【教育】教員養成におけるアドラー心理学に基づくアクティブ・ラーニング導入の試み | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

アドラー心理学的な世界観のコラムやエッセイを書いています

教員養成におけるアドラー心理学に基づくアクティブ・ラーニング導入の試み

 

 

アドラー心理学を生かして、

効果的な教育を行うための指針を

 

琉球大学の日熊准教授と共著で、論文で発表しましたので、

その内容を簡単にここに説明します。

 

 

アドラー心理学は、教育や育児に、

とても効果があることが分かっています。

 

 

それは、

 

アドラー自身も、一般のカウンセリングだけでなく、

教育への普及に力を入れていたからです。

 

 

アドラー心理学は、

 

子どもが自立することや

協力的な姿勢を育てること

 

を大事にしていて、

 

教育や育児の目指す方向と一致しています。

 

 

 

そのような背景を踏まえて、

 

私たち (松岡と日熊准教授) は、

 

この論文で、

 

 

子どもに教えるときの姿勢として、

 

 

① 安全な場の創作

② すべてを受け取る

 

 

の2つが重要であることを提案しました。

 

 

 

◆ 「安全な場の創作」 について

 

もし、生徒が授業中に、間違った答えを言って、

笑われたりしたとしたら、

 

勇気をくじかれて、もう二度と

手を挙げて発表しなくなるかもしれません。

 

 

ですから、教師や親は、

 

子どもが間違った答えでも

堂々と言えるような安全な空間

 

を創作する必要があるのです。

 

 

 

◆ 「すべてを受け取る」 について

 

これは 「安全な場の創作」 とも関係しますが、

子どもがどんなことを発言したとしても、

 

教師や親は、いったん受け取って、

肯定的な対応ができる必要があるということです。

 

それにより、

 

承認に満たされた場づくり

 

が可能となります。

 

 

 

この2つは、意識しないと出来ないため、

教師は普段から意識して、

 

自己トレーニングとして課すことが望ましいと

私たちは考えています。

 

 

これらの考えは、アドラー心理学や

シナジースペースの鈴木博氏のシナジー理論

 

から影響を受けています。

 

 

 

 

 

 

また、この論文では、

 

大学の少人数クラスで実践した

 

グループワークをもとにした

アクティブ・ラーニングについて報告しています。

 

 

特徴としては、

 

ペアワークを積極的に取り入れ、

 

学生同士がアドバイスし合うときには、

肯定的な側面を見るように努める

 

というものです。

 

 

また、少人数を生かして、

 

学生全員で座って輪を作り、

1人1人意見を述べていく

 

という実践もしました。

 

それにより、

 

学生同士の信頼関係が育まれる

 

という効果が期待されます。

 

教師を目指す学生が、

アンケートに次のように書いてくれました。

 

 

「みんなと話したり,意見をもらったりして、

 たくさんの気づき・発見があったので良かったです。

 教師生活で生かしていけたらいいなと思いました」

 

 

 

詳しくは、論文をご覧ください。

 

【教育論文】

 

教員養成におけるアドラー心理学に基づくアクティブ・ラーニング導入の試み

     (琉球大学、日熊准教授との共著)

 

 

 

 

 

 

■ 著者プロフィール

 

松岡学

 

高知工科大学 准教授、数学者

専門は代数学 (環論、例外型Lie群、代数的符号理論、など)

 

近年は数学教育に力を入れており、

アドラー心理学にもとづく教育について実践的な研究を行っている。

特に、臨床数学教育の実現を目指している。

 

 

日熊隆則

 

琉球大学教育学部 准教授、数学者

専門は解析学(超準解析学、関数解析学、ゲーム理論、など)

 

近年は教育分野において積極的に活動しており、

子供用プログラム言語ドリルの実践的研究を行っている。

また、主体性を重視した教育を目指して沖縄で活動している。

 

 

 

■ 関連記事

 

 

パセージやスマイルを教育に実践するには?

 

数学による癒しの試み  ~ 数学者からの算数・数学教育 ~

 

 

【教育に関するコラム集】

 

主体性を育む数学の教育 ~ 心理学にもとづいて ~

 
 

【アドラー心理学全般のコラム集】

 

アドラー心理学のコラムやエッセイの一覧 ~ 幸せな光に包まれて ~

 

 

 

■ アドラー心理学的な教育の本

 

子どもの数学力を育てる接し方を、

アドラー心理学にもとづいて書かれています。

 

お母さん、お父さんだけでなく、

教育に関わる人全般に参考となる内容となっています。

 

 

いつのまにか子どもが算数を好きになる本

(アドラー心理学でわかる!)