まそほ繁盛記
「なあ、チェリーはん、昨日お化粧したら、華やかでしたなあ」
女将Bは、Gが来るなり言った。
チェリーさんは開店当初からの常連さんで、やさしい雰囲気の大人の女性だ。
普段、あまり化粧をしないのだが、前日、女将達は
チェリーさんに薄く化粧をほどこしてみた。
Gも大きく頷いた。
「やっぱり若いて、よろしおますなあ。少ししただけやのに、パアッとお花みたいに華やかになりますなあ。それに引き換え、うちらぐらいになるとなあ…」
「左官ですわ。工事やおもたらええんですわ。基礎から始まって、顔面に足場組みたいぐらいですわ。」
「ほんまやなあ!左官仕事終わっても、油断してたら、クラック入りますもんなあ。」
「あのな、Gはん、そしたらパテ埋めしたらよろしいですやんか!」
「わははは!そらそうですなあ!わはは」
「うははは」
二人共、大笑いしているが笑い事ではなかった。
つづぐ
女将Bは、Gが来るなり言った。
チェリーさんは開店当初からの常連さんで、やさしい雰囲気の大人の女性だ。
普段、あまり化粧をしないのだが、前日、女将達は
チェリーさんに薄く化粧をほどこしてみた。
Gも大きく頷いた。
「やっぱり若いて、よろしおますなあ。少ししただけやのに、パアッとお花みたいに華やかになりますなあ。それに引き換え、うちらぐらいになるとなあ…」
「左官ですわ。工事やおもたらええんですわ。基礎から始まって、顔面に足場組みたいぐらいですわ。」
「ほんまやなあ!左官仕事終わっても、油断してたら、クラック入りますもんなあ。」
「あのな、Gはん、そしたらパテ埋めしたらよろしいですやんか!」
「わははは!そらそうですなあ!わはは」
「うははは」
二人共、大笑いしているが笑い事ではなかった。
つづぐ
おやどりにく
私は、親鶏肉が好き!好き!好き!
美味しいんだもの。
固いんだけどね。シコシコ歯ごたえがあって、味もこいし。
今日は、筍とこんにゃくとで、じっくり煮てみましょう。
こんにゃくは、味が染み込むように、スプーンなんかで、ちぎってね。
美味しい、親鶏。なのに、スーパーでは、売ってないのよね。
やっぱり柔らかい若鶏を人は好むらしい。 けっ
ちょっと年とった方が美味しいのにね。
けっけっこけーっ
美味しいんだもの。
固いんだけどね。シコシコ歯ごたえがあって、味もこいし。
今日は、筍とこんにゃくとで、じっくり煮てみましょう。
こんにゃくは、味が染み込むように、スプーンなんかで、ちぎってね。
美味しい、親鶏。なのに、スーパーでは、売ってないのよね。
やっぱり柔らかい若鶏を人は好むらしい。 けっ
ちょっと年とった方が美味しいのにね。
けっけっこけーっ
まそほ繁盛記
女将Bは焦っていた。
Gは、家が遠いので30分ほど遅く店に出るのだが、その30分の間に、女性客が訪れ、食べ物を注文されたのだった。
「ええと…卵焼いて…御飯用意して…ああっ、きゅうりも切らんとっ…あつうっ何や、このフライパン!うちにさからいますのんか!あつ、あつ」
「おはようさん」
Gがコソッと登場した。
「あ、よかったですわあ~今、作ってましたんや~」「まだ、12時前やのに、めずらしですなあ。」
「ほんまですなあ。これも看板効果ですやろか。もっと忙しなったら、どないしまひょ。」
「そのときは 、そのときだす。何とかなりますやろ、それに、まだまだ先のことでっせ。」
「女性のお客さん、一人で来てくれるんは嬉しいですなあ。さ、飲もかいな。」「えええ~、…」
つんつんくん
Gは、家が遠いので30分ほど遅く店に出るのだが、その30分の間に、女性客が訪れ、食べ物を注文されたのだった。
「ええと…卵焼いて…御飯用意して…ああっ、きゅうりも切らんとっ…あつうっ何や、このフライパン!うちにさからいますのんか!あつ、あつ」
「おはようさん」
Gがコソッと登場した。
「あ、よかったですわあ~今、作ってましたんや~」「まだ、12時前やのに、めずらしですなあ。」
「ほんまですなあ。これも看板効果ですやろか。もっと忙しなったら、どないしまひょ。」
「そのときは 、そのときだす。何とかなりますやろ、それに、まだまだ先のことでっせ。」
「女性のお客さん、一人で来てくれるんは嬉しいですなあ。さ、飲もかいな。」「えええ~、…」
つんつんくん
雨でございますう
本日は雨でございますう。何だか、ズウーンと沈むわ。気圧が低いと眠くなるしね。
足が濡れて気持ちわるいったら。
それに、傘のヤツは自力で立てへんから、電車の中で腕に引っ掛けとかなあかんし。
ドア側の端やったら、手摺りみたいなとこに引っ掛けておけるけど、あそこは金属やから、ツルツルしてて、すべるし。
油断してたら「あ~わし、もうあきまへん。」ってな感じでズルーと横になるし。ああ、不愉快ですこと。私は、傘が嫌いなのか?
