ファミリーホームの立ち上げに私がかかわった事業者から私に電話があった。開業後の直後からの措置費が県から支給されないと言われたという。しかしこの措置費が支給されないと県から言われどうしたらよいかという切羽詰まった相談だった。

 

民主党政権下で開業後6か月間は児童を養育するための基礎的な一般保護単価は、ファミリーホームが運営規程で定めた受け入れ児童の定員(5名又は6名)分の措置費が支給されることに変更された。この制度は現在も維持されている。

 

県の言い分は、開業日において措置された児童がいないという理由だった。

 

だが相談をよこしたファミリーホームの事業者は、ファミリーホームを開業する以前に里親をしておりその時点で2名の児童の「一時保護委託」をしていた。その一時保護委託に掛かる児童を継続してファミリーホームで委託していたことになる。

 

「措置」の中に県の担当者の誤った誤解があったことがこの件の原因ではなかったと私は考えた。措置の典型的なものは児童福祉法28条によるものである。一方で一時保護についても児童福祉法は「措置」という文言を使用している。さらに「措置費」についての詳細を規定した「要綱86号」は上記の28条措置と一時保護による「措置」を区別していない。結果件のファミリーホームは開業の初日に「措置」された児童を委託していたことが導かれる。となれば「措置費」の受給要件は満たされたこととなる。これに対して「措置費を支給しない」ことは法令違反となる。

 

行政たるものはこうした法令や要綱の取り扱いを間違えないでもらいたい。不用意に「措置費を支給しない」と言う前に正しい解釈はどうなのかを行政内部できちんと詰めたうえでファミリーホームの事業者へ伝えるのが責務ではないのか。こうした誤った「教示」は許されないことである。事業者に与える不安感やその後の事業者側の善後処理にかかるエネルギーは決して少なくない。行政の不慣れは理由にならない。不用意な教示をした職員は何らかの責任を取るべきである。

愛知県半田市は、市税条例における行政手続条例の適用除外の法文を改正して、市税における申請拒否処分及び不利益処分の理由付記を行政に義務付ける条例改正をした。知多半島の五市五町の中では初めてのことである。

もっとも地方税法は、このような改正は平成23年にすでにされており、遅ればせながらそれに合わせた格好である。都道府県や政令指定都市のレベルではすでに改正済みのようだ。

半田市は軽自動車税の公益減免にかかる内規を変えた。個人で社会福祉事業をする者が、公益に専ら直接使用する軽自動車を対象とする軽自動車に対して課する軽自動車税の減免に関して、これを内規により減免してこなかった(制限)してきた。

 

この内規を変更し、公益に専ら直接使用する軽自動車を対象とする軽自動車に対して課する軽自動車税の減免に道を開くものである。施行日は令和5年4月1日である。

 

 担当者に聞くと、要綱に格上げすることはしない、内規のままでいく。しかし、ネットのホームページで公開することとする。

 

ところで審査基準の作成義務が行政にはある。作成したら行政はこれを公にしなければならない。行政手続条例そのような規定がある。内規は通常、情報公開の手続きをしなければその内規自体を紙ベースでは出してもらえない。これでは公にしているとは言えない。条例違反である。

 

しかし今回、文書の名称に「内規」はつくが、ホームページで公開するということなので期待したい。

 

筆者が担当者に聞いたところでは、「内規で条例を縛るわけにはいかない」というのは、全く正しいとも言えるが、内規は条例から導かれたものでなければなければならない。これが「審査基準」に対する考え方である。よって、「内規で条例を縛るわけにはいかない」ではなく「縛ってはならない」というのが「法律による行政の原理」論からいって正しい言い方になるだろう。

 

