唐辛子はなぜ辛い?? (再掲載) | スパイシー丸山「カレーなる365日」Powered by Ameba

唐辛子はなぜ辛い?? (再掲載)

唐辛子や激辛のニュースが続いたので

 

以前、ブログに載せた唐辛子の話を再掲載してみまーーす!!!

 

 

カレーの辛味スパイス、唐辛子はなぜ辛いのか???
 

 

諸説ありますが、


どうやら、鳥に種を運んでもらうための進化の結果のようなのです!

ネズミが食べると種を傷つけて発芽能力が低くなってしまう・・、

鳥は丸呑みなので無傷&行動範囲が広いので遠くに運んでくれる。

鳥はネズミと違い辛味をあまり感じないので

鳥だけに食べてもらうために辛くなろうと進化したんだとか!!!!

 


いやー、面白いなぁー♪♪♪

他にも、

目からウロコの面白い唐辛子情報が盛りだくさん!!!!!!

時間がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

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「熱いぞトウガラシ」コーナーより

トウガラシの辛味の秘密

(月刊 農業 2013年8月号)

松島憲一

 

 トウガラシといえば辛い、辛いといえばトウガラシ。その強烈な辛さは香辛料の中でも群を抜いている。しかし、トウガラシとあの辛さについては意外と知られていない秘密がいくつかある。最近の研究などからその秘密の一部を紹介しよう。

トウガラシが辛いのは鳥に食べてもらうため

 トウガラシが辛い果実をつけるのは、人の手によって辛く品種改良された結果であると思っている方も多いだろう。実際、我々が普段食べているリンゴやナシ、メロンにスイカは、酸っぱかったり苦かったりする野生の果実を人の手によって甘く品種改良してきたという経緯がある。

 しかしトウガラシは野生種そのものが十分な辛さを持っている。我々の分析では、いくつかの野生種トウガラシが、日本のトウガラシの代表品種である鷹の爪と概ね同等の辛味成分含量を持っていることを明らかにしている。

 

 それではなぜ、トウガラシは辛い果実をつけるようになったのか。科学雑誌の中ではもっとも権威のある『ネイチャー』に掲載された論文によると、それは鳥とトウガラシの関係によるとされている。トウガラシの種子は薄くて、いかにも弱々しい。この種子を、例えばネズミが食べると、歯で囓られる上に、哺乳類の複雑な消化器官を通過することで、糞と一緒に排出された種子の発芽能力はなくなってしまうことが多い。

 一方で、鳥は果実ごと丸呑みしても、哺乳類より簡単な消化器官なので種子は傷つかず、糞と一緒に排出された後に芽を出すことができる。その上、鳥はその翼により、ネズミより遥かに行動範囲が広いので、野生トウガラシにとっては生きた種子を広範囲に運んでくれるベストパートナーといえるのだ。

 そこで、野生トウガラシはネズミには食べられないで、鳥だけに食べてもらうように進化する道を選ぶことになる。その手段が「辛味」の獲得だったのだ。じつは鳥はネズミと違ってあまり辛味を感じない。野生トウガラシはそこに着目し、ネズミなどの哺乳類が強く感じる「辛味」という特殊な味をその果実に持つことで、鳥だけに食べてもらえるように進化してきたのだ。

 

 

辛味以外に旨味も甘味もある

 このように鳥との関係で辛味を獲得したと考えられている野生トウガラシだが、その後、その辛味ゆえに人間に好まれ栽培されて、故郷である中南米から世界中に広まることとなる。結果的には鳥が運ぶよりもっと広範囲に伝播し、食されるようになった。

 では、トウガラシが世界中で愛されるのは、その辛さだけが理由なのだろうか。強烈な辛さが口に先制攻撃を加えてくるので辛味以外の味についてはあまり気がつかないだろうが、じつは赤いトウガラシには旨み、甘み、酸味と香りがたっぷり含まれていて美味しいのだ。

 例えば、我々が長野県北信地方のトウガラシ在来品種「ぼたんこしょう」の成熟果実を使って計測したところ、旨み成分であるグルタミン酸の含量が163.3mg/100g、糖度(ブリックス)が8.2となっており、旨味と甘味を兼ね備えていることがわかった。ちなみに、グルタミン酸を多く含んでいるトマトが同じ方法での計測で232mg/100g、糖度は一般に5~7とされているので、旨味はトマトより劣るものの甘味は同等かそれ以上ということがわかる。

 また、トウガラシ果実を乾燥させることによって新たな美味しさが生まれることも知られている。メキシコ料理では日本の第一人者である渡辺庸生シェフに以前お聞きしたところによると、メキシコの乾燥させたトウガラシから、とてもよい出汁がでるので、メキシコ料理にとってトウガラシは辛味付けだけではなく、日本のカツオ節やコンブと同様の意味合いを持つのだそうだ。

辛味を引き立てる調味料

 とはいうものの、やはり辛味はトウガラシの命。そのトウガラシの辛さの素である辛味成分はカプサイシン(正確には類似物質を含めたカプサイシノイドと総称される成分)であることは、すでに広く知られている。このカプサイシンは水には溶けにくく、油やアルコールに溶けやすい性質をもっていることから、この性質を利用して辛味を引き立たせた調味料がいくつかある。

