ルンダンとは (インドネシア料理/マレーシア料理)
松屋から発売されて注目度上昇中!
インドネシアやマレーシアの煮込み料理「ルンダン」。
松屋ではカレーカテゴリーではないけど
あの料理はカレーなのか?違うのか?
どんな料理なのか気になっている人もいると思うので
調べられる範囲でまとめてみたいと思います。
まず「ルンダンはカレーなのか?」というシンプルな問いですが
ルンダンはルンダンであって、カレーではないです。
※英語版Wikiにはこのように書かれてます→「料理の専門家の中にはルンダンをカレーと表現する者もいるが、インドネシアやマレーシアでは、カレーよりもコクがあり、液体が少ないため、通常そのようには考えられていない。」
ですが、日本では
タイカレーはカレーというカテゴリーに入っていますよね。
「タイカレーはゲーン(gaeng)の1種だからカレーじゃないですよ」
という認識が一般的なら
「ルンダンはルンダンでカレーではないです」となりますが、
「タイカレーもカレーの1種です」という認識が主流なので
肉をココナッツミルクとハーブとスパイスで煮込むルンダンも
「アジアンカレーの1種」と理解するのが
一番スッキリするのでは、と思っています。
あと、英語でレシピ動画を検索してみると、
ルンダンをカレーと紹介している人もそれなりにいたので
カレーの1種でもアリなんでしょうね。
さて、松屋ではマレーシアの煮込み料理として登場してますが
ルンダンはルーツがインドネシアにあり、
インドネシアやマレーシアを中心に
シンガポール、ブルネイ、フィリピンなど広く食べられている料理。
マレーシアの話に限定すると
こちらの『マレーシアごはんの会』の情報によると、
マレーシアには「チキンカレー Kari Ayam」という料理もあり
日本人にはチキンルンダンとチキンカレー(Kari Ayam)の
2つの見分けは難しいみたいですね。
わかりやすく違いを挙げると以下になるそうです。
1 チキンルンダンは汁が少なく濃厚で、チキンカレーは汁が多くサラサラなことが多い。またルンダンは、仕上げにココナッツフレーク(ココナッツの実を削ったもの)を加えることが多く、これがさらに汁を吸い、鶏肉にからんでいる。
2 チキンカレーには、あらかじめパウダースパイスがミックスされたカレー粉を使うことが多いが、ルンダンにカレー粉は使わない。つまり、比べるとスパイスの種類が少ない、ということ。とくにチキンカレーに必須のシナモンやクローブは、ルンダンには無し(もちろん店によりますので、基本的に、というお話し)。そのかわりに、レモングラスやこぶみかんなどのさわやかな香りをきかせている。
3 チキンカレーにはじゃがいも(ときにオクラも)の野菜入りだが、チキンルンダンは鶏肉のみ。煮込むときに、玉ねぎや生姜などの香味野菜を加えているが、それらはあくまでも食べるためではなく味つけの役割。野菜を入れないことで、ルンダンの保存性も高める目的も。
ものすごくシンプルにまとめると
チキンルンダンは東南アジアの煮込み料理で
(インドネシア由来の料理のチキン版)
チキンカレー(Kari Ayam)はインド由来のカレーとのことでした。
※こちらのビーフルンダンの解説ページもためになります。
ちなみに、本場のルンダンは汁気があまりない
ドライっぽい仕上がりのものが多いようで、
水分の多いルンダンはウェットルンダンとか
カリオ (kalio) と呼ばれるんだとか。
松屋のルンダンはウェットルンダンってことなんでしょうね。
ルンダン経験値は全然ないのですが
馬喰町のマレーカンポン コピティアムで食べた
チキンルンダンはこんな感じでした。
さらに詳しく知りたい人のために
ここからはWikipedia情報で。
日本語版だけでなく、
歴史や細かな情報が盛りだくさんの
英語版Wikiを翻訳したものも載せてみたいと思います。
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ルンダン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%B3
(日本語版Wikipedia)