行政の職員と話していてよく「条例や法律ではすべてを描ききれないから要綱で書きけれない事項を書くのだ」聞かされる。これは重大な考え違いである。確かに「すべてを書ききれない」ことは正しい認識である。問題はそのあとである。つまり、「条例に書いてはいない事項であって、行政が必要だと思うことを書く」としたら「内規は条例から導かれたものでなければなければならない」には必ずしもならない。条例にある「文言」などの要件の部分では、作成しようとする要件の一条一条、一言一句が条例から導くことができるかどうか吟味されなければならない。

 

 

 

相続において、数百円の預貯金を解約・払い戻しをするのに、どれほどの書類を用意しなければならいのだろう。

死亡したした被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人の現在戸籍、被相続人の住民票の除票の写し、場合によっては相続人の住民票の写しを添付書類として金融機関から求められる。

これが兄弟間の相続の場合、被相続人の父および母の出生から死亡までの戸籍謄本、父方の祖父母、母方の祖父母の死亡の記載のある戸籍謄本。原戸籍を含めた除籍謄本は1件につき750円、相続人の現在戸籍は450円、住民票の類は200円(名古屋市などは300円)である。

数百円の預貯金の解約・払い戻しをするのに、これだけの書類を入手しなければならない。このために、遺族である相続人に、いったいどれだけの手間とお金をかけたら金融機関は気が済むのだろう。ばかばかしい。

また、どれだけの書類を書かせるのか。法定相続証明を提示しているのに金融機関の独自の様式に関係図を書かせる。何の意味があるというのか。コンプライアンスを遵守するのはわかる。しかしこんな手続を遺族に強いることにどんな意味があるというのだろう。

1000万円とか3000万円の解約払い戻しの手続であれば、複雑で手間のかかる手続をするのは、まだ理解はできる。それでも500円にも満たない預貯金を解約するのに、1万円以上の費用をかけて誰がこんな手続をするというのだろう。金融機関おえらさんは、こんなことを当たり前のことだと思っているのだろうか。払戻金が払い戻されていないのに「受取書」にサインを求める。うまく字がかけない遺族にも自署を求める。あなた方のコンプライアンスはどうなってるの?と言いたい。金融機関には善処することを望みたい。

こういうことが休眠貯金を増やすことに気づかないのだろうか。折込済みですか?

自動車税担当者殿

 

冠省

自動車税の公益減免についてお再びお尋ねします。

 

当職は特定行政書士をやっております。当職の業務上必要がありますので、○○県における自動車税の減免について、当職の質問に対し回答を求めます・

 

1   ○○県税条例○○条の規定ぶり

 

○○県の県税条例○○条のいわゆる自動車税の公益減免に関し「公益のため直接使用する自動車に対して減免する旨規定しています。

 

このように、この条例では、『公益のために直接使用する自動車に着目して、この自動車の所有者(考えを簡潔に整理するために、ここでは「所有者」とする。)に対して自動車税の減免をする』趣旨だと考えられます。ところが、同条例施行規則には、こういった『条例の趣旨』は捨象され、自動車の所有者が公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人であれば、公益減免が認められるかのような規定ぶりです。当該条例は、自動車の所有者の有り様を問うているのではなく、自動車の使われ方を問うているのではないでしょうか。

 

2 「公益」とは~主体の公益性と客体の使われ方の公益性~

 

一部の例外を除けば自動車税は、自動車の所有者に課税されます。そこで、その所有者が社会福祉法人であれば自動車税が減免されるのは何故でしょう。社会福祉法人は社会福祉事業をするでしょう。だってそのために設立するのですから。つまり、福井県税条例施行規則は社会福祉事業を公益の一態様としています。すなわち、自動車税の公益減免における「公益」を考える上での手がかりを与えてくれていると考えられます。福祉事業=公益という図式です。

 

このことを○○県の県税条例○○条に当てはめて考えてみます。

 

社会福祉法人が所有する自動車の自動車税について、これが減免の対象となるのは、社会福祉法人が所有する自動車であるから公益減免されるのではなく、むしろ、当該自動車が「公益」(=社会福祉事業。異論はあるかもしれないが、物事を簡潔に考えるため、ここでは、あえてこのように考えておく。)に直接使用されているからではないでしょうか。誤解を恐れずに述べるなら、そういう自動車がたまたま社会福祉法人の所有だった、とは考えられないでしょうか。

