パキスタン料理 (カレー) とは??
昨日は池袋のパキスタン料理店、マルハバの
マトンカラヒの感想をアップしてみましたが、
パキスタン料理(カレー)ってどんな料理なんでしょう??
スパイシーさんもまだまだ勉強中なのですが、
インタビュープロジェクト『Diggin'』パキスタン編を読み返すと
へぇー!と、改めて膝を打つ話が盛りだくさんなんですよね!!
埼玉の八潮市はなかなか行く機会がなく、
先日のテレ東「車あるんですけど...?」のロケで
インタビューに協力してくれたジャベイドさんとようやく再会!!
めちゃくちゃ嬉しかったっす!!!!
ってことで、
パキスタン料理をもっと多くの人に知ってもらうべく、
ジャベイドさんとのインタビューの
料理の部分を抜粋しお届けしてみたいと思いまーーす!!!
※もっと読みたい方は『Diggin'パキスタン編』をチェックしてみてください。
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インタビュー場所
埼玉県八潮市『カラチの空』
ス→スパイシーさん
ジャ→ジャベイドさん
ス:
パキスタンはシンド州、パンジャーブ州、バローチスターンやいろいろなエリアがありますが、やっぱり文化が違うんですか?
ジャ:
そうです。言葉も違えば文化も違う。
例えばマトンブローチは黒胡椒を使います。コルマよりクリーミーでジューシー、ブラックペッパーの辛さを強調します。
ス:
クリーミーな感じはどうやって?
ジャ:
生クリームとミルクを使います。
ス:
ちょっとシチューみたいですねえ。
ジャ:
日本人にも評判がいいですよ。好きな人が多いです。
バローチ州のひとはみんな好きで食べますよ。バローチ州の料理はほとんどレッドチリは使わないで作るんです。ブラックペッパーを使います。
ス:
レッドチリ使わないんですか?!アフガニスタンもそうでしたよね。
ジャ:
マトンプラウなんかも使いませんが、そういうのはやっぱりアフガニスタンから来てるんですよ。そういうのがボーダーを越えて入ってくるんですね。レッドチリを使わない地域です。カラチ、シンド州とパンジャーブ州は辛いのを食べるの好きですが辛さの内容が違います。
ス:
カラチとパンジャーブ州の料理は違うんですか?
ジャ:
ちょっと違いますねえ。
カラチのひとは辛めでスパイス強目が好きです。パンジャーブは中辛くらいのイメージ。僕はパンジャーブのスタイルが好きです。カラチのひとはアチャール、アチャーリの名前を使っている料理を食べることが多いですね。ちょっと酸っぱく辛い味付けです。マトンアチャール、チキンアチャール、チャナアチャール。
ス:
パキスタンのパンジャーブは国境があってインドにもパンジャーブ地域がありますよね。
インドのパンジャーブ料理とパキスタンのパンジャーブ料理は味は違うんですか?
ジャ:
大きくは変わらないですね。
ス:
北インド料理のルーツはパンジャーブ料理が元になっていることが多いんですよね?
ジャ:
はい、そうです。そうはいってもやっぱり少し特徴があって、インドパンジャーブはカシューナッツとトマトベースの料理が多いですね。パキスタンパンジャーブはほとんどがタマネギベースです。トマトは少し。ラホールの人たちですね。
ス:
おお!なるほど。トマトとタマネギのバランスの違いだ。
ジャ:
それで甘みの差が出るんですよ。
でもインド大使館の人がきてうちのパキスタンのパンジャーブ料理が好きだよ、と言ってくれる人もいるんですよ。
ス:
うんうん。
よく聞かれると思うんですけど、国境があって隣がインドで、インド料理とパキスタン料理と、何が違うんでしょうって言われませんか?
