいや、終演まで持つでしょうと何もせず席に戻りました。
まもなく開演します、のアナウンス、そして暗転。まずビルが定位置につき、少ししてオサリバン再登場。拍手。
【二部】
12 「I don't love you but I think I like you」
いきなりアップテンポで盛り上げる。1975年のシングル曲。聴けて嬉しいコレ好き。さすが70年代のナンバーは客席の温度がぜんぜん違う。シンプルな歌詞とメロディなのにとにかくキャッチーで楽しい。一緒につい歌っちゃいます。
13 「Why, oh why, oh why」
しっとりと、聴き入ってしまいました。これはシングルカットされてましたっけ。ああ、オサリバンのコンサートに来てるんだと実感する、オサリバンの魅力満載の美曲。
14 「Happiness is me and you」
歌い出しを聴くだけでトロけてしまいそう。まるでスティングの「シェイプ・オブ・マイ・ハート」かと紛うほどスパニッシュなビルのギターをバックに歌う、これもセルフカバーアルバム『Songbook』のアレンジですが、個人的にはピアノで聴きたかった。近年で僕が一番気に入ってるオサリバン曲。
15 「Ooh Baby」
まさか!この歌を演ってくれたのがこの日一番驚いた。オサリバンのベストアルバムには必ず入るシングル曲ですが、ライブで歌ってるのを聴いたことない。『I'm a Writer, Not a Fighter』(1973)からのナンバー。以前にインタビューで《ブラックミュージックのチャートに白人のナンバーがランクインするのは当時は珍しかった》とオサリバンの言。《ウーベイビー》の繰り返しフレーズが多すぎだね、とインタビューに応えてたのを読んでたから、あまり気に入ってないののかしら、と思ってたら、なんとこの日はリフレインの歌詞を所々別のフレーズに変えて歌ってました。今だったらこう歌う、この方がいいだろ?と言わんばかりに。こういう試みをした曲こそセルフカバーアルバムに入れて欲しかったですね。
16 「No Matter How I Try」
来生たかおがオサリバンに惚れ込むきっかけになった曲としても有名。アルバム『Songbook』収録曲ですから、演ってくれて当然とも思うし、客席の来生たかおに向けて歌ったのだろうな、とも想像してしまう。この弾むリズムも正にオサリバン節。これも『Songbook』のアレンジで。
17 「Who Was It?」
18 Out of question
人気アルバム『Back To Front』(1972)より二連発。客席の空気がもう、この辺の曲だと《待ってました!》って声が聞こえてきそうな感じ。
《コマーシャルや映画で僕の歌を使ってもらえて、知ってもらえるのはありがたいことだ》
と、おそらくそんな感じのことを言って、歌い出したのが
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19 「Tomorrow Today」
日本ではドラマ「あの頃の僕を探して」の主題歌に起用されたことでも有名です。ドラマは全く観てなかったけど、オサリバンの曲を使うなんてやるな、と思ってました。アルバム『Southpaw』(1977)収録曲。オサリバン、シレッと歌ってたけど、歌詞の前後の順番を大胆に間違えて、歌い終えてビルに笑われてました。でも、当然ながら僕も大好きな歌です。
20 「What's in a kiss」
ここからは怒涛の終盤。邦題「そよ風にキッス」。ファンの人気が高い一曲で、アルバム『Off Centr』(1981)収録曲。アレンジはこれも『Songbook』バージョン。
21 「Alone Again (Naturally)」
イントロから沸き起こる拍手。1972年のシングルで全米1位獲得したオサリバンの代表曲。これを聴くために来た、ってファンも多いでしょうね。間奏のビルのギターはCDで聴くよりパワフルに聴こえました。
大きな拍手の中、二人は立ち上がり並んで一礼。引っ込むのかと思いきやすぐ座って、演奏が始まりました。
22 「Matrimony」
軽快なリズムに合わせ、今日一の大きな手拍子。アルバム『Himself』(1970)の収録曲で、海外でのオサリバン人気の火付けとなった多幸感溢れるナンバーです。
23 「Get Down」
「Matrimony」の勢いそのまま、間髪入れず「Get Down」投入。オサリバンコンサート終盤での必勝パターン。もう昔のようにピアノの上に乗ったりしないけど、大盛り上がりでした。
ひょっとしてアンコールあるかも、と手拍子が起こりましたが、すぐに、〜以上で本日の公演は全て終了しました〜のアナウンス。終わっちゃった。
写真はオサリバンのフェイスブックより拝借。僕も写ってます。
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口笛と拍手と歓声の中、スタンディングオベーション。深々とお辞儀する二人。
この赤シャツ黒マスクが僕です↓

一部と二部で45分ずつ、計1時間半、全23曲。楽しいコンサートでした。
途中にオサリバンとビルで曲のキーが合わず、笑って最初からやり直したり、次の曲はコレで良かった?とステージ上で唐突に打ち合わせをしたり、微笑ましいシーンがありました。
あと、英語はよくわかんないけど、曲紹介でやたらとインタレスティングと言ってた。《興味深い》って意味だけど、あまりにも《ネクストソングはインタレスティングで〜》と言うもので、おそらくは、次の曲の注目ポイントは〜って意味かと思いました。違うのかな。

ホール内はこんな感じ。天井の高い、キレイなホールでした。
広い舞台の上は、

余計なもの何もない、シンプル極まるセットでした。
【一部】
01 The same the whole world over
02 Let bygones be bygones
03 Nothing Rhymed
04 No head for figures but yours
05 Miss my love today
06 Dear Dream
07 No Way
08 Ooh-Wakka-Doo-Wakka-Day
09 A kiss is a kiss
10 Take Love
11 Clair
【二部】
12 I don't love you but I think I like you
13 Why, oh why, oh why
14 Happiness is me and you
15 Ooh Baby
16 No Matter How I Try
17 Who Was It
18 Out of question
19 Tomorrow Today
20 What's in a kiss
21 Alone Again (Naturally)
22 Matrimony
23 Get Down

会場近くのラーメン屋さんで、打ち上げの早めの夕飯。

↑オサリバンのフェイスブックより拝借。来生たかお夫妻とオサリバン夫妻。
オサリバンて、長いツアーには家族を連れて行くのですね。フェイスブックには娘さんとの写真も載せてます。ツアーの旅先で羽目を外すミュージシャンって話に聞くけど、オサリバンは絶対なさそう。家族を置いて一人だけで家を空けるって考えがないのでしょうね。
家族思いで仲が良いイメージに加えて、ここは家族みんながギルバート・オサリバンというミュージシャンをサポートするクルーの一員、という意識がある気がします。
来生たかおを日本のオサリバン、と呼ぶ人もいますが、僕は別だと思います。確かにオサリバンっぽい曲もあるけど、オサリバンの音楽を身体にくぐらせて濾過したら、来生たかおという才能が花開いた、という印象。僕は来生たかおのメロディと声のファンで、どちらもそれぞれ魅力があって好きです。
マシス



































































