はい。嫌いです。
少しの雨なら傘をささないね。
これが10万円の傘ならどうだろうか?
買わないけど、プレゼントされたら。
気分的には、大迷惑!
売っぱらうにも売れないだろうしなあ。
くれた人の気持ちをかんがえるとねえ。……
くれないか。
今ねえ、「ちょっと野蛮なザリガニ」というセリフをひだり耳がキャッチ。
なんだ?誰だ?
あ、着いた!
足が濡れて気持ちわるいったら。
それに、傘のヤツは自力で立てへんから、電車の中で腕に引っ掛けとかなあかんし。
ドア側の端やったら、手摺りみたいなとこに引っ掛けておけるけど、あそこは金属やから、ツルツルしてて、すべるし。
油断してたら「あ~わし、もうあきまへん。」ってな感じでズルーと横になるし。ああ、不愉快ですこと。私は、傘が嫌いなのか?
はい。嫌いです。
少しの雨なら傘をささないね。
これが10万円の傘ならどうだろうか?
買わないけど、プレゼントされたら。
気分的には、大迷惑!
売っぱらうにも売れないだろうしなあ。
くれた人の気持ちをかんがえるとねえ。……
くれないか。
今ねえ、「ちょっと野蛮なザリガニ」というセリフをひだり耳がキャッチ。
なんだ?誰だ?
あ、着いた!
まそほ繁盛記
「なあ、Gはん、こないだ作ったバビグリンなあ、みんな美味しい言うてくれて良かったですなあ。あれ、うちの定番にしまひょ。」バビグリンとは、南の島の料理を二人がアレンジして作った、非常に美味しい豚肉御飯の事で、御飯の上に柔らかく煮込まれ、ほぐされた豚肉と、カリッと揚げられた玉葱、小口に切った葱がたれと共にかけられている。二人は、初めて南の島で食べた時、その美味しさに感激したのだった。
「そうですなあ。美味しいもんは、みんなに食べてもらいたいですなあ。それはそうと、夏どないしまひょ?」
「まだ、旅行はいけまへんやろ。」
「Bはん、何のんきな事いうてますのや!厨房ですわ!灼熱地獄でっせ!」
「ああ~そうでしたわ。
今でも、暑いのになあ~
扇風機、下におけまへんしいっそ、ランニングシャツいっちょで…」
「今、二人のババアのランニング姿が目にうかびましたわ。なんや、すずしなってきましたわ。」
つづきゅ
「そうですなあ。美味しいもんは、みんなに食べてもらいたいですなあ。それはそうと、夏どないしまひょ?」
「まだ、旅行はいけまへんやろ。」
「Bはん、何のんきな事いうてますのや!厨房ですわ!灼熱地獄でっせ!」
「ああ~そうでしたわ。
今でも、暑いのになあ~
扇風機、下におけまへんしいっそ、ランニングシャツいっちょで…」
「今、二人のババアのランニング姿が目にうかびましたわ。なんや、すずしなってきましたわ。」
つづきゅ
謎の絵
注意深く見ると、まわり には結構謎の絵があります。自宅から阪急電車に乗って梅田まで行くのですが、車窓から見つけた謎の絵があります。
初めて見たときは、その、あまりの完成度の低さに驚きましたが、何だか気になり、目が離せませんでした。
電車が通り過ぎる一瞬だけしか、みることが出来ませんが、私は、幾度となく見続け、場所は勿論、絵の構図まで、すっかり覚えてしまいました。
その絵は、猿のカップルの絵で、それはそれはシュールな雰囲気を醸し出していました。
猿男は葉巻をくわえて、猿女は頭リボン…ああ、うまく伝えられないのがもどかしいです。
パグ犬が、魚を抱っこしている、という絵も忘れられません。
ある店の、暖簾に描かれていたと思いますが、一度その店に入ってみたいのです。
初めて見たときは、その、あまりの完成度の低さに驚きましたが、何だか気になり、目が離せませんでした。
電車が通り過ぎる一瞬だけしか、みることが出来ませんが、私は、幾度となく見続け、場所は勿論、絵の構図まで、すっかり覚えてしまいました。
その絵は、猿のカップルの絵で、それはそれはシュールな雰囲気を醸し出していました。
猿男は葉巻をくわえて、猿女は頭リボン…ああ、うまく伝えられないのがもどかしいです。
パグ犬が、魚を抱っこしている、という絵も忘れられません。
ある店の、暖簾に描かれていたと思いますが、一度その店に入ってみたいのです。
まそほ繁盛記
女将達は身体にガタがきていた。