ジャ:
うん、聞かれます。
インド旅行に行った日本人の方が帰ってきてうちのパキスタン料理を食べて、インドでは甘かったからこれがちょうどいいという人がいますよ。
ス:
北インド、やっぱりインドのパンジャーブ料理は甘めなんですね。
ジャ:
カシューナッツで甘くなりますよね。
僕の店のランチセットのこれ、ABC。このセットで選べるカレーはほとんどカシューナッツベースなんです。日本人向けだと思います。
今日選んでいただいた料理はカシューナッツは使っていません。トマトもちょっと少なめでね。タマネギがいっぱい入ってます。タマネギはとてもからだにいいものですよ。生で食べてもからだにいいし。たとえばどこか旅行に行くでしょう?そのときに一番はじめにそこの国のタマネギを食べるんです。そうすると病気にならないんです。
ス:
ええ〜!おもしろい。初めて聞いた。生のタマネギですか?ごはんを食べる前に?
ジャ:
そうです。どこの国に行ってもついたらなにか食べる前にタマネギをね。
ス:
これは知らなかった。これは面白い!
日本のタマネギはほとんど白いタマネギですよね。向こうは紫のものが多いじゃないですか。
ジャ:
はい。
店では日本の白いタマネギを使っちゃいますよ。
ス:
日本のタマネギ、生でかじってどうですか?おいしい?
ジャ:
すごいおいしいですよ。
ス:
おお、おいしいんだ!
パキスタンの紫タマネギとどこが違うと思いますか?
ジャ:
ジューシーです。
ス:
そうなんだ!あっ、なんか、うれしい(笑)
ジャ:
日本の野菜は水分が多いから少し調整して使わないといけないです。たとえば蕪とか冬瓜ですけど水分が多いから潰して使います。なんでかっていうと大きくカットして入れて料理すると食べるときに実が潰れると水分が出て味が変わっちゃうんです。だからはじめからチャンクで作って味を調整するんです。
ス:
ああ!だからきょうの蕪のカレーは実のまま入っていなかったんですね。潰してあったんだ。カレーの中をさがしちゃいましたよ。
ジャ:
日本は野菜の種類が少ないですね。売ってない野菜がまだ多いです。瓜もそう、ナスも種類が少ないですね。丸くて大きいナスがあるんですが、タンドールに入れて焼くとものすごくおいしいんですよ。日本のナスだとうまくいかないんです。たまに沖縄の友達がくれるんですが、それが近いですね。その友達が野菜を持ってきてくれると他の友達をみんな呼んで料理をしてみんなで食べるんですよ。あの野菜手に入ったよーって。
ス:
それで本物のパキスタンスタイルでカレー作るんですね。
ジャ:
そうです。おいしいですよ。
ス:
いいなあ!食べてみたいです。
ジャ:
ハリームの話しですが、日本のお店ではチキンで作る店もけっこう多いんですが、うちはちゃんとビーフで作ります。本格的な本場のスタイルですよ。
ス:
お肉の話しが出ましたが、さっきの話し、インドとパキスタンの一番大きな違いってお肉ですかね?肉料理がすごく多いですよねえ。
ジャ:
そうですね。
お肉はみんな大好きですね。肉を使う料理もすごくたくさんあります。
ス:
たとえば一週間の食事で全部の日にお肉を食べるとか、そういう感じなんでしょうか?どんなですか?
ジャ:
いまから10年くらい前の話しですが、そのころは毎日何かしら肉料理を作っていましたね。いまでは週3日くらいでしょうか。
ス:
それはジャベイドさんご自身のお話しです?
ジャ:
そうです。
ス:
では一般的なパキスタンのおうちの人たちはどうですか?毎日?
ジャ:
そういう家庭が多いですね。
マトンコールマはどこの家庭でもよく作りますね。
それ以外だとダールゴーシュトとか、蕪に肉が入るとか、他の野菜に肉が入るとか。野菜と肉を一緒に煮込んだりする料理が多いですね。そのほうが栄養のバランスがいいですから。
ス:
ジャベイドさんの子供の頃はおかあさんは一週間、どんな料理を作ってくれていましたか?