ルンダン(インドネシア語: rendang)、レンダン(同)、もしくはランダン(ミナンカバウ語: randang)は、牛肉などの塊肉をココナッツミルクと香辛料で長時間煮込んだ肉料理である。2017年にCNNによって世界一美味しい料理に選ばれた。
インドネシアの西スマトラ州(州都パダン)の郷土料理(パダン料理=ミナンカバウ料理)であり、インドネシアを代表する料理として挙げられることが多い。インドネシアに多いマレー系ムスリムの料理であり、おなじエスニックグループが多く住むマレーシア、シンガポール、ブルネイでも代表的料理の扱いである。
ご飯のおかず料理であるが、牛肉や水牛肉で作ったものは日本でいうとすき焼きのような特別なごちそうの扱いである。イスラムの断食明けの際には、米の加工品であるルマンやクトゥパッとともに食される。そのほか、西スマトラ州ほかインドネシア全土のマレー系ムスリムの家庭では、ハレの日のおもてなし料理として食卓にのぼる。また、外食や中食ではインドネシア各地にあり、もともとは出稼ぎ労働に出ることが多いミナンカバウ族のための店だったパダン料理店は、現在では多くのインドネシア人が訪れるが、ルンダンは通常、メニューの中でもっとも高価な料理である。
香辛料にはトウガラシ、ガランガル、レモングラス、エシャロット、ニンニク、ショウガ、ウコンなどが使われる。味はいわゆるカレー味であるが、現地でも伝統的カレー料理のグライの1つと理解されている。牛精肉以外には、牛レバー、牛の肺、水牛肉、ヤギ肉、鶏肉、羊肉などで作られ、柔らかい肉を使う場合は長時間煮込む必要はない。また、鶏卵を使ったものもルンダンと呼ばれる。
途中まで煮込んだ水分の多いルンダンは、カリオ (kalio) と呼ばれる。煮込み汁が無くなるまで煮込んだルンダンは、濃い味付けの保存食であるが、冷蔵や冷凍によってさらに長期の保存ができる。
食材を明確にするため、「○○のルンダン」という意味で名前の末尾に肉名を付けることが多い。
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Rendang
https://en.wikipedia.org/wiki/Rendang
(英語版Wikipedia)
ルンダン(/rɛnˈ; インドネシア語発音: [ˈrənda])はミナンカバウ族の料理である。 ココナッツミルクで煮込み、ハーブとスパイスで味付けし、数時間かけてじっくり煮込む。 煮汁が蒸発するにつれて、肉はこげ茶色に変色し、柔らかくなり、カラメル化し、豊かな風味が染み込む。
ルンダンはインドネシアからマレーシア、シンガポール、ブルネイ、フィリピンなど近隣の東南アジア諸国の料理に広まった。ミナンカバウ文化の代表的な料理として伝統的に結婚式の祝宴やLebaranなどの祝祭行事で客をもてなす儀式的な場面で供される。また、ルンダンはインドネシア、マレーシア、シンガポール、ブルネイのマレー系コミュニティやフィリピンのマラナオ族の間でも伝統的に供されている。
ルンダンはインドネシアの国民食として公式に認められていて、6種類のレンダンがインドネシア教育文化省の無形文化遺産に指定されている。 2011年に行われた大規模な調査では、ビーフ・ルンダンが世界で最も美味しい料理とされた。
歴史
ルンダンの起源は、15世紀以前に西スマトラとつながりのあったインド商人にまで遡ることができる。 ミナンカバウに関するオランダの古文書には、1000年代初頭(原文はearly second millennium)にインドと西スマトラの定期的な接触が記されており、北インドのカレーがルンダンの前身である可能性を示唆している。 インドカレーはミナンカバウ族によってグライ(gulai)として採用された。 ミナンカバウの人々はこのグライをさらに調理し、ウェット・ルンダンとして知られるカリオを作った。調理プロセスはさらに続き、ドライルンダンとして知られる濃厚なルンダンになっていった。
