2020.9.22一日一季語 秋鯖(あきさば) 【秋―動物―三秋】
秋鯖や関の一字を顧みる 田上昭夫
マグロより高価といわれる関サバの条件があるのだという。
豊後水道で一本釣りされたもの。豊後水道の中でも、佐賀関と佐田岬の間にある十数kmの速吸(はやすい)瀬戸と呼ばれる急流で育ったものに限る。この海峡の中央に高島と言う小さな島があり、この島から佐田岬までの海の底には、保子礁(ほごしよう)と呼ばれる海中の山が突き出ている。この周辺に瀬付きサバと呼ばれる周年サバが居付いているそうです。
このような、ブランドの名前がついている関の秋鯖。お高いのでしょうね。顧みる、買ったのではないようです。
*2020.9 鯖定食
【季語の説明】
秋ナスと同じように「秋鯖は嫁に喰わすな」と言われたりしますが、脂が最ものっていて美味しい時期は晩秋から翌年2月頃まで。 10~11月のものを「秋サバ」、12~翌2月頃までの物を「寒サバ」と呼びます。 産卵期は春から初夏です。
季語としては、鯖は夏の魚です。秋に産卵を終えたあと、ふたたび脂が乗り味がよくなったものを秋鯖として、秋の季語になります。
関連季語
→ 鯖(夏)
【例句】
指さすは秋鯖うまき佐賀の関 星加克己
ふるさとの秋鯖語る女将かな 吉田汀史
秋鯖の匂ひ湯舟に持ち込みぬ 志方章子
秋鯖の背に黒潮の匂ひけり 小池清司
秋鯖の青き光を筒切りす 平田恵美子
【金華サバ】
金華サバの定義は、南三陸金華山周辺海域で定置網、一本釣り、巻き網によって漁獲された高鮮度で脂のり抜群の大型マサバとされています。
金華サバは世界三大漁港としても有名な仙台石巻港でとれるとれるサバで「幻のサバ」とも言われています。金華サバは仙台石巻港でも漁獲量が少なく、厳格な基準がありそれをクリアしないと金華サバと名乗ることができません。それゆえ、非常に貴重なブランドサバです。脂がしっかり乗った金華サバはしめ鯖や炙りしめ鯖にするとその美味しさが際立ちます。金華サバの炙りしめ鯖を食べると他の炙りしめ鯖は食べられないという人もいるくらいです。
【秋鯖の魅力】
サバには、腹部にゴマのような斑点のあるゴマサバや、白く輝いているマサバがあります。一般的にサバといわれるのは“マサバ”です。サバは、太平洋を回遊しており、産卵を終えると北上し、夏には北海道沖などでたっぷりとプランクトンなどの餌を食べ、秋になると産卵のために南下を始めます。したがって、秋には脂がのって身がしまり、おいしくなるのです。
購入する時のおいしい生サバの選び方は、目が澄んでいて、お腹が銀白色に輝いて張りがあり、さらに金色の筋が浮いていればとても新鮮です。
しかし、生サバは、「サバの生き腐れ」といわれるほど傷みが早いと言われています。サバの内臓にある消化酵素が強いために、自己消化がとても早く進み鮮度が落ちます。買ってきたらすぐに内臓を抜いて下処理し、その日のうちに食べましょう。
サバの調理方法としては、味噌煮や塩焼きは定番ですが、おろし煮や蒸しサバにしておろしがけ、揚げ物として竜田揚げ、南蛮揚げ、洋風ではカレー粉を使って煮こみやムニエル、さらにホワイトソースをかけてグラタンにするなど食べ方はいろいろあります。粗(アラ)は船場汁にできます。
サバにはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が青背魚の中でも多く含まれ、血液をサラサラにし、脳血栓の予防など、身体に良い食材とされています。
おいしくて栄養価の高い、この季節ならではの秋サバを味わいましょう。
理研ビタミン株式会社ホームページ引用
【真鯖(まさば)】
昔は貴重な蛋白源として、京の都の台所を賑わせた。この塩鯖を運ぶルートとして、北陸の若狭湾から京への道が「サバ街道」と云われた。
産卵を終えた4月から6月頃のサバを「盆過ぎての鯖」と云い、脂が落ちて不味いが、秋サバともなると丸々と太って脂も乗り、最高の旬を迎える。
【俗諺】
サバの生き腐れ・・・・・・・・・釣り上げるとすぐ死に、死ぬと直ちに死後硬直をおこし、それが終わると熟成が始まる。 サバは海の上層で泳ぐ為か肉質が柔らかく、内臓が多いことなどから、外観に比べ肉の鮮度が先に落ち、鮮度を見誤ったりたりしがちなことから言われる。
サバは金筋入りをさがせ・・サバの腹に金色の紋が浮き出ていれば、鮮度と脂の乗りが最高の証拠とされていることから言われる。切身の場合は身と血合の境がはっきりしているもの。また、シメサバは青味と銀色の部分がはっきりしている物を選ぶ。
サバ読み ・・・・・・・・・・・・・・語源としては、
1.魚市場では、入荷量の多い物を鮮度が落ちないように早く数える必要から数に誤差が多かった。
2.寿司屋が出した数を覚えておくのに、生飯(サバ)を使った。
3.中元にサバの開きを贈る時、2尾で1枚と数えた。
秋サバは嫁に食わすな・・・これも語源としては、
1.嫁いびりの意で、旬の秋サバは美味しく、勿体無くて嫁には食べさせない。
2.嫁へのいたわりの意で、旬の秋サバは美味しく、食べすぎて体をこわすから。
3.迷信的な意もあり、秋サバには卵が無い、つまり子種が無いことから。 などの諸説がある。
【今日は何の日】
秋分の日
国民の祝日のひとつ。「祖先を敬い、亡くなった人を偲ぶ日」がその趣旨。「秋分の日」の前後三日間とこの日は秋の彼岸で、墓参りをする人が多い。
秋の彼岸の中日
国民の祝日のひとつ。「祖先を敬い、亡くなった人を偲ぶ日」がその趣旨。「秋分の日」の前後三日間とこの日は秋の彼岸で、墓参りをする人が多い。
秋分
二十四節気のひとつ。昼と夜の長さがほぼ同じになる日。春分と同じように太陽が真東から出て真西に沈む。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)