 

3 社会福祉事業とは

 

社会福祉事業を行っている者は、何も社会福祉法人に限られてはいません。社会福祉法には、次のように社会福祉事業が定義されています。

 

社会福祉法

(定義)

第二条 この法律において「社会福祉事業」とは、第一種社会福祉事業及び第二種社会福祉事業をいう。

2 次に掲げる事業を第一種社会福祉事業とする。

一 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)に規定する救護施設、更生施設その他生計困難者を無料又は低額な料金で入所させて生活の扶助を行うことを目的とする施設を経営する事業及び生計困難者に対して助葬を行う事業

二 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)に規定する乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設又は児童自立支援施設を経営する事業

三 老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)に規定する養護老人ホーム、特別養護老人ホーム又は軽費老人ホームを経営する事業

四 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)に規定する障害者支援施設を経営する事業

五 削除

六 売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)に規定する婦人保護施設を経営する事業

七 授産施設を経営する事業及び生計困難者に対して無利子又は低利で資金を融通する事業

3 次に掲げる事業を第二種社会福祉事業とする。

一 生計困難者に対して、その住居で衣食その他日常の生活必需品若しくはこれに要する金銭を与え、又は生活に関する相談に応ずる事業

一の二 生活困窮者自立支援法(平成二十五年法律第百五号)に規定する認定生活困窮者就労訓練事業

二 児童福祉法に規定する障害児通所支援事業、障害児相談支援事業、児童自立生活援助事業、放課後児童健全育成事業、子育て短期支援事業、乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業、地域子育て支援拠点事業、一時預かり事業、小規模住居型児童養育事業、小規模保育事業、病児保育事業又は子育て援助活動支援事業、同法に規定する助産施設、保育所、児童厚生施設又は児童家庭支援センターを経営する事業及び児童の福祉の増進について相談に応ずる事業

二の二 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)に規定する幼保連携型認定こども園を経営する事業

二の三 民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律(平成二十八年法律第百十号)に規定する養子縁組あっせん事業

三 母子及び父子並びに寡婦福祉法(昭和三十九年法律第百二十九号)に規定する母子家庭日常生活支援事業、父子家庭日常生活支援事業又は寡婦日常生活支援事業及び同法に規定する母子・父子福祉施設を経営する事業

四 老人福祉法に規定する老人居宅介護等事業、老人デイサービス事業、老人短期入所事業、小規模多機能型居宅介護事業、認知症対応型老人共同生活援助事業又は複合型サービス福祉事業及び同法に規定する老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、老人福祉センター又は老人介護支援センターを経営する事業

四の二 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する障害福祉サービス事業、一般相談支援事業、特定相談支援事業又は移動支援事業及び同法に規定する地域活動支援センター又は福祉ホームを経営する事業

五 身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)に規定する身体障害者生活訓練等事業、手話通訳事業又は介助犬訓練事業若しくは聴導犬訓練事業、同法に規定する身体障害者福祉センター、補装具製作施設、盲導犬訓練施設又は視聴覚障害者情報提供施設を経営する事業及び身体障害者の更生相談に応ずる事業

六 知的障害者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)に規定する知的障害者の更生相談に応ずる事業

七 削除

八 生計困難者のために、無料又は低額な料金で、簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所その他の施設を利用させる事業

九 生計困難者のために、無料又は低額な料金で診療を行う事業

十 生計困難者に対して、無料又は低額な費用で介護保険法(平成九年法律第百二十三号)に規定する介護老人保健施設又は介護医療院を利用させる事業

十一 隣保事業(隣保館等の施設を設け、無料又は低額な料金でこれを利用させることその他その近隣地域における住民の生活の改善及び向上を図るための各種の事業を行うものをいう。)