ジャ:
うーん、たとえばビリヤニ。ビリヤニを作った時はカレーは作らなかったです。それが週1回か2回。
ス:
あ!週1〜2回とか食べるんですね、ビリヤニ。なんか僕はビリヤニはごちそう料理で特別な時じゃないと食べられないっていう風に思ってたんです。
ジャ:
でもね、家庭のビリヤニはちょっとちがうんですよ。作りが違うので、たとえばどこのおかあさん達も箱入りのミックススパイスを使ったりしますよ。
ス:
あ、なるほど。それはつまり現代だからという話しだ。歴史ではビリヤニが王様の料理だったり特別なお祭りの時に、という話しだと聞いていたんだけど、そうじゃなくて現代の話しだからおかあさん達も日常食として作るわけですよねえ。
ジャ:
そうですそうです。
むかしは外に行って食べるとかじゃないと食べられなかったですから。それに外食自体がむかしはお店が少なかったしあまりなかったですよ。月一回くらいかな。いまは週に2〜3回なんていうことも多いです。カラチとかラホールとかの大都市での話しですけど。それにいまは家で作るより外で買った方が安く済むこともあります。出前もありますよ。注文して届けてもらった方が家で作るより得になっちゃってるんです。
ス:
モダンなスタイルですねえ。
ジャ:
なぜかというと材料が高くなっちゃったからなんです。お肉も高くなっちゃったし。チキンなら日本の方が安いですよ。
ス:
えええ!そうなんですね?!
ジャ:
パキスタンはむかし豆が安かったですがいまはずいぶん高くなっちゃって、なんだかなに食べればいいかわからなくなっちゃっています。日本だと1キロ500円くらいで豆が買えますよね。チキンも安いのはそれくらいかもう少し高いくらいですね。パキスタンはむかしは豆なんて1キロ50円もしなかったけど、いまはすべて上がっちゃった。
ス:
そうなんですねえ。
ジャ:
普通の人とものすごいお金持ちに別れちゃったんですよ。
パキスタンのマクドナルドは大人気ですごいたくさんの人が入っています。けどね、値段は日本より高いの。4人でいったら1万円飛んじゃうかもしれない。
ス:
えええ〜!!
ジャ:
別にいっぱい食べるわけじゃないですよ。ひとりハンバーガー2個とあといろいろでそれくらいいっちゃう。でもお店はいつもいっぱいで、お金持ちがいっぱい来て子供が誕生日会やパーティーをやってたりするんです。マクドナルドはパキスタンにもいっぱいあって、でもメニューは日本と違うんです。イスラム教のルールに従ったメニューになっています。
ス:
カラチの空にあるメニューに載っている料理は家庭でも出るんですか?
ジャ:
家庭ではマトンコールマ、ビリヤニ、ダールゴーシュトくらいかなあ。ハリームも作らない、ニハリもサーグもあまり作らないです。
ス:
必ず毎日食べるものとかはありますか?豆とか、、、
ジャ:
豆が多いですね。
ス:
豆のカレーとロティとか?
ジャ:
そうです。豆のカレー、ロティかフライドライスとか。
ナーンは作れないから外で食べますね。
ス:
いろいろお話し聞いていると現代パキスタンは外食と家庭と半々ぐらいのイメージなんですが。
ジャ:
パンジャーブ州とシンド州は外食がとても多くなりましたね。
ス:
そしてその背景にあるのが物価の上昇。
ジャ:
そうでしょうねえ。それとバローチスターン州とカイバル・パクトゥンクワ州は女性が外出をあまりしない習慣があるので外食は少ないです。
ス:
家で食べるのが基本なんですね。
ジャ:
はい。親戚などみんなと食事、という時は家に集まって家庭料理を作ったり、出前で取ったりして食事というふうになります。
逆にパンジャーブは女性も外に出ますしクルマも持っているし運転もします。でも田舎に行くと女の人の運転にびっくりする人も未だにいっぱいいるんですよ。
ス:
都市部と郊外で感覚が大きく違っているんですねえ。
ジャ:
イスラマバードが故郷ですがもう亡くなってしまった父母は「あなたは海外が長くて不便だろうからラホールに住みなさいよ」とよく言っていました。そっちはオープンマインドな人が多くて住みやすいからです。いまはマクドナルドのカウンターで女の子が働いているくらいです。変わってきているんですよ。すごくいいことだと思います。ラホールやカラチの人はみんなオープンマインドで、子供達もちゃんと勉強をして世界を見ています。
はじめは僕だけがラホールに住みなさいと言われてつらかったです。でもお父さんが亡くなってから、イスラマバードでの男性と女性が別、仕事や外出やいろいろなものの不自由とか周りの人の噂とかそういうものがないラホールに住みなさいという言葉の意味がわかってきてとても感謝しています。
