世界のカレー フィジー編 | スパイシー丸山「カレーなる365日」Powered by Ameba

世界のカレー フィジー編

世界のカレー。

 

今回はオセアニア地域に目を向けてみましょう。

 

300以上の島からなる南太平洋の島国、

 

フィジーのカレー事情を書いてみたいと思います!!!!
 

 

フィジーにカレーはあるのか??

 

ここに書いているということは、「ある」のです!!!

 

というのも、

 

フィジーの人口の約40パーセントを占めるのはインド系フィジー人。

(かつては約50パーセントくらいありました)

 

 

つまり、カレーというより、

 

インド料理が普通に食べられているので、

 

インド料理の中のカレー料理も

 

ごく普通に食べられているということになるんですね。

 

 

どうしてフィジーにインド人がいるのか??

 

この“世界のカレー”カテゴリーでは毎度書いていますが、

 

大事なお話なので今回もしっかりと明記しておきましょう。

 

フィジーに限らず、以前紹介したトリニダードやジャマイカ、

 

南米だとスリナム共和国だったり、南アフリカだったりetc.

 

世界の国には、どうしてそんな国に??という場所に

 

インド移民が住んでいたりするのですが、

 

インドにおける悲しい歴史の1つ、

 

長期契約労働(1838~1919年)の存在を理解すると、

 

インド人がそこにいる理由がわかります。


1833年に実現した(黒人)奴隷制度の廃止。

制度廃止により各地のプランテーションでの労働力不足が起きますが、

これをインド人労働者によって補おうと

インドを支配していたイギリス人が考えたのが

“長期契約労働”という制度。

小作農が法的拘束力のある契約を結び、

5~7年の間、労働力を提供し、その代償として、宿所、食料、医療品、

衣類、最低の賃金、渡航費用が与えられる制度だったのですが、

国から出て行ったら最後。。。。

ほとんど祖国へ戻れない、ひどい制度だったんですよね。。。。

制度とともに150万人がインドを離れ、

世界各地にインド人が散らばり

それとともに、彼らの食文化も各地へ広がっていったのでした。

 

 

国によっては南インドルーツのインド移民しかいなかったりしますが、

 

フィジーには北インドルーツの人たちと南インドルーツの

 

インド系フィジー人がいるとのこと。

 

このブログでもよく情報として引用している

 

リジーコリンガム著「インドカレー伝」に興味深いことが書いてありました!

 

51XVCH8o85L._SX346_BO1,204,203,200_.jpg

 

本によると、北インドルーツのインド系フィジー人は

 

南インドルーツの同胞を『カタ・パニ(酸っぱい水)』と呼ぶそうです。

 

これは南部ルーツの人たちが

 

料理の酸味付けにタマリンドを多用することを揶揄したものだそうな。

 

逆に南部ルーツの人たちは、

 

北インドルーツの人のことを『クリ』と呼ぶそうです。

 

これは“軟弱でけちであることをほのめかす言葉”。

 

香辛料をたっぷり使った南部の料理に比べて

 

北部の料理は香辛料がたりないことを指しているようです。

 

 

日本でも、例えば同じ県内ですら

 

出身地をネタにイジったりすることがありますが

 

どこの国でも同じことがあるのですね(笑)

 

 

インド系フィジー人のインド料理は、

 

基本的にはインドの料理とあまり変わらないと思われます。

 

 

あえて挙げると

 

ホールスパイスと市販のカレーパウダーを組み合わせるパターンが多いことと、

 

新鮮な魚だけでなく、魚の缶詰を使うカレーがあることですね!!
 

こちらにレシピが色々載ってます。

※パンジャ・アンド・サンズというグジャラートの会社がインド系フィジー人社会に香辛料とマサラミックスを販売しているそうです。
 

 

どうして缶詰なのか??というと、

 

19世紀に宣教師によって缶詰食品が伝えられて以来、

 

太平洋諸島の人々は社会的地位の高さを示すものとして

 

缶詰を好むようになったんだそうです!!!

 

※情報ソースはリジーコリンガム著「インドカレー伝」。

 

 

せっかくなので缶詰カレーのレシピ動画も。

 

こちらはサバ缶のフィッシュカレー。

 

 

こちらはサーモン缶のフィッシュカレー。

 

 

レシピ動画にも出てきた『777』というブランドの缶詰。

 

 

よく見てみると、トマトソース入りのものもあるのですね!!