十二 福祉サービス利用援助事業(精神上の理由により日常生活を営むのに支障がある者に対して、無料又は低額な料金で、福祉サービス(前項各号及び前各号の事業において提供されるものに限る。以下この号において同じ。)の利用に関し相談に応じ、及び助言を行い、並びに福祉サービスの提供を受けるために必要な手続又は福祉サービスの利用に要する費用の支払に関する便宜を供与することその他の福祉サービスの適切な利用のための一連の援助を一体的に行う事業をいう。)

十三 前項各号及び前各号の事業に関する連絡又は助成を行う事業

4 この法律における「社会福祉事業」には、次に掲げる事業は、含まれないものとする。

一 更生保護事業法(平成七年法律第八十六号)に規定する更生保護事業(以下「更生保護事業」という。)

二 実施期間が六月(前項第十三号に掲げる事業にあっては、三月)を超えない事業

三 社団又は組合の行う事業であって、社員又は組合員のためにするもの

四 第二項各号及び前項第一号から第九号までに掲げる事業であって、常時保護を受ける者が、入所させて保護を行うものにあっては五人、その他のものにあっては二十人(政令で定めるものにあつては、十人)に満たないもの

五 前項第十三号に掲げる事業のうち、社会福祉事業の助成を行うものであつて、助成の金額が毎年度五百万円に満たないもの又は助成を受ける社会福祉事業の数が毎年度五十に満たないもの

 

4 結語

 

社会福祉法第2条第1項から第3項のすべての事業が、○○県税条例に規定する「公益」に該当するとは私も思っていません。しかし、逆に○○県税条例の公益減免の条項の趣旨から漏れている事業者が存在するとしたらどうでしょう。私は、この点を問うています。繰り返しますが、条例を解釈すれば公益に直接自動車を使用する者から漏れているものはありませんか、と私はお尋ねしているのです。

 

他府県の状況を聞いているのではありません。○○県の税条例に該当するにもかかわらず、それを条例施行規則で狭めてしまってよいものでしょうか。

 

つまり、自動車税の公益減免については、減免の対象となる自動車が、直接公益に使用されているかどうかを審査するのであって、条例の条文上は、当該自動車の所有者が社会福祉法人云々であるかどうかは、関係ありません。社会福祉法人だから「公益」に該当するものではなく、その社会福祉法人が「公益」事業に自動車使用している、とは考えられませんか。減免の対象となる自動車の所有者が社会福祉法人でなければならないわけではありません。この点において、社会福祉法人ではなくても、つまり、個人であっても、自己の所有する自動車が第二種社会福祉事業に専ら直接に公益のためにこれを使用する場合、当該自動車につき減免の対象となる余地があると私は思います。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

愛知県が内規を変更して、個人事業でのファミリーホームの経営者が愛知県に対しした自動車税の課税免除申請を認めた事例

事案の概要

・ファミリーホームの経営者が愛知県に対し自動車税の課税免除申請したが認められなかった。

・条件の一つは、「自動車に施設名を表示する」ことだった。しかもマグネットなどの容易に着脱できるものは駄目。

・理由は、「施設名を表示した車」に乗ることを嫌がったのである。

事案の概要2

・どうして施設の名称を表示しなければ課税免除を受けられないのか。

・課税免除を受けたいのなら、自動車に施設の名称を表示しなさい、とは条例に書いていない。

・附款とは違うような気がする。

・要件である。

・条例にも書いていないのに、内規で決めちゃっていいの??

