梅田ではじめたギャラリーカフェ まそほのつぶやき -20ページ目

まそほ繁盛記

ここのところ、空模様は、曇天が続き、時おり降る、シトシトとした雨が、女将達の気を重くしていた。
「あかん!あきまへんわ!今週は、とくに暇ですなあ。どないなってますのやろ…。」
「こないに暇やと、気持ちが荒んできますわ。けっ」「ほんまですな。うちなんか、ヤサグレてますわ。」「まだまだ、人間としての修業が足りまへんなあ、うちらも。」
「しゅ~ぎょ~う~?なんだすぅ?それは。いやな言葉ですわ。これ以上、うちにどんな修業させたら気がすみますのやっ!ああ、わかりましたわ!うちを試そとしてますのやな!気がすむまで、やったらええのや!うちは、こわないでっ!ばちでもなんでも、あてたらよろしいんやっ!」
「……誰に?何に?どこに向かって言うてますのや?それで、きがすみましたか?」
「へえ!すっとしましたわ!又、メニューの見直しやらせんとあきまへんなあ!この、サンドイッチ、美味しいでっせ。」
「カンタンアタマですな。頭ん中のネジ、ネジ山ありまへんやろ?」
つづうく

まそほ繁盛記

「なんや、お隣りがおれへんと、淋しいですなあ。」「ほんまですわ。今月末には、新しいお店、開店しはるから、それまでの辛抱ですわ。屋号も、イタリア語で、えらいカッコええ名前でしたな。」
「楽しみですわ!Bはん、それは、何作ってはるんでっか?前言うてはった蛛ですか?」
「そうだす。蛛、いうたらちょっと前に、有名になった毒蛛…なんでしたかいな?えーと…あっ!みだらごけぐもでしたかいな。」
「なんちゅう恐ろしい名前思いつきますのや!
セアカごけぐもですやろっ!それが、どないかしましたか?」
「どうせなら、毒蛛、作ろかと思いましてな…。」
「あんさんの作る蛛やったら、みだらごけぐもでも何でも、好きに名前つけたらよろしわ。ところで、あんさんが家で作ってはる、風邪の咳をビニール袋にためたやつ、どないしました?」
「あの、風邪爆弾、使いみちがおまへんのや。ためたものの…。いりますか?いやがらせに誰かに送りつけなはれ!いひひひ」
「あんさん、今ショッカーみたいな顔になってますがな。」
つぇつぇく

まそほ繁盛記

「ああ~、外は、気持ちええですやろなあ。」
Bは、インゲンの筋を取る手を止めて、大きく伸びをした。
「もう、すっかり秋ですもんなあ。美味しいもんが仰山でてますで。」
「栗ご飯食べたいですなあ。」
「うち、少し新米持って来ましたんや。ぴかぴかの新米で、栗ご飯炊きまひょ。」
「よろしなあ!楽しみですわ!口の中に秋の風が…」「頭ん中にも、秋風ですやろ?」
「そらもう…枯れ葉が、かさこそ…いうてまへんわっ!」
「柿も食べたいですわ!
なっ!うちらの好きな!
なあ!」
「ぶちゅぶちゅに熟したやつですやろ?美味しいですなあ!皮によって、かろうじて形が保たれてるほどの熟し柿がええですなあ!
特に、種の周りの半透明のとこありますやろ?ナタデココみたいな食感の…!
あそこが、ええですなあ。」
「また、柿で、えろう熱弁ふるいますなあ。ぶつけるのは、青柿と熟柿やったらどっちがええですやろ?」「心理的ダメージは、熟柿。肉体的ダメージは、青柿ですやろなあ。うち、青柿ぶつけたい奴、おりまっせ!」
「そんなんしたら、仕返しされまっせ、牛の糞に!」「臼は?蜂は?栗は?」
つるる

かぜ

やっと、やっと、風邪が治りそうで、嬉しいです。
先週、ずうっとしんどかったので…。
お酒も、飲まなかったし。体内工場では、どのような事が行われていたか、二人で、想像してみました。
肝臓工場にて…
「工場長!解毒に時間がかかりそうです。」
「みんな、今日から、機械フル稼動でいくぞ。まだ、アルコール、入ってねえから、何とかなるだろう!」「工場長!大変です!濃度40のアルコールが、入りました!うちに、流されたら、処理できません!」
「誰か、胃に連絡して、吐くように、伝えろ!まったく、コイツ、何考えてやがる!」
なんて 事が、起こるんでしょうな。酒なぞ飲んだらさ。
梅こぶ茶でも飲もう。

まそほ繁盛記

「なあなあ、Bはん。」
「へえ、なんだす?」
「もうすぐ、あんさんの誕生日ですなあ。11日でしたかいな?」
「あっ、ほんに!そうでしたわ!パアッとやりまひょ!」
「自分で言いなはんなっ!けど、パアッとやりまひょな。何が食べたいでっか?」
「丸焼き、丸焼き。うち、丸焼きが食べたい。丸焼きやないと…」
「やかましわっ!わかりましたさかい、だまんなはれ。で、なんの丸焼きですか?」
「大きい海老か、ニワトリか、しかおまへんやろ。」「ニワトリて…鶏肉て言いなはれ。コケーッて鳴きそうやおまへんか。大きい海老て、伊勢生まれの、鎧を身にまとた、あの素敵な奴の事でっか?たこうて、手がでまへんわ。」
「ロブでもよろしわ。外国生まれの、小粋なやつ。」「アメリカ生まれのザリにしときなはれ。ワイルドガイの。」
「そんなん、食べんの厭ですわ!あっ…うち、アイロン、消してきたかいな。
今ごろ、家が丸焼けに…
どないしまひょ…!」
「もう、かえんなはれ!」つんざく