(塩とオイルのみのバージョンもあるようです)

 

なるほど!

 

だから動画の缶詰の魚が入った器には赤い汁も入っていたんだ!

 

フィジー式缶詰カレーを再現する時は

 

サバの水煮缶にケチャップなどを加えると近くなりそうですね。

 

 

フィジーのカレー事情。

 

興味深いのはインド系フィジー人だけでなく、

 

近年はインド系以外のフィジー人たちも食べるようになってきて、

 

いまでは、フィジーの村にも広がりはじめているということ。

 

例えば首都スヴァからはなれた小さいオヴァラウ島の

 

ロヴォニ地区の子供たちは学校の給食の献立を例に挙げると

 

月曜日はダル、金曜日はカレー、

 

週の残りの日はフィジー風のスープと缶詰の魚といった具合。

 

当たり前のようにダルやカレーが子供にも食べられているのです。

 

 

また、フィジーの大人のあいだでカレーが人気なのは

 

この地方の麻酔性のカヴァという飲料とよく合うから!なんだそうな。

 

 

麻酔性って・・、どっ、どんな飲み物なんだろう??

 

※胡椒族の低木の根から作りアルコールは含みません。飲むと舌がピリリと痺れてくるようです。

 

 

さて、

 

インド系ではないフィジー人はどんな料理を食べているのでしょう??

 

サクッと調べてみると、

 

主食はキャッサバやタロイモで魚料理が多いですね。

 

南国なのでココナッツを多用している印象がありました。

 

いくつかピックアップしてみます。

 

こちらは生魚をココナッツミルクと合わせたココンダという料理。

 

 

サイコロ状に切った生魚を、レモンかライムのジュースでマリネして

 

ココナッツミルクに浸して作るようです。

 

唐辛子を刻んで加えたり、多少の野菜を加えたりetc.

 

好みでアレンジを加えるようです。

 

揚げたキャッサバと合わせると美味なんだそうな。


こちらはパルサミ。



ロウロウ(タロイモの葉)を受け皿にして

 

ロロ(ココナッツクリームやココナッツミルク)やコンビーフなどの具を乗せ

 

包んで蒸し焼きにして作られるようです。

 

 

フィジーの伝統的な料理のメインディッシュは魚。

 

揚げたり、焼いたり、蒸したり、ココナッツミルクで煮込んだり

 

調理のバリエーションはたくさんあるようですね。

 

こちらは魚のココナッツミルク煮。

 

 

レシピをいろいろ見てみると、

 

レモングラスと魚醤を入れて煮込むものが多く

 

東南アジアのココナッツミルク料理に近いのかなぁー、と感じました。

 

こんな料理もありました!!

 

ナスに魚を詰めてココナッツクリームを乗せ蒸して作る

 

ベイガンバロという料理。

 

 

これは美味しそう!!!

 

ナス好きとしては一度作ってみたい料理ですね!!!!

 

 

南国料理好きってこともあるので、

 

めちゃくちゃ食べてみたーーい!!!!!!!!

 

と、スパイシーさんなんかは思うのですが、

 

面白いのはインド系フィジー人のみなさんは、

 

これらフィジー料理を全く食べないようなのです(笑)

 

ときおりフィジーの野菜やパンノキの実、タロイモなどを食べるけど

それはたいていジャガイモが不足した場合。

 

基本的には、祖国のインド料理に近いものを食べ続けるんだそうな。

 

 

再びリジーコリンガム著「インドカレー伝」からの情報ですが、

 

著者のリジーコリンガムさんが
 

フィジーに訪れた時の興味深いやり取りも書かれているのです。

 

51XVCH8o85L._SX346_BO1,204,203,200_.jpg

 

フィジー系インド人のタクシードライバーとの会話なのですが

 

コリンガムさんが「フィジー料理を食べるのか?」と聞いたところ

 

運転手から帰って来た言葉は

 

「それなら飢え死にした方がマシだよ」

 

「草でも食べるさ」!!!だったんだそうです(笑)

 

いやー、徹底しますねww

 

 

こうやって世界のカレー事情を調べていると思うのが

 

インド移民の人たちは、ホント、びっくりするくらい

 

祖国の食文化や伝統を守り続けているということ!!!!

