大学2年生になって、数学科の専門科目の授業も増えてきました。
ようやく数学科らしくなり、広く数学を吸収する日々に入りました。
私は数学の分野の中でも、トポロジーに興味を持っていました。
高校時代、微分積分や行列をたっぷり学び、
その凄さを実感していた私でしたが、
何かの本で、柔らかさをもとにした
トポロジーという分野があると読んだことがあり、
いつか学んでみたいなぁ、
と心の奥底で感じていたのです。
そんな思いもあり、
本屋さんに行って、
瀬山士郎先生の 「トポロジー ~ループと折れ線の幾何学~」
を買ってきました。
トポロジーの内容が、分かりやすく書かれている本です。
トポロジーの考え方を理解したいと思い、
何気なく買ってきた本なのですが、
本の中はトポロジーの魅力に満ちあふれていて、
読めば読むほど、私は引き込まれていきました。
著者の瀬山士郎先生の
「トポロジーの魅力を伝えたい」
という気持ちが伝わってきて、私の胸に響きました。
私は夢中で読みました。
この本は、伸び縮みができるゴムのようなもの(ループ)を使い、
図形の形を調べるというトポロジーの手法(基本群)
について書かれていました。
イメージとしては、
ゴム、伸び縮み、ぐにゃぐにゃ、・・・
でした。
それまで、ガッチリした数学に慣れ親しんできた私は、
「柔らかい」
と感じ、
数学だけど柔らかい、不思議な幾何学にますます興味を抱きました。
そして、何ヵ月かかけて読み終えた後は、
私の胸は、トポロジーの魅力でいっぱいになりました。
久しぶりに素晴らしい数学書に出会い、
清々しい気持ちでした。
その後、同じく、
瀬山士郎先生の「トポロジー ~柔らかい幾何学~」を読み進めました。
こちらは、ホモロジーという手法について書かれた本です。
基本群とホモロジー(コホモロジー)は、
トポロジーにおける代表的な2つの手法です。
こちらも何ヵ月かかけて、夢中で読みました。
この2冊を読んで、
瀬山士郎さんは本当にトポロジーが好きなんだなぁ
と感じました。
どちらの本もトポロジーの考え方を学びたい
と思って購入したのですが、
読んでみると、
トポロジーの魅力にあふれた素晴らしい内容で、
私はトポロジーに深い興味を抱くようになりました。
これが私とトポロジーの出会いだったように思います。
◆ 数学エッセイ
◆ 私の本 『数の世界』 について。
自然数から実数、複素数、四元数、八元数への
「数」 の広がりについて紹介しています。
数の世界 自然数から実数、複素数、そして四元数へ (ブルーバックス)
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