*
これはきっと世界のいろいろな場所で流通や情報の流れが変わってきているということなのですね。それと並行して都市部での女性の地位が変化してきているのでしょう。これが2016年のパキスタンの今、なのでしょうか。
ス:
ではまた料理の話に戻りますね。
さっき家庭料理と外で食べるレストランの料理を比較してお話を聞いたんですが、パヤとかハリームとかニハリとかはおうちでは作らないとお聞きしました。
僕の中ではこのニハリやハリームなんかがとてもパキスタンらしい食べ物、イスラム料理らしさがあるなあと思うんです。おうちでは作らないのは何故なんですか。
ジャ:
まずすごく時間がかかる料理なんですよ。店で作るのでも仕込みを朝8時から始めて12時過ぎまで4時間以上かかります。それと例えばハリームの場合は3〜4人の家庭だと少しの肉だと作れないので持て余してしまうんです。
ス:
ああ、量という問題もあるのですね。
ジャ:
はい。大きな鍋や大きなヘラ、棒などを使って作るので、もともとレストランや屋外で作るのが当たり前なんですね。レストランではキロ売りでハリームや他の料理を売っていますし、、
ス:
日本でもパキスタンのレストランではキロ単位売りやってますね。
ジャ:
そうです。道具が必要でそれが大きくて、量を作らないとやはりちゃんとしたものが作れないのです。それと例えばパヤ専門のパヤしか作っていない店なんかもあって、みんなそういうところで買うんです。ズラーッと並んでパヤの店やニハリだけを売る店で買うんですよ。
ス:
パヤとニハリの違いってなんですか?
ジャ:
パヤは牛のスネから足の先までを使います。それを煮込む料理です。お肉の部位の関係で6時間くらいかかっちゃいますね。
ス:
それは大変だなあ。
ジャ:
店なら夜11時くらいに火を入れて朝4時くらいにタマネギを入れてまた火を入れ続けて昼前、11時くらいに仕上がります。そういう作り方ですから家庭ではまず作れません。
ス:
それはそうですね。すごい時間がかかるのですねえ。
*
おや、ちょっとごめんなさいね、と言ってジャベイドさんが席を外しました。なんだろう?コックさんに何か言っています。あ、戻ってきた。何かをお皿の上に乗せて持ってきてくれます。
ジャ:
これを見てください。これがスネ肉。これをパヤにするんです。
ス:
おおー!スネ肉。パヤの元ですね。スネを骨ごと輪切りにしてありますね。
ジャ:
そうなんです。これを12時間煮込むんですよ。
たとえば結婚式の前の日、花婿さんがパヤを食べにいきます。友達と食べに行くんですよ。それはつまり、元気になるように。
ス:
ああっ!それはつまり、元気になるように(笑)
ジャ:
そういうことです(笑)栄養がありますからね。肌がきれいになったりもします。
ス:
いやあ、そういうのはどこの国でもあるんですねえ。おもしろい。これはやはり人という生き物の根源的なもので子孫繁栄とか種を残すという絶対的な価値の部分なのでしょうねえ。生への根源はちゃんと食べ物と結びついたりするわけか。こういうのはとても納得がいきます。大事な話ですよ。
レバーマサラもこれ、そうだけどやっぱり注意してみるとトマトベースではないんですねえ。雰囲気、味が違う。なるほど、そうかあ。確かにインドの料理と違うなあ、、、
*
ジャベイドさんがまた外すとスパイシーさんはテーブルの料理をつつきながらひとりぶつぶつと呟いています。
カラチの空のテレビでは現地の放送が流れています。CMで女性の生理用品のコマーシャルが流れています。なるほど、日本人が考えるイスラム教のイメージというのからすればテレビCMで生理用品などあり得るのか?!と驚きますが、それが2016年の真実なのかもしれません。
あ、ジャベイドさんが戻ってきました。
ジャ:
すみません、お待たせしちゃって。
ス:
いえいえとんでもない。
ほかに言える範囲で元気になる食べ物は何かありますか?(笑)
ジャ:
そうですねえ。ああ、パヤなんですけどね、子供には食べさせないんですよ。食べるのはがんばりたい人、彼女いる人、そういう人たちが食べます。
ス:
これは初めて知りましたよ。この事を日本人で知ってる人あまりいないんじゃないかなあ。
ジャ:
僕もパキスタンで結婚した時、その前の日に友達とパヤの専門店に食べに行きましたよ。それはパキスタンではみんな知っていてみんながやるんですよ。日本にいるパキスタンの人が言わないだけでね。
ス:
すごいおもしろいですよね。
パヤはパヤキニハリ、というのが名前ですよね。それでニハリっていうのは朝という意味なんですか?どこかで聞いたんですが。朝食べるものなんですか?