 

住んでいる土地に少し歩み寄り、

 

その土地の料理とインド料理が合わさった

 

ハイブリッドな料理に進化しても良いのでは??と思うのですが

 

この辺の感覚が私たち日本人とは違うのでしょうね。

 

 

日本は明治期からじわじわと、

 

そして戦後、食事も文化も一気に西洋化しました。

 

インドは今、ものすごい勢いで発展し、

 

欧米発の様々なものがインド国内に入ってきています。

 

以前は、インドもいずれ日本と同じように西洋化していくのでは、

 

と思っていたのですが

 

頑なに伝統を守り続けるインドの人々を知っていくにつれ、

 

日本のような西洋化はしていかないのかもしれないなぁー、と、

 

なんとなく思えてくるのでした。

 

西洋化することは正解ではないですしね。

 

 

スパイシ~~♪♪♪

 

 

 

スパイシー丸山へのお問い合わせ、出演、お仕事のご依頼はこちら。
marushu1101@gmail.com

 

公式facebookページもLet'sチェケラ!!ページ上部中央にある『いいね』ボタンをクリックしてくれると嬉しいです。http://www.facebook.com/spicymaruyama

 

著書「初めての東京スパイスカレーガイド」絶賛発売中(送料無料)!!Amazon楽天iBooks(電子書籍版)Amazon(電子書籍版)

 

カレーラッパーとしても活動するスパイシーさんの初CD「CURRY RAP~作れマハラジャ~」発売中!タワーレコードAmazon楽天

 

暮らしにまつわる様々なモノやサービスを紹介するサイト「mybest」でオススメのレトルトカレーを紹介させていただきました!

https://my-best.com/lists/348

 

最近のカレーの傾向(トレンド)についてまとめてみました。https://ameblo.jp/maruyamashu/entry-12293374284.html

 

テレビ東京「車あるんですけど…?」に出演。“カレー食べまくりのドライブ旅”を決行しました!https://ameblo.jp/maruyamashu/entry-12345067705.html

テレビ東京「ソレダメ!」に出演。ソレマルなカレー新常識をお届けしました!https://ameblo.jp/maruyamashu/entry-12345091806.html

TBS「王様のブランチ」に2回目の出演!2017年夏注目のインスタントカレーTOP10を紹介しました!http://ameblo.jp/maruyamashu/entry-12296185485.html

テレビ東京「イチゲンさん」カレー対決で優勝!日本一のカレーマニアの称号をGETしました!http://ameblo.jp/maruyamashu/entry-12246851692.html

パクチーブームをさらに盛り上げるべくパクチーカレー料理レシピをいろいろ考案してみました。http://ameblo.jp/maruyamashu/entry-12259490600.html

 

インド料理店、南アジア料理店の店主の皆さんにお話しを聞く、好評のインタビュープロジェクト「Diggin'」はこちら


旨辛調味料ソースコ×スパイシー×音楽のカレーレシピサイト「Wild Spice」はこちら

 

日本野菜ソムリエ協会カレーマイスター養成講座で講師の1人を務めています。(諸事情により本名で登壇)http://curry-m.jp/

朝日放送・探偵ナイトスクープに奇跡の2回目の出演を果たしました!!http://ameblo.jp/maruyamashu/entry-12207656770.html
 
abemaTVの『SUGGEEE!!ディープな日本人』に登場!MCのパンサーの3人と永尾まりやさんにカレーについて熱く語っています。(動画視聴可)https://freshlive.tv/suggeeedeep/51342

NHK・マサカメTVに出演!和の食材だけで作る和のグリーンカレーを考案しました。http://s.ameblo.jp/maruyamashu/entry-12121689378.html
 
テレビ東京「なないろ日和!」に出演。10分で出来るスパイシーキーマカレーを披露しました!!http://ameblo.jp/maruyamashu/entry-12161861286.html

MBS「明石家電視台」で明石家さんまさんと奇跡の共演を果たしました!
http://s.ameblo.jp/maruyamashu/entry-11941078236.html

「WOWOWぷらすと」アーカイブ版。「カレーはエンターテイメント」をテーマに語り尽くす90分(動画視聴可)!http://st.wowow.co.jp/detail/7124?utm_source=twitter_plast&utm_medium=social&utm_campaign=wryu_2015

石田純一さんとガチ実食!カレーパンについて熱く語っていまーす。
http://lifemagazine.yahoo.co.jp/articles/53