4月最初の木曜日になりました。

新入生のみなさん、入学式はありましたか。

また、「児童・生徒・学生」のみなさん、新学期は始まりましたか。

新しい毎日にワクワクしている子どもたちも多いでしょうが、新しい生活にストレスを抱えてしまうこともあると思います。

「子どもが成長できる場所は学校だけではない」

という価値観が必要になる場合もあるでしょう。

今の日本では、

「子どもの将来に向けての選択肢を、学校や学歴以外に求める」

ことは簡単ではないかもしれませんが、それでも子どもの心を支えることを最優先するために、そんな選択肢を模索すべきときもあります。

親や周りの大人には、つねに正しい選択に努める責任があります。

親や大人自身が、強く正しく生きる必要もあります。

前回のメルマガの『小論文の書き方』(大成 功著)に関して、「もう少し説明してほしい」というお返事をいくつかいただきました。

関心を持っていただけてうれしく思います。

因みに、ネットのブックオフで検索すると、『小論文の書き方』(大成 功著)は200円の値段がついていました(現在、在庫切れでしたが)。

子どもたちの前には、「作文や感想文」という課題がやってきますし、入試のスタイルによっては、「志望書や小論文」というハードルもあります。

お父さん、お母さんにも、「書くという自己表現方法」に興味を持っていただく必要があると思います。

ということで、前回の<13のテクニック>のいくつかを取り上げて、私なりに解説を加えてみます。

<テクニック1 最初に、「問題がいくつある」と断ると論旨が明快になる。>

→このテクニックは、面接や口頭試問の場面でもたいへん有効だとされています。たとえば、小学校入試の保護者面接でも、「ご家庭の教育方針についてお話しください」という頻出の質問がありますが、こんな質問に対しても、「大切にしていることが2つあります」といった形で簡潔に答えればわかりやすいですよね。

<テクニック4 最も「ホット」な話題から始めると、試験官の新鮮な共感を呼ぶ。>

→与えられたテーマをよく理解したうえで、そのテーマに関連した「時事問題」を取り上げれば、受験者の資質の高さの一端を示すことができるというわけですね。理解力とともに即時の反応力をも発揮する必要がありますが、試験官に対して大きなアピールポイントとなります。中学入試の社会でも、毎年、「どんな時事問題が狙われるか」が話題になりますが、やはり国内外の諸問題に関してしっかりした認識を持っていてほしいという希望は、出題する側からすれば当然のものでしょう。

<テクニック6 「結論から言えば…」と書き出すと試験官にわずらわしさを感じさせない。>

→まず「結論」を述べて、「理由は2つあります」と理由を展開し、最後にもう一度「結論」を示すという流れは、英検の英作文などにも用いられる基本テクニックです。「論旨を明確にして、相手にしっかりと理解してもらう」ことは、まちがいなく重要な方針です。

<テクニック7 短いセンテンスでたたみかけた書き出しは、読み手を本題に誘い込みやすい。>

→自分のいいたいことを長い文で表現するには、かなりの筆力を要します。そんな技法はプロのモノ書きのみなさんに任せて、私たちは、「短めの文を重ねてテンポ良く」を基本方針にすべきということですね。短い文だから簡単だというわけではありませんが、そんな際には、「接続詞の使用」を最低限にとどめることも大切です。子どもに「できるだけ短い文を使って作文を書いてごらん」というと、「そして」「すると」「なぜなら」などがたくさん出てくることがありますが、「ほぼ不要」です。自由に書かせた後に、「それらの接続詞に×を付けて読んでごらん」というと、案外すっきりした文章になっています。

<テクニック8 「荘重な序論」は、試験官にわずらわしい印象しか与えない。>

→「難しそうなことを書けば賢くみえる」というのはまったくの幻想です。難しいことをわかりやすく書くのが「能力・脳力」です。受験者と試験官を比べれば、どう考えても試験官の方がいろいろな面で能力・脳力は高いでしょう。となれば、受験生が背伸びして賢ぶっても意味はないでしょう。逆に、愚かな選択でしかないといえそうです。受験者にできることは、自分の能力を「素直に、かつ正確に」伝えることでしょう。

