マリモの育て方-目次 |   マリモ博士の研究日記

  マリモ博士の研究日記

      - Research Notes of Dr. MARIMO -
  釧路国際ウェットランドセンターを拠点に、特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」と周辺湖沼の調査研究に取り組んでいます

■ 『マリモの育て方』 目次

 

● 小型球状マリモの栽培と管理 (国立台湾博物館用マニュアル)

   ① マニュアルの目的

   ② 球状マリモの生長特性

   ③ マリモ糸状体の生長条件

   ④ 球状マリモ栽培の基本的な考え方

   ⑤ 球状マリモの栽培方法

   ⑥ 付着生物の除去方法

 

 ・・・以下、順次掲載してまいります・・・・

 

● 大型球状マリモの栽培と管理 (準備中)

● 糸状体の大量培養 (準備中)

● 観賞用マリモの栽培と管理 (準備中)

● 阿寒湖でマリモを育てる-Myマリモプロジェクト (準備中)

● 球化する近縁種 (準備中)

 

2017年に東京・上野の国立科学博物館で実施した企画展

「マリモ発見120年『マリモの謎』-どこからきたのか?なぜまるいのか?」で栽培展示された大型マリモ

 

 

■ 『マリモの育て方』 について

 

 私が釧路市教育委員会マリモ研究室に勤務していた時代、最も多く寄せられた問い合わせの一つが、「マリモを購入したのだけれど、育て方が分からない。どうすればよいか」というものでした。

 

 研究室の業務目的は、特別天然記念物に指定されている阿寒湖のマリモの保護に関する研究・教育の推進です。このため、「観賞用に市販されているマリモの栽培方法に関する情報提供は、本来、販売者が行うべきもの」との整理が職場内でつけられていましたが、相談者がある以上、そうも言っていられません。その都度、定期的に水の交換と清掃が必要であることや、直射日光を避けること、温度を上げ過ぎないことなどを伝えてきました。

 

 しかし、多くは電話でのやりとりとなるため、なぜそうするのか科学的な根拠や原理まで説明する余裕はなく、また、マリモの培養条件や栽培方法のノウハウを積極的に公開する機会もありませんでした。

 

 このほど台北にある国立台湾博物館でマリモの栽培指導を行うにあたり、初となる栽培マニュアルを作成いたしました。マリモの栽培方法は、栽培の目的と取り扱うマリモの形状および大きさによって違ってきます。したがって、多くの方が栽培しているであろう市販されているマリモには、そのまま応用できない部分もありますが、基本的な考え方と操作方法を知るには役に立つと思います。

 

2017年12月から翌年3月まで国立台湾博物館で開催された特別展のオープニングでお披露目されたマリモ水槽

 

 

 市販されている観賞用マリモの栽培方法をはじめ、大きなマリモの取り扱い方法や、私たちがMyマリモと呼んでいる人工的に球化させたマリモのつくり方などについても、順次、紹介してまいります。本稿がマリモ愛好家の皆さんに活用されることを期待しております。 (2019年5月 記す)