2021.4.16 一日一季語 満天星の花(どうだんのはな) 【春―植物―晩春】
天に星地に満天星の花咲けり 折井紀衣
「道教の神である太上老君がお住いになられた仙宮で薬を練られていた時のこと、傍らに置いていた玉盤に入れた霊水を誤ってこぼされてしまいました。
この水が、飛び散った先にあったドウダンツツジに降りかかり、水が枝に集まって壺状の珠になり、満天の星のように輝いて見えた」
という中国の伝説から、ドウダンツツジが満天星と言われるようになったのだという。
こうした故事をふまえた上五の措辞。満天星の字との取り合わせがきいているように思います。
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*2021.4.8 羽村市近辺にて
【傍題季語】
満天星躑躅(どうだんつつじ)、燈台躑躅(どうだんつつじ)
【季語の説明】
落葉広葉樹。低木で、大きくても3m程。本州、四国、九州の温暖な岩山に生えるが、自生地は少ない。庭木や植え込みとしてはごく普通に植えられています。寒冷地でも耐えるが、関東以西の温暖な地に多く植えられているそうです。花期は、葉が出てから約1週間とわりと早いようです。
【例句】
雲ひくし満天星に雨よ細く降れ 水原秋櫻子
満天星に隠りし母をいつ見むや 石田 波郷
触れてみしどうだんの花かたきかな 星野 立子
我に聞えて満天星の花の鈴 大井戸 辿
更沙満天星悪相をもて記憶せり 小檜山繁子
【満天星躑躅の名前の由来等】
花の作り、あるいは枝分かれの様子が昔の室内照明灯でもある、「結び灯台」(三本の棒を結び、足を開いて上に油皿を乗せたもの。3本の丸棒をひもで結び、上下を開いて立て、上に油皿を置いて火をともすもの。宮中での夜間公事などに際して用いられた。)という燭台に似ていることから「トウダイツツジ」と呼ばれるようになり、それが転訛して「ドウダンツツジ」となった。「満天星」は、中国の故事に由来。「満天星」の字は見た通り小さな白い花が一斉に咲いた状態を満天に散る星に例えた
花の形が腰に下げる「胴乱」に似ていることから、「ドウラン」から「ドウダン」と変化したという説も
葉のつきかたも変わっていて枝先に花のように輪生状に開く。その中心部から花軸が伸び、大抵は3つの花が下向きに咲く。
【今日は何の日】
康成忌
小説家・川端康成の1972年の忌日。
門下の三島由紀夫の割腹自殺等による強度の精神的動揺から、ガス自殺した。
チャップリンデー
1889年のこの日、20世紀最大の映画作家・喜劇俳優のチャールズ・チャップリンがイギリスで生まれた。
口ひげ、だぶだぶのズボン、どた靴、ステッキ、山高帽という独特のスタイルで社会を風刺し、世界的な人気者になった。『モダン・タイムス』『ライムライト』等多数の作品を作った。
ボーイズビーアンビシャスデー
1877年のこの日、札幌農学校(現在の北海道大学農学部)の基礎を築いた教頭・クラーク博士が、「Boys,be ambitious.(少年よ、大志を抱け)」という有名な言葉を残して北海道を去った。
女子マラソンの日
1978年のこの日、東京・多摩湖畔で日本初の女子フルマラソンの大会「第1回女子タートルマラソン全国大会」が開かれた。参加者は49人だった。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)