<テクニック10 抽象的なテーマほど具体的な事実からはいると、試験官の印象に残りやすい。>
<テクニック11 抽象的なテーマは、「自分にとって…」とスタートすると具体的になる。>
<テクニック12 具体的なテーマは、逆に抽象論からはいると目立つ。>

→文章を読み取る場合であろうと自ら表現する場合であろうと、「抽象的な表現なのか、具体的な表現なのか」を意識することはたいへん重要です。小学校の低学年でも、親子の会話に、「もっとわかりやすくいうと?」や「もう少しまとめると、どういうこと?」という問いかけを取り入れたいものです。英語の長文を読むときも、各パラグラフ内の「抽象的な主張→具体的な説明」という論理展開は頻出ですね。

以上、いろいろな場面で役に立つテクニックだと思います。

意識して活用してみてくださいね。

では、今回の本題に入りたいと思います。

次の『東洋経済オンライン』の記事(編集しています、すみません)を読んでみてください。

『「名著、難しい本」をぐいぐい読みこなす簡単5秘訣
諦めるのはもったいない! おすすめの方法は?
https://toyokeizai.net/articles/-/514035
■じつは「いまこそ読むべき本」かもしれない!?
 「名著」や「難解な本」は「とっつきにくく読みにくいもの」が多い。本にもよるが、文章が難しく、ページ数も多く、内容も抽象的だったりする。
 とはいえ、その本が「あなたの人生に不要な本である」と言い切れるということではない。
 わたしは『罪と罰』を10代のころにはじめて読んだが、やたらと長いうえにロシア文学特有の人名の複雑さなどもあり、読むのにひどく難渋したことしか覚えていない。
 それから長い年月が経った2008年、光文社古典新訳文庫から新しい翻訳が出た。訳したのはロシア文学者としてドストエフスキーの研究で名高い亀山郁夫さんである。『罪と罰』全3巻をいっきに読み終えたあと、「こんな傑作だったとは!」と、いまごろになって天に向かって吠えた。
 文体や用語づかいで相性が悪くても、じつはその本が持っている世界観は素晴らしく、「いまこそ読むべきである」という本も存在する。そういう本を、相性やスキル不足のために手放してしまうのもちょっともったいない。
 ここでは、「名著・難解な本」を読む5つのコツについて紹介したい。
 まずおすすめは、「読みはじめる前にグーグルで情報を検索し『概要』を押さえること」である。
■「なぜこの小説を書いたのか」背景事情を学ぶ
【1】ネット検索で解説している「記事」や「背景知識」を読む
 ウィキペディアにはドストエフスキーも『罪と罰』もどちらの項目も掲載されている。まずウィキペディアの『罪と罰』の項目を読み、ドストエフスキーが「なぜこの小説を書いたのか」という背景事情を学ぶ。
【2】アマゾンなどの「商品ページのレビュー」を読む
 書籍の場合には、アマゾンの商品ページに掲載されているカスタマーレビューも参考になる。ウィキペディアの中には、項目によっては専門の研究者が執筆しているのか、なかなか難解なものもある。だから、アマゾンレビューを見ておくのはおすすめである。
 たしかにレビューの中には、「荒らし」や「ステマ」もあるので注意が必要である。著者をただ、けなしたい人が「荒らし」目的でレビューを書いていたり、お金をもらってヨイショのレビューを書いていたりする「ステマ」もある。
 よって、アマゾンのレビューを読むときは、「トップレビュー」と表示されているものがいい。「ベスト50レビュアー」「ベスト100レビュアー」と表示される優れたレビュアーのレビューを読むのもいい。
 また、本を購入せず読みもしないで「荒らし」のレビューを書く人を避けるため、レビューに 「Amazonで購入」と表示されているかどうかも見たほうがいいだろう。
【3】平易な「入門書」や「解説本」を読む
 アマゾンで検索してみると、いろいろな「入門書」が見つかる。本の説明や読者レビューを見ながら、なるべくわかりやすく書かれていそうなものを探してみよう。
 入門書は「名著への入り口」としてさっと読みこなせるものがいいので、「キンドル版」に絞って検索するのもいい。名著に悩んでいるときに、電子書籍ならすぐに手にとれるからだ。
【4】NHKの『100分de名著』シリーズがあればおすすめ
 「入門書」の中でも、NHKのテレビ番組『100分de名著』はとびきりの良シリーズだ。
 テレビ番組だが「NHKオンデマンド」でも配信されているほか、書籍にもなっている。書籍版はわりに薄くてコンパクトで、とてもとっつきやすい。分厚い名著を前に「こんな厚い本を読むのか……」とひるんだ人も気軽に手にとれるだろう。
【5】「漫画版」や「映画版」を探す
 誰もが知っているような名著だと、「漫画版」が出ていたり、「映画化」されていたりすることもある。
 漫画好きな人なら漫画のほうが、ストーリーがすっと頭に入ってきやすい。登場人物が見分けやすくキャラクターが立っているので、頭を整理しやすいというメリットがある。
■名著ほど「外堀情報」が大量に存在する
 「名著」や「難解な本」は、その本を単体として読むだけでなく、その本をとりまく記事やレビュー、入門書などを読んでいくことによって、「外堀を埋めていく」のがコツである。
 その本の全体像を理解できるだけでなく、その本が持っている「現代的な意味」や「歴史の中における立ち位置」など、さまざまな背景知識を得ることができるのだ。こうした「外堀情報」は、名著であればあるほど大量に存在するので、活用しやすい。
 わたしたちの大事な目標は、「難解な本」を素材にして「世界を学ぶこと」である。「偉大な文豪の視点」をわがものにすることで、文豪が世界をどう認識していたのかを学ぶことができる。それによってわたしたちは、世界のアウトラインを「文豪の世界観」を通して見ることができるというわけだ。
 みなさんも「名著、難解な本を読む力」を身につけることで、「文豪の世界観」を体得し、ぜひ自分の「知肉」に変えていってほしい。』