 例えばラー油、トウガラシをはじめとして中国山椒(花椒)、ショウガ、ネギ、ニンニクなどの香りと辛味をゴマ油に移したものである。油にカプサイシンが溶け込んだ状態なので、上澄みの油だけを餃子のタレに入れても辛味がしっかり付くというわけである。

 一方で、沖縄のコーレーグスという調味料は沖縄ソバの辛味付けとして欠かせない調味料であるが、沖縄の在来トウガラシ品種である島トウガラシを泡盛に漬け込んだものであり、こちらは島トウガラシのカプサイシンが泡盛のアルコール分に溶け込んだものを調味料として利用するものである。

 また、酢にもカプサイシンは溶けることから、タバスコ・ペッパーソース(通称タバスコ)のような酢を使った辛味調味料もいくつかある。わが家でも家庭菜園で収穫したさまざまなトウガラシの果実を輪切りにして酢に漬け込んでおいて、いろいろな料理の辛味付けやタレとして利用している。前述したトウガラシ自身の甘味、旨味と相まって、簡単な美味しい万能調味料になるので重宝している。

 

トウガラシの辛味を抜く方法

乾燥したトウガラシを半分に切り、中のタネとワタの部分を取り除き、35度のホワイトリカーに2時間ほど浸けるだけ。これで辛味の抜けたトウガラシに。意外においしい(編集部)
 

リン酸の施用量で辛味は変わる

 さて、トウガラシの産地に調査に出かけると、よく生産者さんから相談されるのが、辛味が安定しないという悩みである。「昨年と今年で辛味が違う」「誰々さんの畑と私の畑で辛さが違う」等々。私の経験からすると、暑い場所、暑い年のほうが涼しい場所、涼しい年よりも辛味が強くなることが多い気がするが、その予想と反する結果になる場合もあるので、辛味と栽培環境との関係は奇々怪々である。

 そんな中で、我々の実験結果で明らかになっているのは肥料と辛味の関係である。以前、ある生産者の畑をお借りして試験をしていたら、辛いはずのトウガラシ果実が、そのままポリポリと食べられるくらいの辛さしかなかったことがあった。もしやと思い、その畑の土壌を採取して調べてみたところ、可給態リン酸量が異常に多かったのだ。

 その後、肥料の3要素(チッソ、リン酸、カリ)の施用量をそれぞれ変えた試験をしてみると、チッソとカリの施用量と辛味との明らかな関係はみられなかったが、リン酸施用量と辛味成分含量の間には一定の関係があることがわかった。リン酸施用量が増えるに従って辛味は増すが、ある量を超えると、それ以降は辛味が弱くなっていく。すなわち、リン酸施用量は多すぎても少なすぎても辛味成分含量が低くなる傾向にあることがわかった。

 

種子が少ないシシトウは辛い

 辛味が変わるといえば、辛くないはずのシシトウの中に辛い果実が混ざっていて、不意打ちを喰らうことがたまにある。その原因として、「鷹の爪などの辛いトウガラシの花粉がシシトウの花に着くと果実が辛くなる」と、まことしやかに言われているのをしばしば聞くことがある。しかし、過去の我々の実験により、その事実はないことがわかっている。

 それよりもむしろ、シシトウ果実内の種子の数と辛味との間に関係があることがわかっている。私の大学の講義の一コマで、学生に一本ずつシシトウを手渡し、果実の中の種子数を数えてもらうと同時に、果実の中でもっとも辛い胎座(種子が着いている白いところ)を舐めて辛いかどうかを調べてもらった。

 その結果、受講者81人中、69人のシシトウが通常の「辛くない」果実で、残り12人のシシトウが「辛い」か「ちょっと辛い」果実だった。「辛くない」果実の種子数は平均で100.2個、「辛い」もしくは「ちょっと辛い」果実は平均で29.6個であり、種子の数が少ないシシトウは辛くなる傾向にあることがわかった。

 シシトウは、開花時の高温や乾燥、夜間の低温などで辛味果実が出てしまうことがあるといわれているが、おそらくは、そのような劣悪な環境下では受粉が上手くいかず、種子の少ない果実が着果してしまい、その果実が強い辛味を持つことになると考えられる。この現象は、種子表面の「種皮」部分を作る(硬くする)成分「リグニン」と辛味成分「カプサイシン」の材料物質が同じことから、種子の少ない果実では、種皮の原材料となる物質が余ってしまってカプサイシンの合成に流用されるので、辛くなるのではないかと推察される。

 トウガラシは中南米起源でコロンブス以降に世界に広まったとされている。そして、いくつかの国や地域で、その国や地域の食文化を代表する作物にまで昇格した。それは、あの刺激的な辛味が大きな理由だろう。食べて美味しい、知って面白いトウガラシの謎。ますますトウガラシを好きになったのではないでしょうか?

 


シシトウの辛味果実と種子の関係

 

辛い果実 : ちょっと辛い果実・辛くない果実

果実数 12 : 69

果実あたりの平均種子数 29.6 : 100.2

(最小-最大) (13-51)  : (25-233)

 

種子が多いシシトウは果実が辛くない


(信州大学大学院農学研究科)

 

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