唐辛子はなぜ辛い?? その2 | スパイシー丸山「カレーなる365日」Powered by Ameba

唐辛子はなぜ辛い?? その2

唐辛子はなぜ辛いのか??

1つ前のエントリーで引用させていただいた

 

信州大学大学院の松島憲一准教授で検索をかけてみると

 

唐辛子に関する情報がいろいろヒット!!

 

そして、新たな説も見つかりました!!

 

 

その説によると、

 

唐辛子を腐らせるフザリウムという菌から身を守るため

 

唐辛子は辛さを発揮しているんだそうな!!

 

菌の生じにくい乾燥地帯の唐辛子は辛くなく、

 

菌が生じやすい高温多湿地帯の唐辛子は“辛い”傾向があるようです。

 

へぇーー!!!

 

この記事の前編も合わせて読んでみると、

 

日本の唐辛子の奥深い世界が見えてくるので、

 

興味のある方はぜひ。

 

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「激辛」世界一を目指さないのにはワケがある
唐辛子から見る日本ピリカラ論(後篇)

漆原 次郎

 

JBpress 2013年8月2日

 

 辛い食材の代表格「唐辛子(トウガラシ)」をテーマに、前後篇で日本における歴史と現代における科学研究を追っている。

 前篇では、日本人と唐辛子のつきあい方を、伝来から現在に至るまで見てきた。遅くとも16世紀以降、唐辛子は日本人に食べられ続けてきた。日本の“慎ましやかな辛さ”への要求をそこに感じ取ることができる。

 そしていま日本人は、食の多様化とともに、様々な形で唐辛子を受け入れることになった。伝統性と多様性が相まみえる中で、唐辛子に科学的な視点も向けられ、新たな唐辛子の生かし方の研究も進んでいる。

 そこで後篇では、唐辛子を研究のメインテーマの1つにしている信州大学大学院農学研究科の松島憲一准教授に唐辛子研究の現状を尋ねた。

 科学、文化、産学連携と、様々な視点から唐辛子研究を進める松島氏に、唐辛子の辛さの秘密、日本における唐辛子栽培の発展性、そして日本人と唐辛子と未来を語ってもらう。

ネズミでなく、鳥に食べられたい

 なぜ唐辛子に辛さがあるのか。この根源的な問いに対して、様々な視点から説明をつけることができる。

 まず、化学的な視点だ。19世紀、すでに西欧の研究者が唐辛子の辛さの正体を突きとめていた。その物質はいま「カプサイシン」と呼ばれている。

 その後、唐辛子には、カプサイシンとつくりの似た「ディヒドロカプサイシン」や「ノルディヒドロカプサイシン」といった物質も含まれていることが分かった。これらを含めた類似物質は「カプサイシノイド」という総称で呼ばれている。「唐辛子を食べたときの辛みに大きく影響するのはこの3つです」と、松島氏は説く。

 生理学的な視点からも辛さの感じ方が解明されている。われわれの体の表面にあるバニロイド受容体という場所に、カプサイシンなどの辛み成分がはまることで、脳に辛さが伝わる。

 

その辛さは、実は痛覚と温感によるもの。つまり、辛みは、甘みや苦みなどの味覚とは一線を画すのだ。「英語で唐辛子を“Hot”というのも的を射ています」

 進化学的な視点、つまり唐辛子がなぜ辛くなったのかには諸説がある。松島氏は、自然誌研究者ジョシュア・テュウスクベリーと農業生態学者ゲーリー・ナブハンが共同で2001年に「ネイチャー」に報告した説を紹介する。

 

松島憲一氏。信州大学大学院農学研究科准教授。博士(農学)。信州大学大学院農学研究科修了後、農林水産省に入省し、国際部係長、九州農業試験場研究員、農村振興局専門官などを歴任。2002年、信州大学大学院農学研究科機能性食品開発学専攻に助手として赴任、2005年に助教授、2007年より現職。専門は植物遺伝育種学。著書に『野菜万歳』(共著・新宿書房)『トウガラシ讃歌』(共著・八坂書房)など。雑誌などへの寄稿も多数。

 

 「唐辛子の種子は、ネズミに食べられると、糞からの発芽率が悪くなります。かつネズミの行動範囲も広くないので、種子を広めるという点では“食べられ損”となります。一方、鳥に食べられると、糞からの発芽率は高い。それに種子を飛んで遠くまで運んでくれます。カプサイシンの辛さは、ネズミなどの哺乳類には感じられますが、鳥にはあまり感じられません。鳥に食べてもらう一方、哺乳類には食べられないように、辛さを進化させていったというのがこの説です」

 

 他にも説はある。唐辛子を腐らせるフザリウムという菌から身を守るため辛さを発揮しているという説だ。菌の生じにくい乾燥地帯の唐辛子は辛くなく、菌が生じやすい高温多湿地帯の唐辛子は辛いという傾向があるというのだ。

 松島氏は「両方の説とも、自然界で唐辛子の果実中のカプサイシンがうまく働いている興味深い例と言えます」と話す。

ほんのりとした辛さの謎を解明

 世界では、より辛い唐辛子を目指した開発も行われている。スナック菓子の名前にも使われたことのある「ブート・ジョロキア」が、それまで世界一だった「ハバネロ・レッドサヴィナ」を辛さで上回り、2007年に“世界王者”の座に就いていた。

 だが、2011年に「トリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラー」という別の品種が、辛さのギネス世界記録に認定された。乾物1グラムあたりの総カプサイシノイド量は9万マイクログラムほどという計算になる。これはジョロキアの1.5倍に及ぶ辛さだ。

 

 松島氏によると、ジョロキアやハバネロなどは在来品種かそれに少し手を加えた程度の品種だったのに対して、ブッチ・テイラーは、“世界王者狙い”で品種改良され、栽培方法まで考えられてつくりだされたもの。