アンダラス大学の歴史学者であるグスティ・アスナン教授は、16世紀にミナンカバウの商人たちが貿易を始め、マラッカに移住したときにルンダンがこの地域に広まり始めたと示唆している。なぜなら「スマトラの川の水路を通る旅には多くの時間がかかるため、耐久性のある保存食のドライルンダンは長い旅に適しているから」である。乾燥したパダンルンダンは耐久性のある食品で、常温で放置しても数週間は美味しく食べられる。ルンダンの最古の文献記録のひとつは、マラッカのヒカヤット・アミール・ハムザのマレー語写本である。ルンダンはスマトラのミナンカバウ地方で生まれ、ミナンカバウ高原からマンデリン、リアウ、ジャンビ、海峡を渡ってマラッカ、ネゲリ・センビランへと広がり、様々なルンダンの伝統が生まれた。
1946年のインドネシア民族革命の際、スカルノの妻であったファトマワティは、ジョグジャカルタ周辺のインドネシア共和国の自由戦士たちの士気を高めるため、ルンダンを作って送った。 家事手伝いに断られた彼女は、当時妊娠していたにもかかわらず、牛肉を買うことを主張し、ベチャで自ら市場に出向いた。
ミナンカバウの人々のマランタウ(移住)文化により、ルンダンの人気は元の地域から広く広まった。 現代では、海外のミナンカバウ人が故郷を離れ、インドネシアの他の都市や近隣諸国で仕事を始めるようになり、インドネシアの都市に偏在するミナンカバウ人の飲食店であるパダンレストランが誕生した。 これらのパダン料理店は、ミナンカバウ・スタイルのルンダンをはじめとするパダン料理を、インドネシア、マレーシア、シンガポール、そして世界に紹介し、広めてきた。
材料と調理方法
ルンダンとは、ココナッツミルクとスパイスでじっくりと柔らかくなるまで煮込んだ肉のことを指すことが多い。冷蔵技術が発達する以前は、この調理法によって大量の肉を保存することができた。ルンダンに適した牛肉の部位は、牛の後脚の赤身肉、すなわちトップサイドビーフまたはラウンドビーフであり、これはじっくりと時間をかけて調理するのに最適とされている。
ルンダンにはスパイスがふんだんに使われている。 主材料の肉とともに、ココナッツミルクと、ショウガ、ガランガル、ウコンの葉、レモングラス、ニンニク、エシャロット、唐辛子などのスパイスを挽いたペーストを使う。 この混合スパイスはミナンカバウ語でpemasakと呼ばれる。 ルンダンに使用されるスパイス、ニンニク、エシャロット、ショウガ、ガランガルには抗菌作用があり、天然の有機保存料として機能する。料理の専門家の中にはルンダンをカレーと表現する者もいるが、インドネシアやマレーシアでは、カレーよりもコクがあり、液体が少ないため、通常そのようには考えられていない。
伝統的に、ルンダンという言葉は特定の種類の料理を指すのではない。 メレンダン(merendang)という動詞は、実際には、鍋やフライパンに材料を入れ、小さな火で、すべての水分が蒸発し、肉がよく焼けるまで回し続けるという、ゆっくりとした調理法を指す。 肉片はココナッツミルクとスパイスの中で、汁気がほとんどなくなるまでじっくりと煮込まれる。 煮汁が蒸発し、ココナッツミルクがココナッツオイルに変わるにつれ、調理工程は茹でることから揚げることへと変化する。 多くのスパイスをふんだんに使うため、ルンダンは複雑で独特な味を持つことで知られている。
ルンダンは、蒸し米、ケトゥパット(圧縮餅)、ルマン(竹筒で炊いたもち米)と共に供されることが多く、茹でたキャッサバの葉、クバダック(若いジャックフルーツのグライ)、キャベツのグライ、ラド(赤または緑の唐辛子のサンバル)などの野菜のおかずが添えられる。
ルンダンの調理の段階
種類
ミナンカバウ料理の伝統では、スパイシーなココナッツミルクで肉を調理する際、3つの段階が認められている。 出来上がった料理は、調理されたココナッツミルクの液体含有量によって分類され、ウェットなスープ状のものからドライのものまである。グライ(gulai)、カリオ(kalio)、ルンダン(Rendang)の材料はほとんど同じであるが、グライは赤唐辛子が少なくターメリックが多いのに対し、ルンダンはスパイスが豊富である。
スパイシーなココナッツミルクで肉を調理し、肉に火が通りココナッツミルクが沸騰した時点で調理を止めると、その料理はグライ(gulai)と呼ばれる。 ココナッツミルクが一部蒸発し、肉が茶色になりはじめるまで調理を続けるとカリオ(kalio)と呼ばれる。 伝統的なドライ・ルンダンの場合、この工程は何時間も続き、液体が完全に蒸発し、色が黒に近いこげ茶色になるまで続く。 グライは淡黄色、カリオは褐色、ルンダンは非常に濃い褐色である。 今日では、ルンダンはドライとウェットの2種類に分類されることがほとんどである。