ジャ:
朝は、食べますね。言葉の意味としては朝そのものの意味ではないのですが、ニュアンスはあります。プリ(揚げパン)やニハリを友達や親戚と食べるので朝待ち合わせをしたりしますね。
ス:
朝食をみんなで、という感じですか。
ジャ:
そうです。
揚げパンの専門店では揚げパンの朝食とか。ニハリ専門店でニハリの朝食とか。
ス:
朝からニハリ、重たくないですか?
ジャ:
いや、大丈夫ですよ。なにも食べてない状態でニハリを食べるのがいいんです。あとレモンを多用するんですよ。ニハリにも、ビリヤニにも、お水にもしぼります。だからさっぱりする。
ス:
ああそうか、パキスタンはイスラム料理になるわけで、中東の料理には柑橘類をしぼることが多いですよね。
ジャ:
そうなんですよ。うちの店でもたくさん使います。からだにいいんですよ。
ス:
朝ごはんの話しなんですが、皆さんがどういう朝食を食べてるのかなあって思ったんです。少し調べたらサダパラタにニハリとかきのうの残り物のカレーとかをあわせることが多いって。
ジャ:
うん、そうですね。そういう感じが多いです。
ス:
サダパラタってなんですか?聞いたことなかったです。パラタの仲間?
ジャ:
そうです。パラタは知ってますね?生地を細長く伸ばしてぐるぐるって巻いて上からばちんってつぶして。
ス:
はい、知ってます。サダ、はなんですか?
ジャ:
油を中に入れないスタイルのパラタなんです。サダ、は普通のという意味です。
ス:
あ、そうだ。パラタは油を生地に練り込みますね。
ジャ:
サダパラタは油を入れません。作り方は同じで油はフライパンに敷いて焼くんです。太ってる人とか脂っこいのがダメな人はサダパラタを選びますよ。
ス:
サダパラタときのうの残り物のカレーっていうところがちょっと気になったんですよ。日本の人が勘違いしているのかもしれないんですが、パキスタンやインドのひとたちはその日のカレーは作った日に食べきる、次の日には持ち越さないって思ってるみたいなところがあるんです。
ジャ:
そんなことないですよ。次の日の方がおいしいんです(笑)
*
スパイシーさんがパキスタンの人から「一日寝かせたカレーがおいしい発言」をもらいました!これはおもしろくなってきました。
ス:
ありゃ〜やっぱり。肉のカレーだからかなあ。
ジャ:
きのう残ったカレー、たとえばこれ。今日作っていま出したカレー、あした食べるとすごくおいしいんですよ。
ス:
おおお〜!(笑)
日本人で市販カレールウではなくてスパイスを使って一からカレーを作る方々が、その日のうちに作り立てを食べなきゃダメだって言うことが多いんですよね。
ジャ:
僕は自分のお店のカレーを北海道とか沖縄の人に送ってあげることがあるんです。一度にたくさん送るんですね。彼らはいっぺんには食べられないから冷凍とか冷蔵で1週間とかかけて食べるわけです。ニハリも今日作ったやつより次の日の方がおいしいから。カリーパコラ(パキスタンのフリッター入りカレー)ヨーグルトのカレーですが、それは3日目がおいしい。作った日はまあまあ、次の日の方がおいしい、3日目はすごくおいしい。4日目は最高です。
ス:
へええ〜!それは冷蔵庫で保管ですか?