 さらに、「トリニダード・モルガ・スコーピオン」という別品種も、唐辛子の世界的権威である米国の研究者が“世界一辛い”と認めている。ジョロキア登場のあとも、辛さをめぐる熾烈な争いは続いているのだ。

 松島氏も、以下に見る通り、唐辛子の品種改良をしている。世界王者を狙う気はないのだろうか。

 「いまのところ参戦する気はありません。開発すれば話題にはなるでしょう。でも、それは日本で受け入れられるものではないからです。マイルドな辛さの品種を作る方が、日本の食文化には合っています」

 実際、松島氏は、ほんのりと辛さを感じる唐辛子の仕組みを解明してきた。これまで、“辛くない唐辛子”として知られてきたピーマンなどでは、辛みを完全に制御する遺伝子が見つかっている。一方で松島氏たちは、辛さを“完全に”抑えるのでなく、“極低量”に抑える別の遺伝子を発見した。この遺伝子を利用すれば、居酒屋などで運悪く出くわすシシトウの突発的な辛さなどを抑えることもできるという。

目指すは地域が潤う唐辛子

 

長野県北部の中野市などで栽培される唐辛子「ぼたんこしょう」(写真提供:松島憲一准教授、以下同)

 

 日本に合った唐辛子の開発とはどのようなものか。松島氏は、長野県などで採れる地元の唐辛子在来品種を保全し利用する一方で、新たな唐辛子品種を導入して地域産業に活用する取り組みも行っている。

 対象の1つが、「ぼたんこしょう」という長野県北部の在来品種の唐辛子だ。一見、ピーマンのような外見だが、果実のお尻のほうから見るとボタンの花のような高貴さも漂わす。

 地元には昔から、ぼたんこしょうを、在来の丸茄子、大根の味噌漬け、みょうがとともにみじん切りにして混ぜた「やたら」という生ふりかけのような郷土料理がある。「これはうまいですよ」と松島氏は太鼓判を押す。

 

ぼたんこしょうを含む、県内の唐辛子在来品種のほとんどは、かつて自家用栽培をするくらいにとどまっていた。しかし、その土地ならではの唐辛子には高い商品価値がある。そこで、松島氏は地元の生産者と手を組んで、こうした唐辛子を産業化しようとしている。

 

ぼたんこしょうを他の野菜とみじん切りしにした郷土食「やたら」

 

 「唐辛子栽培は、中山間地向けです」とも言う。「軽量野菜なのでお年寄りでも扱いやすい。それに辛いので獣も寄りつかず、獣害にも遭いにくいのです。ぼたんこしょうのように、限られた地域でしか作られていない唐辛子は地域資源にもなります」

 松島氏は、ぼたんこしょうの甘みや辛みなどの味の成分や、抗酸化作用のあるポリフェノールなどの機能性成分の量を測るなどして、商品価値の科学的裏付けを取っている。産業化すれば、食文化の継承、農業の再生、遺伝資源の保全といった様々な効果が生まれそうだ。

 長野県には、地元で採れた唐辛子を食品に積極的に利用しようとする企業もある。松島氏は、そうした企業と製品開発を進めてもいる。その1つに、前篇でも紹介した、善光寺門前にある七味唐辛子の老舗「八幡屋礒五郎」との産学連携がある。

 「八幡屋礒五郎さんは多くの量を扱っているため県外産の唐辛子も使っていますが、名実ともに信州の唐辛子にしていきたいという社長の強い思いがあります。そのお手伝いをしています」

 信州の中山間地での原料用唐辛子栽培では、実が赤く熟す前に霜が下りることや、寒い地域では辛みが減ってしまうことが克服すべき課題となる。そこで八幡屋礒五郎と共同で、霜が降りないうちに赤く熟す早生で、かつ冷涼な気候でも辛さを保つような新品種を交配育種で開発している。

 他に、長野県飯島町に工場を持つ食酢メーカー「内堀醸造」とも協力し、酢との加工に適した唐辛子の品種導入を検討した。自治体とも連携し、飯島町の畑で採れる「チェリーボム」という品種を使った「すっぱ辛の素」という商品を誕生させた。

 

 「地域も儲かる。食品会社も儲かる。さらに唐辛子を求めて外から人が来る。在来品種を使用した場合は遺伝資源も保たれる。そのようなシステムをこれからもつくっていきたいと思っています」

日本で食事の激辛化はどこまで進むのか?

 日本人と唐辛子のつきあいを長い歴史の中で捉えれば、ここ何十年は、伝来以来はじめての激動期と言えるのかもしれない。長らく日本人は唐辛子に“慎ましやかな辛さ”を求めてきたが、いまやラーメン、カレー、鍋、スナック菓子と、多方面の食で激辛化が進んだからだ。

 ただし、その激動も、なにもないところから起きたわけではない。

 「食文化として、七味唐辛子や地元の唐辛子などが途切れることなくずっと続いてきました。もともと日本人が江戸時代から持っていた、度を過ぎない“辛いもの好き”の下地があってこそなのでしょう」

 これから、唐辛子と日本人の関わり合いはどうなっていくのだろう。類いまれなるこの辛い食材を、松島氏は冷静に見つめる。

 「今後、唐辛子のような辛いものを食べる世代は広がり、若い人からお年寄りまで辛いものをさらに食べることになるでしょう。だからといって、日本のきつねうどんが全て真っ赤になるようなことは起きないと思います。日本人が続けてきた、日本食に合った唐辛子の使い方は、それはそれとして残っていくのではないでしょうか」

 変わらない部分と変わっていく部分。その両方を抱えながら、日本人と唐辛子の関係は続いていくことになる。

 

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