「アタタタ~痛い~痛いですわ」
Gはまるでロボットのようにぎくしゃくと動いていた。
「Gはん、ASIMOの方がまだ人間らしい動きしまっせ。デッサン人形かて首回りますやん。」
「そういうあんさんこそ、おかしな動きしてまっせ。なんや、ソロソロと。謡曲でも舞ってはるんでっか?」
「なんとでも、言うときなはれ。腰がい とうて、頭も口もまわりまへんわ。あんさんは、それに加えて首も回りまへんもんなあ。うちの勝ちだす~」
「うちは腰はまわりまっせ!フラダンス踊れるぐらいや。カイマナヒーラ~…」「今、グキ、いいましたで、何の音やろ」
はあ~…いたたたた
つづくし
「アタタタ~痛い~痛いですわ」
Gはまるでロボットのようにぎくしゃくと動いていた。
「Gはん、ASIMOの方がまだ人間らしい動きしまっせ。デッサン人形かて首回りますやん。」
「そういうあんさんこそ、おかしな動きしてまっせ。なんや、ソロソロと。謡曲でも舞ってはるんでっか?」
「なんとでも、言うときなはれ。腰がい とうて、頭も口もまわりまへんわ。あんさんは、それに加えて首も回りまへんもんなあ。うちの勝ちだす~」
「うちは腰はまわりまっせ!フラダンス踊れるぐらいや。カイマナヒーラ~…」「今、グキ、いいましたで、何の音やろ」
はあ~…いたたたた
つづくし
貯金箱
私は、貯金箱に心惹かれております。
今まで幾度となく、貯金箱をイッパイにしようとしましたが、ただの一度も成功したためしがありません。私の性格に問題があるのか、はたまた経済状態に問題があるのか、とにかくいつも途中で挫折するのです。出口のない貯金箱にしてみました。…こわしました。ああ、一度でいいから、ぎっしり詰めてみたい。
イッパイになった貯金箱を開けてほくほく顔がしたい。
その思いはつのり、まるで振り向いてもらえない人に片思いをしてるみたいなのです。
私、きめた、作る、貯金箱絶対、貯める、開ける、笑う、行く、旅行!
今まで幾度となく、貯金箱をイッパイにしようとしましたが、ただの一度も成功したためしがありません。私の性格に問題があるのか、はたまた経済状態に問題があるのか、とにかくいつも途中で挫折するのです。出口のない貯金箱にしてみました。…こわしました。ああ、一度でいいから、ぎっしり詰めてみたい。
イッパイになった貯金箱を開けてほくほく顔がしたい。
その思いはつのり、まるで振り向いてもらえない人に片思いをしてるみたいなのです。
私、きめた、作る、貯金箱絶対、貯める、開ける、笑う、行く、旅行!
まそほ繁盛記
「あああ~重っ!」女将Bは、店に着くなり、どさりと荷物を置いた。
「おはようさん。あんさんまた、何持ってきましてん?」
「何て、ジャガ芋だすがな。それとな、大根に味醂ですわ。ほんまはな、これに筍も加わる予定でしたんや。けど、いくらウチでも、それはちょっとなあ…もっと力が欲しいわ。」
「重いもんばっかりですなあ。筍なんか、もう見ただけで重そうやもんなあ。」「竹は軽おますのになあ…」
「レベルの低い事いいなはんな!筍はな、竹の凝縮やから重いんや!あと、水分がたっぷり含まれてるさかいなあ。」
「Gはん!その答え、前半は適当にいいましたやろ?適当に言うてる間に正しい答え導きだしましたな。」「あたりまえだす。時間かせぎしながら、真実を見つけるのが極意ですわ。」
「筍ひとつで極意をかたられましたなあ」
つづくう
「おはようさん。あんさんまた、何持ってきましてん?」
「何て、ジャガ芋だすがな。それとな、大根に味醂ですわ。ほんまはな、これに筍も加わる予定でしたんや。けど、いくらウチでも、それはちょっとなあ…もっと力が欲しいわ。」
「重いもんばっかりですなあ。筍なんか、もう見ただけで重そうやもんなあ。」「竹は軽おますのになあ…」
「レベルの低い事いいなはんな!筍はな、竹の凝縮やから重いんや!あと、水分がたっぷり含まれてるさかいなあ。」
「Gはん!その答え、前半は適当にいいましたやろ?適当に言うてる間に正しい答え導きだしましたな。」「あたりまえだす。時間かせぎしながら、真実を見つけるのが極意ですわ。」
「筍ひとつで極意をかたられましたなあ」
つづくう