条例

・(種別割の課税免除)

第六十三条 次の各号のいずれかに該当する自動車に対しては、種別割を課さない。ただし、第三号の自動車にあつては、知事の承認を受けたものに限る。

一 商品であつて使用しない自動車

二 消防自動車及び救急自動車

三 専ら公益の用に直接供する自動車

要綱(内規)による行政の原理

・条例に書けないことを書くんだと嘯く役人。

・条例違反の事項を内規に書くことが許されるのか・

・条例違反かどうか判断できないようである。

・内規は条例から逸脱できない。

・内規が違法(条例違反)だったら、どうする。

市町村の軽自動車税の減免に関してはどうなのか。

・公益性の判断に社団性を入れ込んでいる。

・他事考慮違反。

児童相談所は、里親やファミリーホームへ児童の一時保護を委託する場合があります。
 
 上記の問題とは別に、一時保護の上限は児童福祉法33条3項の規定により「2月を超えてはならない」とされているにもかかわらず、児童福祉法33条4項、同条条8項の規定により事実上空文化されかねない状況にあるということは問題だと思います。両規定とも児童相談所長の判断で一時保護することが可能なのです。
もっとも同条条8項の規定には、「児童相談所長は、特に必要があると認めるときは』という例外規定であるにもかかわらず、【特に必要と認めるとき】の概念が曖昧である。一概に現時点で「一時保護」の制度をなくすべきと論じているわけではない。

 

一時保護の制度は一時的に保護するための制度であって一時保護の延長を繰り返してもそれはもはや一時保護ではない。法律が「一時保護」は原則として2か月とした意味を、今、確認する必要があるのではないだろうか。

 

 


児童福祉法
第三十三条 
 児童相談所長は、必要があると認めるときは、第二十六条第一項の措置を採るに至るまで、児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又は児童の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため、児童の一時保護を行い、又は適当な者に委託して、当該一時保護を行わせることができる。
② 都道府県知事は、必要があると認めるときは、第二十七条第一項又は第二項の措置(第二十八条第四項の規定による勧告を受けて採る指導措置を除く。)を採るに至るまで、児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又は児童の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため、児童相談所長をして、児童の一時保護を行わせ、又は適当な者に当該一時保護を行うことを委託させることができる。
③ 前二項の規定による一時保護の期間は、当該一時保護を開始した日から二月を超えてはならない
④ 前項の規定にかかわらず、児童相談所長又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、引き続き第一項又は第二項の規定による一時保護を行うことができる
⑤ 前項の規定により引き続き一時保護を行うことが当該児童の親権を行う者又は未成年後見人の意に反する場合においては、児童相談所長又は都道府県知事が引き続き一時保護を行おうとするとき、及び引き続き一時保護を行つた後二月を超えて引き続き一時保護を行おうとするときごとに、児童相談所長又は都道府県知事は、家庭裁判所の承認を得なければならない。ただし、当該児童に係る第二十八条第一項第一号若しくは第二号ただし書の承認の申立て又は当該児童の親権者に係る第三十三条の七の規定による親権喪失若しくは親権停止の審判の請求若しくは当該児童の未成年後見人に係る第三十三条の九の規定による未成年後見人の解任の請求がされている場合は、この限りでない。
⑥ 児童相談所長又は都道府県知事は、前項本文の規定による引き続いての一時保護に係る承認の申立てをした場合において、やむを得ない事情があるときは、一時保護を開始した日から二月を経過した後又は同項の規定により引き続き一時保護を行つた後二月を経過した後も、当該申立てに対する審判が確定するまでの間、引き続き一時保護を行うことができる。ただし、当該申立てを却下する審判があつた場合は、当該審判の結果を考慮してもなお引き続き一時保護を行う必要があると認めるときに限る。
⑦ 前項本文の規定により引き続き一時保護を行つた場合において、第五項本文の規定による引き続いての一時保護に係る承認の申立てに対する審判が確定した場合における同項の規定の適用については、同項中「引き続き一時保護を行おうとするとき、及び引き続き一時保護を行つた」とあるのは、「引き続いての一時保護に係る承認の申立てに対する審判が確定した」とする。
⑧ 児童相談所長は、特に必要があると認めるときは、第一項の規定により一時保護が行われた児童については満二十歳に達するまでの間、次に掲げる措置を採るに至るまで、引き続き一時保護を行い、又は一時保護を行わせることができる
一 第三十一条第四項の規定による措置を要すると認める者は、これを都道府県知事に報告すること。
二 児童自立生活援助の実施が適当であると認める満二十歳未満義務教育終了児童等は、これをその実施に係る都道府県知事に報告すること。
⑨ 都道府県知事は、特に必要があると認めるときは、第二項の規定により一時保護が行われた児童については満二十歳に達するまでの間、第三十一条第四項の規定による措置(第二十八条第四項の規定による勧告を受けて採る指導措置を除く。第十一項において同じ。)を採るに至るまで、児童相談所長をして、引き続き一時保護を行わせ、又は一時保護を行うことを委託させることができる
⑩ 児童相談所長は、特に必要があると認めるときは、第八項各号に掲げる措置を採るに至るまで、保護延長者(児童以外の満二十歳に満たない者のうち、次の各号のいずれかに該当するものをいう。以下この項及び次項において同じ。)の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又は保護延長者の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため、保護延長者の一時保護を行い、又は適当な者に委託して、当該一時保護を行わせることができる。
一 満十八歳に満たないときにされた措置に関する承認の申立てに係る児童であつた者であつて、当該申立てに対する審判が確定していないもの又は当該申立てに対する承認の審判がなされた後において第二十八条第一項第一号若しくは第二号ただし書若しくは第二項ただし書の規定による措置が採られていないもの
二 第三十一条第二項から第四項までの規定による措置が採られている者(前号に掲げる者を除く。)
⑪ 都道府県知事は、特に必要があると認めるときは、第三十一条第四項の規定による措置を採るに至るまで、保護延長者の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又は保護延長者の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため、児童相談所長をして、保護延長者の一時保護を行わせ、又は適当な者に当該一時保護を行うことを委託させることができる。
⑫ 第八項から前項までの規定による一時保護は、この法律の適用については、第一項又は第二項の規定による一時保護とみなす。

