今日のウォールストリートジャーナルの記事
「マイナリ元被告「一日も早く祖国へ」=入管施設で家族らと面会」ようやく15年にわたる汚名が晴らされそうで何よりです。
再審開始に対して、
検察は2度も抵抗したそうですが、
さすがに裁判所が
検察の申し出を弾き飛ばしました。
ファインプレーですね。
しかし、マスコミはこのニュースを取り上げるのに腰が引けていますね(笑)
この事件、そもそも一審の2000年(平成12年)4月14日、東京地方裁判所で、
現場から第三者の体毛が見つかったことなどを
「解明できない疑問点」として挙げ
「第三者が犯行時に現場にいた可能性も否定できず、
立証不十分」として、
無罪判決が言い渡されます。
しかし検察はわずか数日後に控訴。
その後の裁判では、
2000年(平成12年)12月22日、東京高等裁判所で、
「犯行直前に被告人が事件現場にいたこと
(鑑定により現場に残された使用済みコンドームに付着した精液と現場に残された体毛が被告と一致)と、
事件直後に金を工面できたこと」など
いくつかの状況証拠を理由に有罪とし、無期懲役判決が言い渡されます。
上述の「解明できない疑問点」などなかったかのように・・・
そして、その後、最高裁判所で上告が棄却され、無期懲役の有罪判決が確定しました。
この1997年3月の事件、なぜか「東電
OL殺人事件」と呼ばれるようになるわけです。
被害者の渡邊泰子さんは、東京大学卒業後東電に入社した父親の影響を受け
慶応大学を卒業後、
東電初の女性総合職として入社します。
つまり、所謂OLのイメージとは異なる女性エリート社員だったわけです。
様々なウェブサイトとでこの事件の異様さには言及されていますが、
その異様さの象徴が殺害された渡邊さんをOLイメージにするという点にも現れています。
企画系部署で活躍していた「東電本社の女性エリート社員」が
猟奇的事件で殺害されたという印象が強いと困る人たちが、
事件そのものの印象操作の第一弾としてお茶汲みやコピー取りの印象の強いOL
(この使い方は非常に差別的だと思うけど)にする必要があったわけです。
その後、ノンフィクションや報道では、
「売春」や
「拒食症」、はては
コンビニでの振る舞いすら取り上げられ、
マスコミを中心に
仕事や人間関係に悩む独身お局OLの「異常性」に事件を矮小化していきます。
なぜでしょう?
東電での渡邊さんの優秀な仕事っぷりに困る人がいたんだと私は勝手に推測しています。
東電本社での渡邊さんは、企画部調査課に所属し、
1993(平成5)年には 企画部経済調査室副長に昇進しています。
電力事業と国の政策に関するレポートを作成するなど、
社内での彼女の評価は決して低いものではなかったと推察されます。
彼女が作成したレポートの中には
「原発の危険性」を指摘するものもあったそうです。
(彼女の父親も「原発の危険性」を指摘し、挙げ句左遷の憂き目にあっていたそうです。)
その当時も、今と変わらず、東電社内で「原発の危険性」を指摘することは当然タブーでしょう。
折しも
「プルサーマル計画」推進の真っ最中。
そういう
原発の安全神話を覆すような危険分子を社内から排除する必要が出てきたということになります。
彼女が「原発の危険性」を指摘するレポートを作成したのち、
1996年に
>勝俣恒久会長が 取締役企画部長という直属の上司としてやってきます。
みなさんにもお馴染みですよね、きっと。
勝俣という人間の厚顔無恥ぶりは記者会見等でさんざんご覧になっているでしょうから(笑)
藤原副社長も同じ部署に所属していたといいますから、部署をあげて
原発の危険性を指摘する危険分子としての彼女を攻撃していたようです。
様々な記事や検証では、そのストレスと売春行為の因果関係も指摘されていますが、
ここではそれには言及しません。
この勝俣という人間を配置し、渡邊さんを消す手先として勝俣を活用した東電、
そして原子力ムラという巨大な利権組織が渡邊さんを殺害したのです。そして事件を矮小化し、さっさと幕引きするために
検察は嘘を重ねたわけです。
2011年、東京高裁の再審請求審で弁護側が要請し、
東京高裁がそれを受けて
現場で採取された物証のうちDNA鑑定をしていないものについて
実施するよう検察側に要請し、東京高検がDNA鑑定を実施。
その結果、遺体から採取された精液から検出されたDNAは、
先述のマイナリ元被告のものと一致しないものであることが判明し、
現場に残された体毛と一致することがわかったと報道されます。(
ウィキペディアより一部引用)
なぜ検察は
現場で採取された物証のDNA鑑定を意図的にしなかったのか?
なぜ
渡邊さんの通勤定期が巣鴨の民家の庭先に投げ入れられていたことを
詳しく調べようとしなかったのか?
理由は簡単です。
検察もマイナリ元被告が犯人じゃないことを知っているから(笑)そして
「事件の経緯がばれると困るから」きっと勝俣氏はパシリだったんでしょうね。
組事務所にいって「殺害を依頼する」という簡単なお仕事をするための。
実行犯は組の人間だったとしても、
裏で暗躍したのは原子力ムラと東電、暴力団すでに巣鴨某所が殺害現場であるというのも明らかにされつつあるようです。
実行犯の逮捕があったとしても、事件の裏で暗躍した組織が明らかになることはないでしょう。
マイナリ元被告の名誉が一刻も早く回復することを願っています。