2021.4.15  一日一季語 蜂(はち)  【春―動物―三春】

 

里山を花粉まみれの蜂の来る 岡田鉄

 

「地球上からハチがいなくなると、人は4年以上生きることはできない。

ハチがいなくなると受粉ができなくなり、植物がなくなり、人間がいなくなる」

アインシュタインが予言をしたそうです。

 

ハチは植物の受粉を媒介するなど自然界にとっても人間にとっても有益な昆虫であるとされています。危険なハチであるとされる「スズメバチ」も、実は農作物などに付くイモムシやハエやアブの害虫を捕まえてくれるなど、益虫としての側面もあるのです。

 

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【傍題季語】

蜜蜂(みつばち) 熊蜂(くまばち) 穴蜂(あなばち) 土蜂(つちばち) 足長蜂(あしながばち) 女王蜂(じょおうばち《ぢよわうばち》) 働蜂(はたらきばち) 蜂の巣(はちのす) 蜂の子(はちのこ)

 

【季語の説明】

蜂は、蟻に近縁の協力して集団生活をする社会性昆虫です。蟻を除いた膜翅目(まくしもく)の昆虫の総称なのだそうです。日本に生息しているスズメバチは、スズメバチ属8種、クロスズメバチ属5種、ホオナガスズメバチ属4種の3属17種なのだそうです。蜜蜂・足長蜂・熊蜂・雀蜂などの名前が身近な名前になります。

スズメバチ以外のハチは本来攻撃性は少なく、おとなしい昆虫です。また、草木の害虫である蝶や蛾の幼虫などを捕食したり、植物の受粉の手助けをするなど、自然界のバランスを保つうえで重要な働きをしている昆虫です。

蜂蜜の生産や農作物の花の受粉をしている"ミツバチ"や毛虫など植物を食い荒らす害虫を餌とする"スズメバチ"などは人間社会に貢献してくれることから「益虫(えきちゅう)」と呼ばれている面もあります。

 

【例句】

石橋を一つ越えたる蜂注意        丸山海道

熊蜂が俺を清めるために刺す     大谷昌弘

蜂群るる雨の上がりし潦          赤池貴のえ

電源なき筈の養蜂箱稔る          中原道夫    

花柄の洗濯物に蜂が飛ぶ          山口和子

 

 

【蜂と人間の関係】

人が蜂に刺されるなどの被害が出た原因は、蜂の生息地に人が侵入したのが原因と言われています。

 蜂も生き残るために環境に適応しようとして、市街地などの樹木、家の軒下、雨戸、戸袋、換気口、屋根裏などあらゆる場所に営巣するようになり、"巣を守るために人を刺す"ことから危険だと感じられるようになりました。

蜂は、最初は女王蜂がたった一匹で、春から新しく巣を作り始めます。巣の寿命は秋頃までで、それまでに来年新しく巣を作る新女王蜂を巣立たせるまでが1年のサイクルです。

 

 

【すずめ蜂】

スズメバチ

    日本で被害が最も多いハチ

    体も巣も、ハチのなかで最大級

    攻撃性がとても高い

    体長は〜40mm

    針から毒液を飛ばす

    巣を守るために、積極的な攻撃行動を起こす

 働き蜂(メス蜂)が鋭い毒針を持っていて、人を刺します。蜂の被害は、主に7月から10月に多発しています。原因は、ハチの数が一気に増える時期であることと、それに伴いハチ自体が活発になり、攻撃性を増すためです。

巣の近くを通っただけで襲われるケースも多く、毎年約20人ほどがスズメバチに襲われて死亡しています。

 

アナフィラキシーショック(呼吸困難や意識障害、全身の腫れなどを引き起こす症状)が危険で、毒蛇や熊による被害よりも、スズメバチによる死者のほうが多いほど。

スズメバチの毒液は「毒のカクテル」とも呼ばれ、特に神経毒は強力な作用があります。刺されるたびに毒が効きやすくなるので、一度目よりも二度目に刺された時の方が危険。

スズメバチに刺された場合は、早急に病院で治療を受けるのが安全です。

スズメバチの攻撃は刺すだけではく、毒を霧のようにまき散らす攻撃もします。目に入れば失明することもあり、呼吸気管に入っても危険です。しかも、噴霧された毒は仲間を呼ぶ合図にもなります。

スズメバチはミツバチと違い、毒液が続く限り何度でも刺すことができると言われます。それが集団で襲い掛かってくると、命の危険に繋がります。

 

 

今日は何の日

阿國忌

阿国歌舞伎の創始者・歌舞伎芝居の祖の出雲の阿國の忌日。

 

梅若忌

謡曲や浄瑠璃の『隅田川』の題材となっている、吉田少将惟房の子・梅若丸が976(天延4)年に12歳で亡くなった日。

元々は3月15日であるが、現在は月遅れの4月15日に行われる。

人買いの信夫惣太に誘拐されて奥州に下る途中で病にかかり、隅田川の堤の上で"尋ね来て問はば答へよみやこ鳥 隅田川原の露と消えぬと"という歌を残して果てた。

 

ヘリコプターの日

全日本航空事業連合会が1986年に制定。

ヘリコプターの原理を考え出したレオナルド・ダ・ビンチの1452年の誕生日。

ヘリコプターの重要性をPRし、第2の空の足として認識してもらうことを目的としている。

 

象供養の日

象牙を扱う業界の団体・東京象牙美術工芸協同組合が制定。

1926年のこの日、初めて象供養が行われた。

 

遺言の日

近畿弁護士会連合会が制定。2007年からは日本弁護士連合会(日弁連)が主催して全国で行われるようになった。

四(よい)一(い)五(ご)で「よいいごん」(よい遺言)の語呂合せ。

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)