ジャ:
もちろん!パキスタンでは家で作るカレーはだいたい3日分作っちゃうんですよ。3日は保ちます。4日で最後かな。
ス:
これは聞きたかったんだよなあ!おもしろいです。
ジャ:
うちの店は毎日カレーを作ってその日に作ったものを出します。冷凍は絶対しません。食べきれなくてもったいないっていって自分の責任で持って帰るお客さんもいますが、大丈夫。その日に作ったもので、スパイスもはいって火もはいって安全です。はやく食べないとダメですけどね。
日本のスパイスカレーのレストランは具材も入れてスパイスも入れてカレーを完成してそれを冷凍したりするところもあります。うちはそれをやりません。
パキスタンだとお客さんも多くてお店もたくさん仕込むから回転がいいんですね。それで持ち越しても1日とかで、おいしくなってる。うちもそう。
日本だとそうじゃない店もあるから冷凍しちゃうところもあります。それで5日後に出すとか。それだとおいしくないです。冷凍ではダメです。冷蔵で翌日だとおいしくなる。そこまでです。
ス:
ああ、わかった、なるほど、違いが理解出来ました。そうなんですねえ。
たとえばもっと大事な、特別な人が訪ねてきてそのときに出す料理で脳みそのカレーがあるって聞きました。
ジャ:
それはね、なかなか簡単に食べられるものじゃなくて、うちの店でも出しますが他のカレーより高いですよ。作り置きは出来ません。注文が入ったら作るんです。作り立てを食べないと味が変わっちゃうんですよ。作って2〜3時間のあいだだったら大丈夫です。高級品なんですよ。
ス:
脳みそのカレーはその、元気になるんですか?(笑)
ジャ:
いや、頭がよくなるっって言われてます(笑)
ス:
脳みその料理って他にはなにかあるんですか?
ジャ:
いや、だいたいカレーだけですね。ものすごくおいしいですよ。
ス:
ハリームのお話しなんですけど中に入っているものを教えてください。豆、大麦、小麦、肉、で、大麦、小麦はパウダーじゃないんでしたよね?
ジャ:
パウダーじゃないですね、そのままの粒のもの。
ス:
それらを煮込んで煮込んで、、、
ジャ:
はい、そうです。
ス:
お肉は?
ジャ:
つぶすんですよ。だから小さい鍋だとできないんです。大きな鍋で潰して煮ます。30人とか40人前をいっぺんに作ります。だから家庭では作れないんです。
昔だと村で集まって作ったり親戚が集まったりそういう時に作ることもありました。前は毎年12月の最後の日にみんなが店に集まってお金出し合って、道具は店のを貸してあげて大勢で順番に手をかけて作るなんてこともしていましたよ。餅つきみたいなもんです。
ス:
そうか、お正月のお餅つきみたいなものなんだ。楽しいなあ。ハリームはいつ食べるものですか?
ジャ:
いつっていうのはないですよ。いつ食べてもいい。うちは金土日は必ず仕込みますよ。あと注文が先にあったらそのときも仕込みます。
ス:
ラマダーンの期間の夜の食事に食べるって聞いたことがあります。
ジャ:
そうですね。ラマダーンの夜の食事はビリヤニ、ハリーム、ニハリなどを食べます。パヤは食べちゃだめ。ゴーヤも食べちゃだめ。ゴーヤはのどが渇くから。
ビリヤニよりもプラオがいいんですよ。ブラックペッパーだけでやるしチキンのことが多いからからだにもいいですよ。
※もっと読みたい方はインタビュープロジェクト『Diggin'』のページへジャンプしてみてください。ラマダンの話、ハラール、ハラームの話、カラチの空が八潮に誕生するきっかけの話etc.興味深いお話盛りだくさんです→http://blog.livedoor.jp/kiyotoku_sauceco-spicymaruyama/archives/cat_1240165.html
カラチの空
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