かなり編集していますので、ぜひ引用元の記事を全文読んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

【1】ネット検索で解説している「記事」や「背景知識」を読む

→「学校から課題が出されたら、まずネットで検索してみよう」というスタイルは、現代の常識のようなものでしょう。しかしながら、ネットの情報は玉石混交で、有名なウィキペディアでさえ当てにならないこともあります。「情報検索におけるスキル」も、親子で磨いていくべきですね。

【2】アマゾンなどの「商品ページのレビュー」を読む

→私も、アマゾンのレビューはしばしば参考にしますが、こちらも玉石混交です。実際に、『サクラチェッカー』(https://sakura-checker.jp/)というサイトさえあります。このサイトは、アマゾンのレビューにどの程度「サクラによる怪しいレビューが含まれている可能性があるか」を判断する際の参考になります。

【3】平易な「入門書」や「解説本」を読む
【4】NHKの『100分de名著』シリーズがあればおすすめ
【5】「漫画版」や「映画版」を探す

→私のような怠け者は、【3】~【5】の「対策」を施したら、それでもう「名著、難解な本」を読んだ気になってしまいそうです。となると、「本家の名著、難解な本を読む力を身につける」ことにつながる可能性はどんどん減ってしまいそうです。

高度情報社会の今、溢れる情報を自主的に取捨選択して取り込んで自分に役立てるスキルは必須ですが、そのような「情報処理能力」と「名著、難解な本を読みきる能力」とは別物のような気がします。

上記5つの秘訣で難解な本が読めるようになるならいいのですが、、、。