まそほ繁盛記

「もしもし、うちですけど…すんまへん、少し遅れますわ。」
Gは、Bからの電話で、起こされた。
「どないしはったんでっか?へえ…へえ…そら又、えらい風邪ひきはったんやなあ。店、開けとくさかい、ゆっくりきはったらええですわ…。」
その日、Bが来たのは、1時近くだった。
「おっはようさんだすぅ~鰻、こうてきましたでっ!四万十川の天然鰻でっせ。こないにしんどかったら、鰻でも食べんと。」
「あんさん、熱に浮かされて、又無駄使いを…。
よっしゃ!うちは、松坂牛のサーロインのローストビーフが食べたいさかい、こうてくれますか?」
「あきまへんでっ!何をどさくさまぎれに…」
「ちっ!ばれましたか。
けど、大丈夫でっか?
なんや目ぇがイッてますでぇ。アッパーな感じでっせ!」
「なんや今、ええ感じに、テンションが上がってますのや!今のうちに、あんさんに遺言でも…うちが死んだら、腸あげますさかい、付け代えはったらよろしいわ!」
「腸はいりまへん!その、強い心臓と、速い逃げ足をおくんなはれっ!」
「何個でも、持っていきなはれぇ~」
Bの体温は、ぐんぐん上昇していた。
つつきき

秋ですので

秋ですなあ、まだ暑い日があるけど…と、油断してたら風邪をひいてしもうた。毛布、二枚とタオルケット掛けてたのに!
ああ、しんどい事このうえなし。
鼻が、乾いて調子がでないよ。
とにかく、横になりたいですわ。
でも、今日は、チーズケーキを作ります。
看板用の板にも、色を塗ります、べんがらと柿渋で。次の二人の作品の構想を練ります。
がんばりまっせぇ…!
あ、鼻水が…

まそほ繁盛記

空は、深い青みを増し、風は涼やかだったが、ちっとも、涼やかでない者が店内には居た。
「どないしはったんですか、Bはん。
そないにドヨーンとして…周りの空気、澱んでまっせ…ははあん、二日酔いですなっ!
それで、又なんか、しでかしたんでっか?」
「しでかしてまへん、しでかしてまへんけど、自己嫌悪ですわ。金も無いのにタクシーで帰ってしもたんですわ。それにな、お隣りで、飲んだんやけど、すでに出来上がってたもんやから、へべへべになってるとこ、しっかり見られましたんやあ!」
「ははは、自業自得ですやろ!」
「あかん!うち、かっこ悪い!こうなったら、お隣りが出はるまで、一週間、顔あわさんようにしますわ。」
「なんや、こそこそしてますなあ!あんさん、そんな事ばっかり言うてはりますやんか。」
「たいした事無いんやけど、みっともない感じですやろ? 右近様のお力も借りんとあきまへんし。」
「右近様?高山右近でっか?」
「なんで、キリシタン大名が出てきますのやっ!」
「ややこしい事、言うてんと、はよドリンク剤飲みなはれっ!あっ!ウコンの力でっか?……しょうもなさ炸裂ですな!」
つづけ

まそほ繁盛記

「Gはん、ほらこれ。」
「なんだす?ああ、ジャコえびですか?買うてきはったんでっか?」
「かき揚げを揚げてくれろと泣く子かな」
「そんな、俳句にせんでも普通に、お願いしなはれ。かき揚げ、食べたいんですか?」
「ほら、三ツ葉がありましたやろ。銀杏とか入れて、カラッと揚げたら、おいしいやろと思いまして。」
「三ツ葉は、ええですなあ。香もよろしいし…
なんでも出来ますわなあ、親子丼とか…なあ。」
「また、思いだしはったんですか?百年も前に、うちが玉子借りた事。」
「あたりまえやっ!
家に、三ツ葉しかないにもかかわらず、親子丼を作ろかっちゅう発想が信じられまへんわ。あの時、確か、玉子と鶏肉、貸したげましたなっ!親子丼の『親子』の部分ですがな。
まだ、返してもろてまへんなあ。」
「セコいこと言いなはんなっ!今度あんさんが、なんか作る時、貸したげますさかいに。コロッケのパン粉とか。」
「そうでっか!ほな、家に糸こんにゃくありますから、すき焼きにしますわ。
肉かしとくなはれっ!」
つつつに

詰めたり取れなくなったり

今までね、いろんな物をいろんなとこに、入れたり、詰めたりしたよ。
耳にヘアピンをいれちまったのは、二つの時。
喉に餅を詰まらせたのは、二回。
一回目は、やっぱり二つの時で、この時は父が足を持って逆さにしたら出てきたそうな。
二回目は、結構な大人になってからで、草餅を一口で食べたらね、もう大変な事になって、死ぬかと思った。「うぅっ…窒息する…餅で…」と本気で思った。
空き瓶も魅惑のアイテムよね。
舌を入れて、取れなくなったのは、小学校の時。
指を入れるなんてのは、数知れず!
耳に胡麻が入ったら、さぞかし大変な事に…
想像するだけで恐ろしい。トンガリコーンに指がいいや。