ミナンカバウの伝統によれば、本当のルンダンは辛口のものだ。 また、クリスピーな乾燥肉のスパイシージャーキーとは異なり、ルンダンの食感は実際には乾いていない。 ルンダンは、ココナッツミルクが蒸発してココナッツオイルになり、肉がスパイスを吸収するまで、何時間も熱心にかき混ぜ、注意をはらい、調理される。 現在でも、特別な儀式や来客をもてなすときに提供される。 適切に調理されたドライルンダンは、常温で3~4週間保存でき、まだまだ美味しく食べることができる。 冷蔵庫で保存すれば数ヶ月、冷凍すれば6ヶ月持つこともある。
ウェットルンダンまたはカリオ
ウェット・ルンダン(正確にはカリオ)は、調理時間が短く、ココナッツミルクの液体が蒸発していないタイプのルンダンである。 カリオは、ココナッツミルクを煮込んだ液体がスパイシーなオイルに変化したもので、蒸したご飯と一緒に食べると風味豊かなソースになる。 海外で食べられるルンダンの多くは、実はカリオやルンダンのウェット版に近い。 室温で保存した場合、カリオは1週間も持たない。カリオは通常、明るい黄金色をしており、ドライルンダンよりも淡い色をしている。
ルンダンの種類
ルンダンは牛肉(または牛レバー、鶏肉、アヒル、マトン、水牛、ジャックフルーツやキャッサバのような野菜)から作られる。 鶏肉や鴨肉のルンダンもタマリンドを含み、通常は牛肉のルンダンほど長時間煮込まない。
オリジナルのミナンカバウ・ルンダンには、ルンダン・ダレクとルンダン・ペシシルという2つのカテゴリーがある。 Rendang darek(「土地レンダン」)は、Batusangkar、Agam、Lima Puluh Kota、Payakumbuh、Padang Panjang、Bukittinggiなど、ミナンカバウ高原の山岳地帯の古い地域の料理の総称である。 主に牛肉、内臓、鶏肉製品、ジャックフルーツ、その他多くの野菜や動物性食品で構成されている。 ルンダン・pesisir(「海岸ルンダン」)は、パリアマン、パダン、パイナン、パサマンなどのミナンカバウの海岸地域で作られる。 ルンダンpesisirは、主にシーフードで構成されてるが、彼らのルンダンに牛肉や水牛の肉を組み込むことは珍しいことではない。
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最後にレシピ動画も貼ってみましょう。
まずはキャッチーなビーフルンダンのショート動画。
https://www.youtube.com/shorts/jKQgeqSH3FA
インドネシアのビーフルンダン
https://www.youtube.com/watch?v=MPo-7KPhRa4
マレーシアのビーフルンダン
https://www.youtube.com/watch?v=wWcrO45orCI
インドネシアのチキンルンダン。
https://www.youtube.com/watch?v=7RhUVd6qkWE
マレーシアのチキンルンダン。
https://www.youtube.com/watch?v=qUBnwvAu5bs
なんとなくピックアップしてみましたが、
作り方は人によって微妙に違っていたりするんですよね。
YOUTUBE内にはたくさんのレシピ動画があるので
興味のある方は英語で検索をして
トライしてみたいレシピを見つけてみてください。
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ルンダン。
36チャンバーズオブスパイスが製品化していたり
中村屋もレトルト化していたり、
カレーに敏感な人にはジワジワ知られてきてましたが、
松屋のメニュー化によって、
さらにポピュラーな存在になっていくかもしれませんね。
自分もまだまだ経験不足なので、
外食や自宅料理で経験値を増やしていきたいものです。
スパイシ~~♪♪♪
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