以下のURLは参考となるべき新聞記事
【虐待早期発見へ命優先の対応を 児相の「一時保護」増加】
2021年3月5日 中日新聞
https://www.chunichi.co.jp/article/212412

 

 

 

 

宿題をした

2021.06.25

 

 

ある3桁の自然数の100の位がa、10の位がb、1の位がcがである自然数をSと置くと、

S=100a+10b+c・・・①

と表すことができる。

いま、

a+b+c=3n (ただし、nは自然数。a,b,cは、そのいずれも1以上9以下の整数のいずれかである)であるとする。

この式を変形すると

c=3n-a-b

が得られる。

これを①に代入すると

S=100a+10b+(3n-a-b)

これを計算すると

S=100a+10b+3n-a-b

S=100a-a+10b-b+3n

S=99a+9b+3n

S=3(33a+3b+n)

このことから、ある3桁の自然数の各位の数の和が3で割り切れるとき(ただし各位の数は0でない)ある3桁の数は3で割り切れることが分かる。

ホントかな。

 

 2020.05.27

 

ラブホテルの事業者に対する今般の covid-19 に係る公の支援から外されているのは何故だろう。 今日の衆議院法務委員会でこの点につき質疑があった。立国社の山川百合子議員が質問に立ったのである。わたしたち行政書士は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づいて委任者の委任によりこれを受任して許可や届出について代理をすることがある。

質疑の中で警察庁の政府委員はこの法律の目的条項を読み上げたうえで、ラブホテルが現場となった強制性交等が昨年中168件、強制猥褻等が43件、今年1月から4月末まで児童買春、児童ポルノ禁止法違反が156件あったことを検挙していることを理由に挙げ、それが目的に沿わないとでも言いたかったの様だった。まるで、一件でも性犯罪関連の犯罪があってはいけないとでも言いたいのだろうか。

 

しかし、ラブホテルが現場ではない強制性交や強制猥褻は何件あったのだろうか。その数字の大きさによっては、ラブホの存在自体が性関連犯罪を惹起するとは必ずしも言えないだろう。法律の目的とは風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第1条に「善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため」と書いてある。

 

結婚する直前のカップルがホテルへ行ってセックスすることが「善良の風俗と正常な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため」にはよくないという思い込みがあるのではないか。セックスしたいカップルはラブホでなくてもセックスするのである。セックスそのものがいけないのではなく、例えば、一方が望まないセックスだったり、一方が年少者だったりしたときは犯罪だからそれはダメよと言ってるのであって、大の大人が合意を以てセックスすることのどこが悪いのか、という視点がこの質疑にはなかったのである。犯罪の構成要件や保護法益と風営法を参照してもっと勘案すべきである。

 

つまり、ラブホテルではなくても強制性交等の犯罪は起こるのであって、去年168件あったことを挙げて、だからラブホはダメなんだとはならないだろう。この法律の主旨や目的からして公の支援をするのはいかがなものかという視座からの理由であるに違いない。すなわち、性風俗はもともと駄目なんだという理由である。

 

性風俗事業者も納税者であるばかりか、今般の covid-19 に係る公の支援から外されている理由にはならない。この公の支援の真の目的こそ議論されてしかるべきであり、緊急時の支援であるという視座を全く欠いている。これまで支援してこなかった、とか、ラブホを支援するのはいかがなものかという政府側の答弁は、何を基準にものを考えているのかサッパリわからない。

 

ただ、川口氏の質問は、ラブホテルは一般のシティホテルと変わらないのではないか、という観点からの質問だった。正面切っての性風俗営業が支援・補助の対象とならないのはおかしいのではないか、というものではなかったのが残念だった。

行政庁の窓口で語られる法律もどき

 

生活保護法を読んで気づいたことがある。それは、生活保護法を含む多くの行政法は、行政が守らなければならない法律ではないかということである。しかし、多くの行政は、国民や市民を統制あるいは支配の道具としてみているのではないかと、私は、しばしば考えてしまうのである。

役人がそのようなことを意識しながら仕事をするのであれば、行政の歪みを指摘して行政の歪みを糾すこともやりやすい。厄介なのは、役人がそれを意識していない場合である。

彼らの遵法意識が高いとどのようなことが起きるか想像してみよう。市民は、法律の拘束をうける。役人も市民を拘束するのと同じ法律の拘束をうける。法律の効力である。公務員だからといってその拘束力から逃れられるわけではない。

ところが、公務員は、一般的には市民が知るところではない法律もどきに拘束される。上級官庁からの通知である。もっとも、この通知を逆用して私は行政庁に対して通知を守れ、と主張することがある。このようなやりかをすることは稀であることをつけくわておきたい。

このようなことは、法律に書かれていないところで出現する。彼らは言う。法律の条文の隙間を規則、通達や要領で埋めるのだ、と。彼らのこのような考え方から生ずる陥穽は、その多くが勘違いか勉強不足である。彼らに染み付き、絡みついた悪習である。このような悪習は、彼らが入職してから、自ら勉強し自分の頭で考える良き慣習を捨ててしまうからである。

すぐに身近な同僚、上司に答えを求める。意見を求めるのではない。答えを求めるのである。自ら考え、自分なりの答えを用意して意見を求めることはしないのである。ここで気をつけられなければならないことは、細部を求めるあまり全体ーー行政法や憲法、条理や原則が蔑ろにされる危険性が、彼らの身近かに常在するのだ。この陥穽はすぐそこに、今存在するのである。

彼らに、法律と通達との、どちらが優先するのかと問うてみるがいい。この問いは、彼らにとっては残酷だろう。このジレンマが彼らを苦しめる。だが、彼らにはこの問いに答える責任と義務がある。そして、このようなことは行政の最前線である窓口で生起するのである。